“プロ料理人御用達”そんな敷居の高さを払拭! 料理道具を求めて多くの人が訪れる、合羽橋・老舗専門店〈釜浅商店〉の魅力。
明治41年創業の〈釜浅商店〉には、使い勝手のよい料理道具を求めて多くの人が訪れます。海外からの注目度も高く、パリで行われたイベントも大盛況。良い道具をみんなのために。街を変えた商店には4代目店主のアイデアがあふれていました。
老舗の4代目が改革!合羽橋をみんなの場所に。
浅草の合羽橋といえば、料理道具を扱う商店が並ぶ聖地として有名だが、数年前まで、素人は足を踏み入れづらいプロの料理人御用達のエリアだった。国内外から多くの人が訪
れるようになったのは2012年に東京スカイツリーが開業したこともあるが、時期を同じくして〝改革〟に打って出たひとつの商店の存在も大きい。その店の名は〈釡浅商店〉。
今年で創業109年目を迎える老舗の料理道具専門店だ。現在、4代目の熊澤大介さんが店主をつとめる〈釡浅商店〉が、一般の人にも良い料理道具に触れてもらえるようリブランディングを果たしたのは11年のこと。
「良い料理道具を丁寧に伝える」という本質を変えずに多くの人に店を訪れてもらうにはどうしたらよいかを模索。
整理整頓の美。
ファサードのデザインを入りやすい雰囲気に変え、商品の陳列をわかりやすく、自分たちが伝えたいことの意識共有を徹底した結果、店は多くのお客でにぎわい、街全体の流れが大きく変わった。
外国人客の信頼も厚い。
「形状だったり素材だったり、良い道具には理由がある。そうした道具の魅力を合羽橋からたくさんの人に伝えたい」と熊澤さん。その言葉通り、今年パリで開催したイベントで
は多くの外国人の心を惹きつけた。
良い道具は一見武骨でも、使うほどに愛着がわき、暮らしを豊かに、楽しくしてくれる。浅草の合羽橋に昔から息づくそんな思いを〈釡浅商店〉は世界へ、未来へと伝えていく。
〈釜浅商店〉
日本各地の「良い理」を持つ道具、オリジナル商品も多数。アイテム数は1万点以上。庖丁の名入れサービスも好評。
料理道具フロア
■東京都台東区松が谷2-24-1
■03-3841-9355
庖丁フロア
■東京都台東区松が谷2-23-9
■03-3841-9357
■10:00~17:30 無休
(Hanako1144号掲載/photo : Mao Yamamoto text : Keiko Kodera)