厳島神社に訪れたら立ち寄りたい。〈世界一美しい美術館〉と広島の美食を巡る開運旅

福を呼ぶ開運特集

厳島神社に訪れたら立ち寄りたい。〈世界一美しい美術館〉と広島の美食を巡る開運旅

TRAVEL 2025.12.27

海に浮かぶ大鳥居、千年以上の時を刻む社殿。厳島神社を訪れる旅は、それだけで心が澄みわたるもの。けれど、その余韻をもう一歩先へと連れていってくれる場所が、広島にはある。

世界で最も美しいと称された美術館、土地に根差したものづくり、瀬戸内の恵みを味わう一皿、そして夜の街に漂う高揚感。“見る・食べる・感じる”を重ねることで、感性が磨かれ、運の流れが静かに整っていく。厳島神社と合わせて巡りたい、広島の開運スポットを紹介します。

text_Kanami Fujita
thumbnail_下瀬美術館提供

① 世界一美しい美術館で、感性を整える「下瀬美術館」

瀬戸内海を望む穏やかな水辺に佇む〈下瀬美術館〉。設計を手がけたのは、世界的建築家・坂 茂。2024年、ユネスコが主催するベルサイユ賞で「世界で最も美しい美術館」に選ばれ、いま世界中から注目を集めている。

最大の特徴は、10m×10mのカラフルな可動展示室が8室、水盤に浮かぶように配置されていること。展示室は6通りのレイアウトを組むことができ、訪れるたびに美術館全体の表情が変わる。水深約15cmの水盤は、凪のときには鏡のように景色を映し出し、建築そのものが一つのアート作品として立ち現れる。

自然光がたっぷり差し込む空間は、ただ歩いているだけで心がゆるみ、思考が静かになる。水辺のたゆたい、光の反射、足元に広がる静寂。何かを“得る”というより、“余分なものが削ぎ落とされていく”感覚に近い。旅の途中で感性をリセットする——それ自体が、開運の第一歩なのかもしれない。

②旅先で“地元の暮らし”に触れるという贅沢「minagarten」

広島市佐伯区皆賀にある〈minagarten（ミナガルデン）〉は、かつて園芸業を営んでいた約500 m² の土地をリブランディングして生まれた、地域に開かれた複合施設。

本、ベーカリー、カフェ、アンティーク家具店など、それぞれの想いを持った地元の人々が集い、今では100人規模のコミュニティへと育っている。

巨大な温室のようでもあり、コンテナの中にいるようでもある不思議な空間。天井が高く、光が巡り、地元の人たちが思い思いに時間を過ごしている。観光地を“消費する”のではなく、その土地の暮らしに一瞬だけ混ざる。旅の価値観が、そっと更新される場所だ。

③ 赤身はなし、瀬戸内の白身魚で堪能する「鮨 稲穂」

広島でぜひ体験したいのが、瀬戸内海の魚介を主役にした鮨。〈鮨 稲穂〉では、漁師・市場・料理人が連携して価値を届ける「瀬戸内さかな」を中心に提供している。白身魚や小魚の旨みが際立つ瀬戸内ならではの構成で、ランチコースに赤身が一切登場しないのも印象的。

なかでもハリイカは、あえて切れ目を入れず、パリッとした歯触りを楽しませる一貫。“知っていると思っていた味”が、更新される瞬間がここにある。

④ 香りで記憶に残る、広島のクラフト「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」

1918年創業の〈サクラオブルワリーアンドディスティラリー〉は、ウイスキー、ジン、日本酒まで幅広く手がける酒造。蒸留所見学では、美しい蒸留器や貯蔵庫、館内ツアーを通して、ものづくりの背景に触れることがでる。

ひんやりとした貯蔵庫に満ちるウイスキーの香り。試飲をしながら、自分の感覚で“今の一本”を選ぶ時間は、旅の記憶を深く刻んでくれる。自分へのお守りのように持ち帰りたい。

⑤ 夜は、レトロな飲み屋街・エキニシで気の向くままに

広島駅西側に広がるエリア「エキニシ」は、今もっとも熱量の高い夜の街。古民家を改装した飲食店が軒を連ね、路地を歩くだけで心が躍る。

厳島神社で心を整え、下瀬美術館で感性をひらき、広島の食とものづくりで、自分の“好き”を再確認する。

派手な開運アクションはなくても、美しいものに触れ、おいしいものを味わい、心がきちんと動く旅は、きっとその先の日常を少しだけ軽やかにしてくれる。

次の旅先に迷ったら、“感性を整える広島”という選択を。

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