ハナコラボSDGsレポート 祝1周年!SDGsアイドル「CoCoLo♡RiPPLe (ココロリップル) 」|ライター・五月女菜穂
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第78回は、ライターとして活躍する五月女菜穂さんが、SDGsアイドル〈CoCoLo♡RiPPLe〉のみなさんに話を伺いました。
歌とダンスとSDGs活動で世界を変えることに挑んでいる、アイドルグループ「CoCoLo♡RiPPLe」。“SDGs”と“アイドル”という、全く違う2つの領域に関心を持つメンバーが集まり、2021年11月に誕生しました。
今回はメンバー6人のうち、佐倉春来さん、筒井陽美さん、七森ひなさん、葉山ゆずさんを取材。それぞれのSDGsに対する想いや、これから成し遂げたい夢などを聞きました。
コンセプトは「アイドルの力で地球を救う」
ーー最初に簡単な自己紹介と、関心のあるSDGsの目標を教えてください。また、関心を持った理由も聞かせてください。
筒井さん:筒井陽美です。ぶーちゃんと呼ばれています。SDGs関連で興味があることは「16.平和と公正をすべての人に」です。関心を持った理由は、私は広島県出身で、幼い頃から平和についての学習をしてきました。曽祖母が被曝体験者で、(原爆が投下された)8月6日はみんなで黙祷するのが当たり前という環境に生まれ育ってきたからです。
一方、私は小学校の頃からダンスをやっていたので、歌や芸能活動にも興味を持っていました。今は“アイドル戦国時代”。みんながスキルを持っているので、自分も何か目立てる武器を持たなくてはいけないなと思っていたんです。
そんな中で、広島県出身で平和学習をしてきたことは武器になるのではないか、と思って。時が流れていけば、戦争を直接知らない人が増えてくる。広島では「語り部」という、戦争体験を語り継いでくれる人がいるんですけど、その世代もだんだんいなくなってしまう。語り部から聞いたことを語り継ぐしかないんですよね。
そう思っていた矢先にココリプ(※CoCoLo♡RiPPLeの略称)のオーディションを見つけたんです。私にしかできないことが見つかるかなという思いで、いま活動させていただいています。
佐倉さん:CoCoLo♡RiPPLe最年少16歳の佐倉春来です。私は「13.気候変動に具体的な対策を」に1番興味があり、そのほか「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」など、自然環境に関連したことにすごく興味があります。
きっかけは、小学生のときに見たテレビ番組です。その番組では、地球温暖化が進んだ末路がCGで描かれていて、本当に悲惨な地球の姿があったんですね。すごく怖くなってしまった記憶があります。
そして、コロナ禍の自粛期間でその不安がまた押し寄せてきて。このまま地球が滅んでしまったらどうしよう、と。祖父にその思いを相談したら「怖いのは相手をよく知らないからだ」と言われて、地球温暖化のことを勉強しました。そうすると、現場に向き合う勇気、そして自分で行動する勇気が出てきました。
元々、女優さんに憧れていて、芸能界にも興味があったので、ココリプのオーディションを見つけたときに「これしかない!」と思い、今、メンバーとして活動させてもらっています。
葉山さん:ぽんちゃんこと、葉山ゆずです。私が関心があるのは「15.陸の豊かさも守ろう」と「12.つくる責任 つかう責任」です。私は元々CoCoLo♡RiPPLeのオーディションをきっかけに、SDGsを知りました。オーディションではプレゼンがあったので、自分なりにSDGsの勉強をしました。
祖母から『犬たちをおくる日』という本を買ってもらったことがあって。幼少期から動物が好きで、表紙がかわいいというだけで買ってもらったんですけど、内容は犬の殺処分に関する話だったんです。幼いながら「どうにかしたい」と思い始めたんですけど、実際に何したらいいか分からなかったんですよね。
「SDGsアイドル」ならば、私にも何か発信できることがあるのではないかなと思って、今、活動しています。
七森さん:大学3年生の七森ひなです。1番興味があるSDGsの開発目標は「1.貧困をなくそう」です。興味をもったきっかけは、コロナ禍の1年間、フィリピンで過ごしたことです。ご飯が食べられなかったり、栄養が偏っている食事しか取れなかったり、お金がないから病院に行くことができなかったり...貧困の現場を目の当たりにしました。
現地で私はタピオカ屋のお手伝いをしていました。お金持ちにタピオカを売って、そのお金で子どもたちにタピオカを配るという事業をやっていました。日本でも何かできることがあるのではないかなと思って、いまCoCoLo♡RiPPLeとして活動しています。
ーー活動の中で印象に残っていることや心がけていることを教えてください。
