もっと!京都 夏の風物詩!〈上七軒歌舞練場〉のビアガーデンと嵐山の鵜飼見物|モデル・本山順子 TRAVEL 2023.07.27

京都在住のハナコラボ パートナーが、現地に住んでいるからこそわかる、いま行くべき注目スポットを紹介。今回は、モデルの本山順子さんが、着物で訪れたい京都の美しいスポットをお届けします。

〈上七軒歌舞練場(かみしちけんかぶれんじょう)〉のビアガーデンへ

太鼓橋と風に揺れる提灯。
太鼓橋と風に揺れる提灯。

ビール党の私は年がら年中ビールを飲んでいますが、今年もビールがおいしい季節がやってまいりました!そんな中、今回訪れたのは〈上七軒歌舞練場〉のビアガーデン。以前の連載でも訪れた〈北野天満宮〉の東参道にあります。

上七軒歌舞練場の中に入るとババン!と目に飛び込んでくる太鼓橋。池には鯉が悠々と泳いでいてなんとも涼しげ。七軒茶屋の由来は、室町時代に北野天満宮の社殿が一部消失した際に新たに社殿を造営する際の残材を使い、東門前に七軒の茶屋を建てたことから。提灯に描かれている上七軒花街の「五つ団子の紋章」は名物御手洗団子にちなんだもの。素敵な紋章だなぁ〜と眺めさせていただいていたのですが、お団子だと思うと急においしそうに見えてきました。

太鼓橋を渡ったところから眺める中庭も素晴らしい。写真の奥に写る歌舞練場も拝見させていただきました。春は「北野をどり」、秋は「寿会」。芸妓・舞妓さんが日頃の研鑽の成果をこの舞台で披露されます。私もいつの日か拝見させていただきたいです。

ビールを待ち構えていると舞妓さんがお席までいらしてくれました。ビアガーデンではお揃いの浴衣を身に纏った、芸妓さん・舞妓さんがお席までご挨拶にきてくださりますよ〜。“福が舞い込む”という舞妓さんのお名刺「千社札(せんじゃふだ)」をいただきました。舞妓のふじ千代さん、とってもかわいらしい!

ビールも到着したところで、かんぱ〜い!ビアガーデンのプレモル(ザ・プレミアム・モルツ)、たまらないですよね。枝豆と冷奴とビールがついてくる最初のセットは2,500円でアラカルトメニューも追加可能。上七軒歌舞練場の素晴らしいお庭を眺めながら舞妓さんとキンキンに冷えたビール。この華やいだ雰囲気を喧騒を離れた上七軒で味わってみてはいかがでしょうか。

お気に入りのお着物で出かけるとテンション上がります!
お気に入りのお着物で出かけるとテンション上がります!

この日のお着物は母に譲ってもらった夏大島(夏用の着物)に、百合や菖の日本刺繍が施されたアンティークの夏帯の名古屋帯を合わせてみました。夏大島は透け感があり見た目にも涼しげ。そして浴衣とは一味違った“女度”をググッと押し上げてくれる、粋なかっこよさがあります。さらに着物の暑さを和らげたいのであれば、帯枕を使わない銀座結びもおすすめ!お太鼓結びよりー3度の涼しさで過ごせますよ◎。

〈北野天満宮〉のお話も出たので蚤の市の戦利品をチラリ。
〈北野天満宮〉のお話も出たので蚤の市の戦利品をチラリ。

ちなみに、北野天満宮といえば自宅から離れているにも関わらず、YouTubeの撮影や毎月25日に行われてる蚤の市「天神さんの市」でもちょくちょくお伺いしていて、私にとってはすっかり慣れ親しんだ場所。京都ではたくさんの蚤の市が行われていますが、体感として着物を取り扱うお店が多いのも特徴かもしれません。いきなり高い着物を買うのはなかなか勇気がいりますよね?蚤の市だと1,000円均一などもあったりして、年代物の掘り出し物もザクザク!着物フリークだけでなく着物の入門の方でも楽しめる蚤の市だと感じています(いろんな蚤の市レポもいつかやりたーい)。

帰り道に、嵐山の鵜飼を見物

ライトアップされた美しい山々。
ライトアップされた美しい山々。

歌舞練場を後にして、せっかくお着物を着付けて髪も結ったんだからと向かったのは、嵐山の夏の風物詩「鵜飼見物」。ライトアップされた山々の凄み!涼しい風を感じながら桂川沿いを歩いていると「嵐山鵜飼」という提灯が見えてきます。鵜飼とは鵜と呼ばれる鳥を川に放して、鮎をとる日本古来の漁業。鵜飼業で獲れる魚には傷がつかず、鵜の食堂で一瞬にして気絶させるため魚の鮮度を保つことができるのだそう。時間になると10人ほどで船に乗り込み出発です。自分が乗った船は私たち以外はみんな海外からのお客さんでした。

船頭さんがなが〜い“櫂”を自在に操り、川のヒンヤリした空気をかき分けてぐんぐん川を進む様が本当にかっこよくて惚れ惚れします。船頭さんのお話をお伺いする限りでは結構お年を召していらっしゃるようなのですが、みなさん本当に快活で若々しい!真っ暗な水面に街の光がゆらゆらと揺れて、辺りは櫂が川底を押す音だけが響き、実に優美な時間が流れていきます。ああ、なんて素晴らしい夜なんでしょう。

そんな中「おらんか!おらんか!」「見えんか!見えんか!」という威勢の良い声と、眩しい“かがり火”と共にツヤツヤの鵜がやってきました。潜っては浮上してを繰り返し、頑張って漁をしている姿がなんとも健気で本当にかわいい!かがり火の松の木が煌々と燃えて火花を散らし、川に吹く涼しい風が芳しい香りを運んできます。鵜匠さんの手綱裁きも必見ですよ〜。船着場に戻る時には、頑張ってたくさん漁をしてくれた鵜と船頭さんに言葉が通じない海外のお客さんからも自然と拍手が巻き起こり、本当に感動的な時間を過ごさせていただき感無量です。素晴らしいお仕事は国境や言語を越えるんだな〜と、少し涙ぐんでしまいました。

暑い京都の涼しい楽しみ方。夏の京都でお着物で過ごすには少し工夫が必要ですが、ロケーションを選べばとても快適に楽しく過ごすことができますよ。鵜飼の船頭さんが「川下りの方も応援してあげてや〜!」とおっしゃっていて、仕事人同士の支え合いに心打たれたのと、今回の鵜飼見物ですっかり船あそびにハマってしまったので今年の夏は浴衣を着て川下りにもお出かけしてみようかしらと企んでいます。皆様も夏の納涼を楽しんでくださいね。それでは皆様が"もっと!京都"を楽しめますように♪

Videos

Pick Up