発酵と、大豆と、わたし。 6/24〜6/30 なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。アレンジ・大容量・サミット、納豆という大海に溺れて。
納豆をこよなく愛する23歳「なっとう娘」が送る、納豆のビジュアル、香り、テイストについてコメントしつつ、魅力を語っているコラムです。(あくまでも個人の感想です)日々ライブ配信にて紹介している色とりどりな納豆たちがずらり!身近な存在だけど実は奥が深い納豆の世界へ、あなたも誘われちゃうかも!?ぜひご覧くださいませ!
このコラムでは、毎日の配信で食べている納豆1週間分を3つの評価軸をMAXの数値を5として、私の主観で評価させていただいています。あくまでも、その納豆の特徴を表すための数値なので、数値の高い低いに優劣はありません!ご自身の好みに合った納豆探しの参考にしてみてくださいね。
〈3つの評価軸〉
・ねばり(弱い 1↔5 強い)
・納豆のかおり(控えめ 1↔5 濃厚)
・豆のかたさ(柔らかい 1↔5 固い)
上記3つの評価のほかに、各納豆に関する情報と感想として「なっとう娘メモ」を添え、私の思う納豆の魅力を余すことなくお伝えさせていただきます。みなさんと多種多様な納豆の世界を共有できたら嬉しいなと思いコラムという形で発信をはじめましたので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです!
それではレッツ「ねばログ」!
▽1週間分の納豆配信まとめ動画も公開中!▽
1.イリュージョン納豆。「北海小粒」/〈納豆工房 せんだいや〉
●ねばり 1.6
●納豆のかおり 3.7
●豆のかたさ 1.9
気付いたら空だった。そんな経験を納豆でなくとも、何かを夢中で食べていた時、あなたも経験したことがあるだろう。まさにこの納豆の食べやすさが私をそうさせた。豆の柔らかさもちょうど良く、だしも効いているが塩気のしっかりとした醤油気質なタレである。これがまた白米をそそる味で美味しいのだ。正直この記事を書くのに、2カップ食べた。なぜなら1カップは無意識のうちに平らげてしまっていたからだ。笑 みなさんにもぜひこの体験をしてほしい。するっといける納豆もまるで呼吸のごとくなくなる感覚は、それはそれで気持ちいいものである。
2.あっぱれサミット納豆。「鹿角納豆」/〈豆の文志郎〉
●ねばり 1.8
●納豆のかおり 3.3
●豆のかたさ 3.6
洞爺湖サミットで朝食に選ばれた納豆。うむ、興味しかそそられない。果たしてどんな納豆が納豆代表として、各国の重鎮の口へ運ばれたのか気になって仕方がなかった。颯爽とレジに向かい購入。パッケージには、どのタイミングで活用するのか全く見当のつかない麻の紐が括られており、made in Japan感を出しているという役割だということに自分の中では落ち着いた。
(真相は知らないが)経木の皮に包まれており、一枚一枚経木をめくっていく。この時の最後の一枚がなんともエロく、さすがキングオブエロ食材だなと思う。開封一番目に飛び込んでくるのは、経木を滴らせていた溢れる色気とは裏腹に、健康的・元気な豆色をしている納豆たちだ。器に移し、かき混ぜていく。その瞬間私は、世界と繋がれた気がした。サミットに出席したグローバルをこの納豆をかき混ぜるという同じ行為をしていたのだと脳内で考えれば考えるほど、不思議な感覚に陥った。一口、口にするとほどよすぎる食感が、粒のサイズによって生みだされていることを感じる。たしかにこれは美味しい。タレの香りも強すぎず、豆とのバランスもとても良い、納豆の旨みが凝縮され、且つ的確に納豆の魅力を伝えている逸品だと感じた。
3.咥えれば夢心地。「ひきわり納豆 手巻き寿司用300g」/〈かじのや〉
●ねばり 3.9
●納豆のかおり 4.6
●豆のかたさ 2.6
この絞り袋型は、もう幸せそのものである。眺めているだけでにやけてくるし、私にとっては、もうどうしようもなく愛おしい存在なのだ。そもそもひきわり納豆が好きであるのだが、そこへ更に追い討ちをかけるように口の中へと大量に詰め込むことのできるこの作り。私得でしかない商品なのである。
(本来は納豆巻きを作るためのもの)絞り袋を見つめ、散々口にする楽しみを妄想しては気持ちを高揚させ、最高潮に達したところで切り口を口に咥える。手で納豆を押し出せば、この上なき幸せが広がるのを鼻から抜ける香りが知らせてくれる。この納豆は味が付いていないため、少し食べたところを袋に余裕を持たせ空洞化させて、醤油を注ぐ。少しその注いだ部分を揉み込みまた口に咥える。ひきわり特有の鼻を抜ける香り高さと、醤油の香ばしさが口の中でマリアージュを起こし、どんな時も自分の期待を上回ってくれる本当に素晴らしい納豆なのだ。
