カルチャーで知るSDGs 今、「エシカル消費」についてどう考える?おすすめドラマ・ドキュメンタリー・本4選

SUSTAINABLE 2020.11.21

なんだか難しそうと思われがちなSDGs、実は私たちの生活に身近なテーマばかり。現代社会が抱える課題について知るきっかけになる、映画やドラマ、本を紹介していきます。今回ご紹介するテーマは「エシカル」。ファストファッションを中心とする大量生産・大量消費の時代が終わり、よりエシカルなもの選びが重要視されている今。買うこと、使うこと、捨てることについて、どう考える?

1.『KonMari 〜人生がときめく 片づけの魔法〜』

Netflixオリジナルシリーズ『KonMari 〜人生がときめく片づけの魔法〜』独占配信中
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片付けコンサルタントとして世界で活躍する近藤麻理恵さんが、独自の“こんまりメソッド”を伝授しながらときめく空間づくりを手伝う番組。小さな子どもがいて家がなかなか片付かない家族、亡くなった夫の遺品を手放せない妻など、片付いていない空間からネガティブな影響を受けている人たちが、家を整えることで前向きな気持ちを取り戻していく。

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「依頼者たちが“スパーク・ジョイ”しないものを次々と捨てながら人生を変えていく姿には、「ものを所有すること」への根源的な問いとその答えがあると感じました。」

2.『minimalism』 ジョシュア・フィールズ・ミルバーン、 ライアン・ニコデマス 著/吉田俊太郎 訳

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より少ない所有物で意義深い生活を送ることを探求し実践するユニット「ザ・ミニマリスツ」の2人による書籍。広い家と最新の暮らしを得て、誰もが羨む成功を一度は収めた“勝ち組”の著者たちが、時間や人間関係に行き詰まりを感じた時にどうやって生活を変えていけばいいのか、という視点で書かれている。(フィルムアート社/1,700円)

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「ミニマリストの根本は、自分にとって本当に大切なものは何なのかを考えること。この世界で自由に生きるために「選択」を研ぎ澄ます、そんな発想を与えてくれました。」

3.『BORO─つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化』小出由紀子、都築響一著

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民俗学者・田中忠三郎がコレクションしていた青森の衣服「ぼろ」を都築響一さんの撮り下ろしの写真とともに紹介する一冊。東北の端で生活していた農民たちが寒さと貧しさの末に生み出した「ぼろ」は、ものを長く愛するということの大切さを感じさせ、ファッションに関わるすべての人に根本的な問いを突きつける。(アスペクト/3,400円)

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「いびつにも美しく、幾重にも縫い継がれたぼろ布に、触れてきた人の姿と時間が立ち上がるようでした。エコロジーの真髄を知るまでのとてつもない距離をこの本に感じます。」

4.『ザ・トゥルー・コスト 〜ファスト ファッション 真の代償〜』

バングラデシュで1,000人以上の死者を出した縫製工場の事故をきっかけに映像制作を決意したアンドリュー・モーガン監督が、大量生産・大量消費が問題視されるファッション業界の闇を浮き彫りにしたドキュメンタリー。(DVD 3,500円/ユナイテッドピープル)

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「商品が作られる過程を深く考えたことのなかった私に影響を与えた作品。工場で働く女性の「私たちの血で作ったものを誰にも着てほしくない」という言葉が忘れられません。」

Navigators

・小田部仁(おたべ・じん)/ユースカルチャー 誌『Quick Japan』編集部を経て 独立。現在はフリーランスで文筆 ・編集業に携わる。
・木村綾子(きむら・あやこ)/文筆業のほか、〈蔦屋書店〉で企画と制作を行う。『Hanako.tokyo』で「あなたに効く本、処方します。」を連載中。
・クラーク志織(クラーク・しおり)/武蔵野美術大学を卒業後、2012年にロンドンへ移住。イラストレーターとして雑誌や広告を中心に活躍中。

(Hanako1190号掲載/photo:Natsumi Kakuto text:Momoka Oba)

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