筒井さん:「SDGs体験MATSURI」というイベントに出演させていただいたときに、間伐材を使ったうちわ作りを体験させてもらったんです。普段なら捨てられてしまうようなものを活用していくのがいいなと思って、私自身も私生活で物を捨てるときに「他に何か使えないかな?」とか「もう少し細かく分別しよう」と思うようになりましたね。
私もココリプがきっかけでSDGsについて勉強するようになったんですけど...最初はSDGsのことがどこか他人事で、個人ができることは限界があるのかなと思ったんです。でも、みんなが力を合わせてやっていけば、状況はよくなっていく。そのことを伝えたいなと思っていますし、実際にレシーバー(※ファンの名称)の方たちにも伝わっているなという実感があります。
佐倉さん:私は活動の中で1番気をつけているのが、私の焦りや不安を強く出さないようにすること。なるべくポジティブな気持ちを伝えるように心がけています。環境を守ることをすれば、もっと素敵な世界になるかもしれないし、楽しいことがいっぱいあるよと。そんなポジティブな気持ちを渡せるように活動しています。
葉山さん:私はCoCoLo♡RiPPLeの前にアイドルをやっていた経験があるんですけど、そのときから私を応援してくださったファンの方が「ぽんちゃんをきっかけにSDGsを知った」と言ってくださって。とても嬉しかったです。
七森さん:SDGsという単語を知ったのはフィリピンにいるときでした。ちょうど世界中でSDGsが広まっていったときだったのですが、私の周りではあまり知られていなくて、どこか孤独に感じていました。
そして日本に帰ってきて、このCoCoLo♡RiPPLeと出会って。メンバーはもちろん、レシーバーさんたちは、一緒にSDGs達成を目指す仲間というか、一緒に学んでいく仲間のような感覚です。
特に印象的だったのは、私がマイ箸を持ち運んでいることをツイートしたら「僕も持ち運ぼうかな」という反響があったこと。うれしかったですね。
ーーいまマイ箸のお話がありましたが、他にもみなさんが実践されていることを教えてください。
筒井さん:レッスンのときは、みんなマイボトルを持っていますね。
七森さん:メンバーはみんな少食。撮影の時にいただくお弁当など、事前に食べ切れないなと分かっているものはスタッフさんにお返ししたりしています。食べ残しはなるべく避けたいと思っているので...。
葉山さん:デビューライブのときに「陸の豊かさも守ろう」に関するプレゼンをしたのですが、その下調べの過程でFSCマークに出会ったんです。FSCマークは「森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマーク」で、日常の中で探してみたら、オレンジジュースや牛乳のパックに印字されていたんですよね。それ以来、同じ飲み物を買うなら、なるべくFSCマークがついているものを買おうと心がけています。
佐倉さん:私は祖母と一緒に、無農薬で家庭菜園をやっています。祖母は、普通なら捨ててしまうようなニンジンの葉っぱなども切り刻んで、チャーハンに混ぜて、食べたりするんです。今年はナスが大量に取れたので、ナスのジャムもつくりました。まるでリンゴジャムのようで、意外と美味しかったんですよね。
祖母の姿を見ていると、食べ残しを減らそうとしたり、水を使いすぎないようにしたり、そういう初歩的なことが一番大切なんだなと実感します。
ーーこれからの活動の抱負や、ファンであるレシーバーの皆さんへの一言をお願いします!
筒井さん:11月6日に1周年単独ライブがあるので、まずはそれを成功させたいです。来年は、動物愛護団体や「子どもの貧困」サポート団体とのコラボ動画の作成や、ゴミ拾いオフ会が予定されています。
みんなで楽しく学べるような、私たちならではのイベントや活動がこれからもできたらいいなと思っています。レシーバーの方からも「一緒に学べるし、見ていて楽しい」という声を多くいただいているので、来年ももっと楽しんでいただけるように頑張ります。
佐倉さん:私は「現場」を見てみたいという気持ちを強く持っています。実際この目で見るのと見ないのとでは、やはり違うと思うので。SDGsに関する発信をする以上、いつか現場に行ってみたいと思います。
葉山さん:先日、大学の文化祭に出演させていただく機会がありました。私たちを知らない方たちの前でパフォーマンスをやったのですが、すぐにSNSで「最高だった」とか「ファンになりました」とか反応があって。そういう機会も増えていくといいなと思います。
ずっと応援してくれるレシーバーへのメッセージとしては、これからもっともっと前進して頑張っていきたいなと思っています。一緒に大きなステージにいけるように、思い出をたくさんつくっていけるように頑張ります!
七森さん:私はココリプのみんなとやっていきたい夢が、子ども食堂を開くこと。「アイドル」×「SDGs」というだけでとてもおもしろいけれど、アイドルが子ども食堂をやっているなんて、もっとおもしろくなりそうだなと思って。子どもたちだけではなく、レシーバーの方たちも呼んで、オフ会のようなことができたらいいなと妄想をしています。
また、レシーバーの皆さんと、ともに学んで、ともに楽しみ、ともに歩んでいこうと伝えたいです。