ハリウッドでの映画化多数! アイドルライター・西田藍さんおすすめ!SF初心者も楽しめる人気SF小説 vol.2
SFって難しそう!そんな風に思っている人も多いのでは?ハリウッドでの映画化多数!名SF作家の復刊本をはじめ、SF初心者がまず手に取りたい人気SF小説を、アイドル・ライターの西田藍さんが教えてくれました。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『愛はさだめ、さだめは死』
伊藤典夫、浅倉久志・訳/ハヤカワ文庫/940円
近未来、宇宙、サイケデリックetc.。センス・オブ・ワンダーを詰め込んだ傑作短編集。コンピューターに接続されてアイドルに作り替えられる女性が登場する「接続された女」など12編を収める。「『男たちの知らない女』もそうですが、フェミニズム的視点が投影された作品もいろいろ。序文もとびきり面白いので、ぜひ初めから追記まで読んでください」
フィリップ・K・ディック『時は乱れて』
山田和子・訳/ハヤカワ文庫/860円
この世界は現実なのか虚構なのか!? ミステリー的な楽しみ方もできる一冊。「時間がス
リップするのではなく乱れて、ある日世界に亀裂が入って別の時代のものが滑り込んでくる。と思いきやその町は作り物で……という形で“黄金時代に閉じ込められた人々”を描いた長編です。箱庭の中に人がいるというシチュエーションに、とにかくときめきます」
チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』
日暮雅通・訳/ハヤカワ文庫/1,000円
ディストピアとは、理想郷の反対の状態。古くから多くのSF作品で描かれてきた概念だ。
「架空の都市を舞台にしてはいますが、未来も超能力も宇宙人も出てこない。見えない壁で隔てられた二つの国家、お互い感知してはいけないというルールを守らせる権力の存在などが描かれ、これは現実に起こり得る! と読者に思わせるリアリティに満ちています」
西田 藍/アイドル、ライター。『SFマガジン』『ダ・ヴィンチ』で連載を持つほか、ファッション誌や文芸誌にも書評やエッセイを寄稿。制服マニアとしても知られる。
(Hanako1127号掲載/photo:Maki Ogasawara text:Hikari Torisawa)