茶リスタとバリスタが手掛ける。 こだわり抹茶ラテを求めて。西荻窪にある日本茶専門店〈Satén japanese tea〉に注目!
茶筅で点てた抹茶をミルクと合わせて抹茶ラテに、コーヒー器具も使い、日本茶を淹れて手軽にテイクアウト。日本茶をめぐる環境は今、最高潮を迎えています。Hanako『やっぱり私は、お茶が好き。』「日本茶の新しいカタチ。」より、茶リスタとバリスタが手掛ける西荻窪の日本茶専門店〈Satén japanese tea〉をご紹介。
バリスタと茶リスタが開けた新しい時代のドア。
自分にないものを持っているものに惹かれる…というのは、恋愛に限った話ではない。日本茶とコーヒーという、生まれも育ちももちろん、香りだって異なる二つなのに、お互いのよさを引き出しながら共存する店。それが西荻窪の〈Satén〉だ。
元々、吉祥寺で日本茶とコーヒーのお店を運営していた小山和裕さんが、もう一人の店主である藤岡響さんと出会い、店を開いたのは昨春。ちなみに藤岡さんは、〈ブルーボトルコーヒー〉でトレーナーを務めた経験を持つ。
一流の〝茶リスタ〞と〝バリスタ〞の二人が意気投合したのは、「日本茶専門店は増えたけれど、まだどこか非日常的で。僕らはもっと、地域に溶け込み、毎日でも立ち寄りたくなる。そんな日本茶スタンドを作りたかった」から。
どちらかに偏ることなく、ごく自然にバランスがとれているのも〈Satén〉の特徴。訪れる客は、その日の気分で日本茶やコーヒーを選び、楽しんでいく。お茶をテイクアウトで持ち歩く、コーヒーのようにマグカップで味わう…など、自由な楽しみ方も魅力。枠にとらわれない新しい日本茶の時代の到来を肌で感じるなら、まずはここへ。
どこか懐かしさを誘う和と洋の絶妙なミックス感。
店を入った左側は小山さんが立つ日本茶カウンター。目の前でお茶を一杯一杯点ててくれる。和紙を使ったカウンターやベルベットの椅子などが配された店内は、居心地のいい“昔ながらの喫茶店”という雰囲気。ほっと落ち着ける空間だけに、ついつい長居したくなる。
緻密に計算された一杯を生み出す道具たち。
二人が使う道具は、どれも本格的。かといって、「僕らでないと生み出せない一杯、というわけではないですよ(笑)」と気負わないところも今っぽい。勘や経験に頼るのではなく、誰が淹れても同じ味にするために、0.1g単位で量れるデジタルスケールなどを積極的に採用している。
抹茶碗ではなく、カップで一服。
「抹茶碗って、日本人ですら敷居が高いですよね。何回まわすの?どう飲むのが正解?って(笑)」と小山さん。だが、コーヒーマグでは口当たりが厚いため、日本茶用には通常よりも薄いカップを採用している。梅干しを加えた「砂炒り焙じ茶」420円(右)も隠れた人気。
日本茶ともコーヒーとも相性抜群の和スイーツ。
経堂の人気パン店〈onka〉に特注した食パンを使った「あんバタートースト」450円(左)、ミルク、生クリーム、抹茶の三層が美しい自家製「抹茶ぷりん」500円(中)、まるでキャンディのような包み紙の中にあるのはミニサイズ「もなか」200円(右)。小腹の空き具合でチョイスできる。
〈Satén japanese tea(サテン ジャパニーズティー)〉
中央線・西荻窪駅南口から徒歩3分。藤岡さんの地元だったことから、この場所を選んだそう。8年続いた居酒屋をDIYしながら作り上げた店には、中学生から80代まで、老若男女がひっきりなしに訪れる。アルコールメニューもあり、仕事帰りの一杯も可能。
■東京都杉並区松庵3-25-9
■03-6754-8866
■10:00~21:00(金~23:00) 月休
■18席/禁煙
Hanako『やっぱり私は、お茶が好き。』特集では、おいしいお茶のお店を多数ご紹介しています。
(Hanako1170号掲載/photo : Yoichi Nagano text : Yoshie Chokki)