ハナコラボSDGsレポート 軽やかに、デイリーに。人に対してエシカルでありたいジュエリーブランド〈GYPPHY〉

LEARN 2023.03.17

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。今回は、ナチュラルビューティーハンターとして活躍するシナダユイさんが、エシカルジュエリーブランド〈GYPPHY(ジプフィー)〉代表の滝川 譲さんに話を伺いました。

ポップなブランドカラーが目をひく、自由が丘の店舗。
ポップなブランドカラーが目をひく、自由が丘の店舗。

以前、ファッションブランド〈KAPOK KNOT〉取材時に、「サステナブルな世界の実現を目指すため、憧れや楽しさを含めて提案できているブランドさんとコラボレーションしていきたい」と、イベントで紹介されていたのが〈GYPPHY〉のジュエリー。ひと目で直感的に欲しい!と感じ、自由が丘にある店舗を追うことにしました(ハンター風)。

ファッション性を大切に、エシカルは当たり前に

〈GYPPHY〉代表の滝川 譲さん。アメリカ生まれ、沖縄育ち。
〈GYPPHY〉代表の滝川 譲さん。アメリカ生まれ、沖縄育ち。

ーー〈GYPPHY〉を立ち上げたきっかけを教えてください。

「元々ファッションが好きで、何かしら携わりたいという思いを持ちながら、前職では半導体関係の会社に所属していました。ある日、担当していた中国の会社で半導体と同じ物質でできている『モアサナイト』に出会い、感動したのがきっかけです」

ーー半導体からジュエリーと業界を変えてはじめるにあたり、エシカルなものにしようと思ったのはなぜでしょうか?

「ジュエリーをはじめてから勉強する中で、ダイヤモンドは映画で知られているように紛争に関わっていたことを知って。他にも色々あるのでは?と調べたら、金や銀も実は児童労働があって違法な採掘が問題になっていたり。直接目にしたわけではありませんが、エシカルな部分と関わっている点が多かったんです」

ーー解決策を考えましたか?

「そこを目的にして発信するというよりは、始まりはあくまでもファッション性があったり、お客さまが喜ぶものやサービスを作ること。私はヨーロッパなどのデザイナーズブランドが好きなのですが、全面にファッションを推してはいるけど、フタを開けるとものすごくエシカル。その点に賛同したので、エシカル化は徹底的に、当たり前にするようにしています」

「フェアマインドゴールド」と「モアサナイト」、そして「ラボグロウンダイヤモンド」

〈GYPPHY〉で扱う最高級品質のモアサナイト。右は20カラット!
〈GYPPHY〉で扱う最高級品質のモアサナイト。右は20カラット!

ーー〈GYPPHY〉を通して初めて知りましたが、改めまして、「フェアマインドゴールド」とは何ですか?

「金と銀に特化したフェアトレードで、普通に比べて審査がより厳しく、より多くの金額を鉱山で働く人々に貢献しています。何より、そこで登録された鉱山でしか買えないので児童労働もなく、背景がきちんとしていると確信を持って言えるんです」

ーーなるほど。〈GYPPHY〉で扱っている「モアサナイト」もこれまで聞き慣れないものでしたが、最近よく耳にする「ラボグロウンダイヤモンド」とはどう違うんでしょうか?

「私たちは別物として見て欲しいなと考えています。モアサナイトの天然物は1950年代ぐらいにアリゾナ州に落ちた隕石から見つかったのが最初。隕石にしか含まれていないので、どうしても合成でしか作れません」

ーー成分が違うという話を聞きました。

「ラボグロウンダイヤモンドは炭素で人工的に作った人工ダイヤモンド。モアサナイトは炭化ケイ素(SiC)で炭素が混じってることでダイヤモンドに似ていて比較されがちですが、光を反射して分散する力はダイヤモンドより強いのでより輝くと言われています」

ーー人工であることのメリットは、採掘による環境破壊や電力の消費が少ない点もありますか?

「そこも人工派と天然派の水掛け論みたいなところがありますね。人工ダイヤモンドの話になりますが、作り始めた当初は1カラット作るのに250w必要で、採掘するのに必要な電気量60〜80wに比べて驚くほど電気を使いました。いまだと技術的に1/10の電気量で作れるようになり、再生可能エネルギーも使えます。ただ、ダイヤモンドで生計を立てている国もあるため、人工ダイヤやモアサナイトだけがエシカルとは言いきれません」

ーー誠実な答えですね。

「気候変動や温暖化と様々な問題がありますが、〈GYPPHY〉が大切にしているのは人に対してエシカルであること。できることがあまり多くない中で、子供たちを助けたいと、ユニセフを通してブルキナファソに寄付をしています」

修理保証もあり、大量廃棄もない。気軽に10kを楽しんで

ーー金に関しては個人的に気になることがたくさんありまして。どんどん高くなっていて買いづらくなっている印象ですが、なぜ〈GYPPHY〉のジュエリーはお手頃な価格が実現できているのでしょうか?

「金は安定資産なのと基本ドル建てで買うので、円安とでダブルで高くなって価格は上がり続けてます。ただ三方良しというところで、私たちもこういう活動をしっかりと続けられるような価格設定をバランスとって取り組んでいます。“フェアマインドゴールド”を全てに使用しながらファインジュエリーの他に、気軽に楽しめて個性を出しやすいオリジナルなど、色々選べるようにしています」

ーーファインジュエリーは10k、18kと選べて迷いますが、金の価値が上がるなら18kの方がおすすめですか?

「お店でジュエリーを買うときは資産性は気にせずに、アレルギーかどうか、ずっと使いたいかどうかで迷われているお客様には10kをおすすめしてます」

ーーそうなんですね!意外でした。

「ずっと使うって意味では10kでも全く問題なく楽しめます。安価で加工がしやすいために使われることが多いニッケルが入っているものはアレルギーや変色が起こりやすいため、私たちは全てニッケルフリーにしています」

ーー詳しく教えていただき安心できました!好きなデザインを気軽に身に付けたいですね。

「オリジナルでシルバー製品に金のコーティングがされているものは『ゴールドヴェルメイユ』という、普通のメッキに比べて20倍くらいのコーティングをしていますし、1年間は基本的に無償の修理も可能です。長く使えることや素材のリサイクルが100%可能なこと、洋服のように大量廃棄がないのはジュエリーのいいところですよね。気楽に身に付けていただきたいです」

〈GYPPHY〉

photo:Miyu Yasuda

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