4.納豆界の奥深さ。「極小一番」/〈あづま食品〉
●ねばり 1.3
●納豆のかおり 3.5
●豆のかたさ 2.3
とあるスーパー内の納豆棚で、もっともオーソドックスそうな雰囲気を醸し出すビジュアルのパックを「はっ、これは買ったことがない...」と手に取るときの納豆の奥深さを感じる心情たるや...。まだ見ぬ納豆の世界へのワクワク感と、まだまだ納豆界の新参者であると実感させられる自分への力不足を感じるこの葛藤...。くぅ、たまらん。もっともっと知りたいという意欲を掻き立たせてくれる存在がいるということは、とっても有り難いなと思いを馳せながらも納豆を手に取った。
この既視感ある安心感がにじみ出たパッケージを剥がし、パックを開けるとそこには極小粒納豆たちがきゅっと詰め込まれていた。タレ前、かき混ぜている最中に納豆のえぐみを香りで感じた。一口、口にするとタレを入れた後もなお、豆と粘りにより生み出されたえぐみがまだ消えきっていないのだ。これが、全体的にパンチのある納豆という印象として脳裏に刻まれていく。小粒で食べやすく、食べるリズムはかなりハイテンポなものになる。食べ終わった後もなお残る、ビター感がまたなんとも言えない”味”となり、個性の出た納豆だった。
5.洗練されたデザインとしっかりとした豆感。「糸物語」/〈小金屋〉
●ねばり 3.9
●納豆のかおり 3.7
●豆のかたさ 2.9
カップのデザインがとても凝っていて、こだわりを感じる。アパレルのセレクトショップに並んでいても遜色ないほど洗練されている。カップを開けると、これまた珍しい白だしのタレが入っているではないか。納豆との相性に自然と期待が高まっていく。かき混ぜ進めると、「糸物語」という名前に似て、糸のような柔らかい粘りを見せるかと思いきや、商品名とは裏腹にしっかりとした粘りを見せる。豆も小粒で粒感がしっかりしており、食べごたえを感じることができるジャケ買いして正解だった納豆。
6.アレンジ王道の真骨頂。「とろ納豆」/〈寿納豆本舗〉
●ねばり 0.7
●納豆のかおり 2.5
●豆のかたさ 3.0
これはもう、ある種UNOでドローフォーを引いた時の無敵感といってもいいだろう。納豆棚で目があった瞬間から、私がこの納豆を食べてひゃーひゃー言っている姿が目をつむる隙も与えずに脳裏をよぎった。丼ぶりと言わんばかりのプラスチックの容器に入れられた納豆たちの上にでんっと卵が乗っているのである。
私は、その白く丸い尊いものを幸福感に昇華させるため、ヒビを入れる作業を行なった。ぷるんとした卵を背徳感たっぷりな気持ちでぐしゃっと納豆と混ぜ込んで行く。もうかき混ぜている時点で美味しさが溢れてしまっているのである。箸ですくうようにして口へと運ぶ。案の定私は味覚でこの納豆の存在を感知するとともに、スタンディングオベーションを送っていた。温泉卵だからこその甘み。そしてタレが納豆と温泉卵の味を優しく包み込んで行く。
今全世界で一番美味しい納豆の食べ方をしている自信があると自負しつつ、私はソファへと倒れこみ、幸福感を身体中に行き渡らせた。納豆アレンジにこだわりを持つそこのあなた。ぜひ出会ったのであれば手に取るべき納豆でございます。
7.カップに広がる小さな宇宙。「The・逸品納豆」/〈小金屋〉
●ねばり 0.4
●納豆のかおり 2.8
●豆のかたさ 2.9
これまたカップが大きく、胸騒ぎが起こる。どんな納豆という宇宙を詰め込んでいるのか、想像を膨らましつつもふたを開けその宇宙と一体化することを楽しむ。ウズラの卵を割り、ネギとともに混ぜ込む。このセットがカップの中に入っているだなんて、納豆アレンジの原点回帰、ビッグバンである。
間違いない美味しさを確信しながらも、口に運べばその想像を上回る美味しさが味覚として刺激を脳に伝達し、エンドルフィンがナイアガラの滝状態に陥る。卵により生み出される味の深さとまろやかさ。ネギの食感と、少しばかりの辛味。これがなんとも言えない絶品という名のハーモニーを奏でる。みなさん、生卵を納豆とともに食べると栄養価が下がるといいますが、この幸福感を考えたら多少の栄養低下も許容範囲なのではないでしょうか?(誰)
●「6/17〜6/23 なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。長野での一期一会納豆旅。」はこちら。
●連載『なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。』まとめページはこちら。
●毎朝8:30〜納豆ライブ配信中のインスタグラムはこちら。 @nattou_musume_