なかほら牧場
2021.10.29

24時間365日の自然放牧、岩手の大地に生きる牛のおすそ分け。 自然のままに育てる〈なかほら牧場〉のミルク&グラスフェッドバターを体験。

〈なかほら牧場〉は、日本でも数少ない「山地酪農(やまちらくのう)に取り組む岩手の酪農場。24時間365日の自然放牧で、野シバや木の葉などを食べ自由に過ごす牛のミルクは、季節ごとに味わいも変わるのだとか。今回は特別に〈なかほら牧場〉のミルクとグラスフェッドバターを試食させていただく機会がありましたので、詳しくレポートしたいと思います。

野シバや木の葉を食み、自由に過ごす母牛のミルクは“乳白色”。

〈なかほら牧場〉

岩手県の北部、標高700〜850mの山間部にある〈なかほら牧場〉。野球のグラウンド130個分という広大な土地で、ジャージー牛を中心におよそ150頭の乳牛を放牧しています。

一般的な酪農では乳牛は牛舎につながれており、食べるものは穀物。主な餌は遺伝子組換えの輸入トウモロコシです。〈なかほら牧場〉では牛舎は持たず、あるのは搾乳舎のみ。牛たちは山に自生する野シバや木の葉を好きなだけ食べて自由に過ごし、自然交配・自然分娩で仔牛を育てます。母牛たちは朝夕2回、決まった時間になるとミルクを搾ってもらうためにきちんと山を下りてくるのだとか。

こうした「山地酪農」は土地の確保や維持などの理由で世界的にも難しいとされており、日本でも取り組んでいる牧場は数軒しかないのだそう。

「中洞牧場牛乳」(冷蔵便)1本720ml 1,188円。
「中洞牧場牛乳」(冷蔵便)1本720ml 1,188円。

そうして搾ったミルクは自然に近い風味を残すため、低温で最低限の殺菌のみを施します。その味わいはFOODEX JAPAN2013年度の「ご当地牛乳グランプリ」で最高金賞を受賞したほど。

〈なかほら牧場〉

グラスに注いでみると、スーパーで購入する一般的な牛乳と違って色が明らかに濃く、まさに“乳白色”。これは牛の食べた草の成分「βカロテン」がミルクに移ったためなんです。

牛乳瓶の内側には、うっすらとクリーム状の筋が。これはバターと同じ乳脂肪分で、脂肪球の均一化(ホモジナイズ加工)をしない証なのだとか。

コクのある甘みがあり、普段飲んでいる牛乳と全然違います。とろりと濃厚そうに見えますが、サラッと喉に落ちていくのが不思議。後味はスッキリしているのに、ふんわりとミルクの余韻だけが残ります。

こちらは到着してすぐのミルク。数日経つとまた違う味わいになると聞いたので、後日2本目を開封してみました。

数日置いたミルクは、瓶の口近くに生クリームがたっぷり。
数日置いたミルクは、瓶の口近くに生クリームがたっぷり。
分離した乳脂肪が上部に上がってきたためで「クリームライン」と呼ばれるそう。
分離した乳脂肪が上部に上がってきたためで「クリームライン」と呼ばれるそう。
数日置いたミルクは、瓶の口近くに生クリームがたっぷり。
分離した乳脂肪が上部に上がってきたためで「クリームライン」と呼ばれるそう。

冷蔵庫で数日置いたミルクは、瓶の口近くに乳脂肪分のかたまりがたっぷり上がってきていました。この生クリームをすくって食べてみると、先日飲んだミルクをさらにギュッと凝縮したような濃厚さ。下の部分はスッキリとした味わいになっていて「牛乳の贅沢な楽しみ方をしている…」と実感してしまいました。

この乳白色の色合いやミルクの風味も、季節ごとに変わるそう。野シバの色が濃くなる夏は黄色味が増したり、干し草が主食になる晩秋から春にかけては淡い色になったり。冬になると牛たちは脂肪分を蓄えるため、より濃厚な味わいになるのだとか。

国内での流通は〈なかほら牧場〉だけ。希少な「ピュアグラスフェッドバター」を試食。

グラスフェッドバター100g ( 冷蔵便/冷凍便可)1個 2,160円。
グラスフェッドバター100g ( 冷蔵便/冷凍便可)1個 2,160円。

〈なかほら牧場〉では母牛の貴重なミルクで、さまざまな加工品も手掛けています。そのうちのひとつ「グラスフェッドバター」は、本来草食である牛をきちんと草で育ててミルクを搾り、作ったバターのこと。穀物で育てた牛のミルクから作るバターよりも不飽和脂肪酸が多いのが特徴で、国内で流通しているグラスフェッドバターは〈なかほら牧場〉だけです。

〈なかほら牧場〉

卵色のような濃い色のグラスフェットバター。ひと口そのまま食べてみたところ、軽い口当たりでスッと溶け、しつこさがありません。また、一般的なバターよりもやわらかくなるのが早いように感じました。

〈なかほら牧場〉

まずは焼きたてのトーストの上に。温めると香りも味もさらにミルキーになります。食塩不使用なのでトーストにのせるだけでなく、バターコーヒーにもおすすめなのだとか。

〈なかほら牧場〉

蒸したじゃがいもにグラスフェットバターをのせ、ハーブソルトをガリガリと。いつものじゃがバターも贅沢な味わいになりました。

「中洞牧場のグラスフェッドビーフ」(冷凍便)500g 3,780円。
「中洞牧場のグラスフェッドビーフ」(冷凍便)500g 3,780円。

さらに今回は「グラスフェットビーフ」も試食。山の斜面からなる〈なかほら牧場〉の牛たちは野シバにおおわれた山を歩きまわるため、とても筋肉質。脂身が少なく、しっかりとした味と肉質が特徴です。

〈なかほら牧場〉

「グラスフェットビーフ」をじっくり時間をかけて煮込み、ビーフシチューにしてみました。確かに噛みごたえのある肉質で、噛むほどにじわじわと旨みが染み出てくるような味わい。温かい煮込み料理がおいしくなるこれからの時期にぴったりかもしれません。

ミルク本来の味わいが楽しめる、贅沢なお取り寄せを堪能しよう。

〈なかほら牧場〉

一般的なミルクよりもお値段は張りますが、しっかりとした満足感が得られるおいしさ。今回ご紹介したミルクやグラスフェットバター、角切りビーフのほか、ドリンクヨーグルトやプリン、ハンバーグなど加工品も豊富に揃っています。自分用のお取り寄せはもちろん、ギフトにも喜ばれそう。詳しくはオンラインショップをチェックしてみてくださいね。

【なかほら牧場】
公式サイト

田窪 綾
田窪 綾 / ライター

「調理師免許持ちのフリーライター。食分野を中心に、Webや雑誌で執筆中。白いごはんとごはんのおともがあれば幸せ。時々おにぎり屋めぐりも楽しんでいます。」

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