憧れは、バレリーナのような美しさ。 公演期間中のメンテナンス方法4選【バレリーナ金子仁美のきれいなカラダのつくり方】
バレリーナ金子仁美さんが、ベールに包まれたバレリーナの生活と、日常でできる簡単ストレッチやトレーニングをご紹介します。第31回は、公演期間中のメンテナンス方法と、先日終演した『ラ・バヤデール』の舞台裏をお届けします。
みなさんこんにちは、金子仁美です。先日、〈東京バレエ団〉の舞台『ラ・バヤデール』の公演が無事に終演しました!劇場に入ってからリハーサルが3日間、本番が5日間と、入団して以来、初めて〈東京文化会館〉に8日間も通いました。自分の肉体、精神と闘い続けなければ踊り切れない全幕作品をバレエ団の仲間たちと踊り切れたこと、いまはただそれだけでホッとしています。個人的には悔しい場面があり、これからの課題にしていかなければ…という学びもありました。
ということで、今回はハードな公演期間中に自宅で必ずやっていることと、『ラ・バヤデール』の舞台裏を紹介したいと思います。本番が続く際に大切なことは、疲れを次の日に持ち越さないようしっかり心と体をリセットすること。簡単なことばかりですが、忙しさに追われていると意識できていないことは多々あります。みなさんも一度立ち止まって、自分の心と体を大事にしてくださいね。
ハードな公演中のメンテナンス方法とは?
【1】食事
体が疲れてくると内臓も疲れてきて、食欲が減ったり、消化が遅くなる気が。しかし、舞台に立って踊るためには体力が必要。しっかり食べないと元気が出ないので、消化に 優しい、栄養のある温かい物を食べるよう心がけています。私は好き嫌いなくたくさん食べられますが、本番期間中は生物や脂っこい物、大盛りの白米を避けるようにしています。
【2】お風呂
血流を良くし、体をほぐして温めるためには、きちんとお風呂に入ること。体力温存のため長風呂はせず、5〜10分程度湯船に浸かるようにしています。それ以上時間をかけてしまうと、筋肉がゆるみ過ぎて体が疲れてしまうためです。
【3】ストレッチとマッサージ
お風呂から出たら、体が温かいうちにストレッチとマッサージをします。ポイントは、“いつもと同じようにする”だけ。疲れているからといって、必要以上に長めにやり過ぎないように注意しています。筋肉がゆるみ過ぎて力を発揮できなかったり、急激に筋肉が硬直してつりかけたり…そういうことがないよう、あくまでその日の疲れを取る程度のストレッチが良いと私は思います。マッサージで使っているのは「ハイパーフラックス レッグス エアーコンプレッション」です。
【4】寝る前の深呼吸
最近、教えてもらったのですが「体が疲れてくると脳の動きも悪くなる」とのこと。公演が長期間続くと自分が思っているように体が動かせなかったり、色々な場面で疲れを感じるようになります。みなさんも普段の勉強やお仕事で感じたことはないでしょうか。頭が働かないときは呼吸が浅くなり、十分に酸素が行き渡っていない可能性があります。そんなときは、深呼吸をしましょう。鼻からゆっくりと限界まで吸い、 口からゆっくりと限界まで吐き切ります。これを5〜10回くらい繰り返してみると、体の変な力が抜けて頭もすっきりします。寝る前にやると寝つきも良くて快眠!ちなみに、私は7時間以上の睡眠を目指しています。
『ラ・バヤデール』の舞台裏を公開!
第1幕で、私は巫女役を踊りました。巫女の衣裳はお気に入りの一つ。裾の扱いが難しく踊るのにコツが必要ですが、生地の重なりが素敵なのです。
次に、第2幕“影の王国”のヴァリエーション(ソロの踊り)を踊った2人と一緒に。コー ル・ド・バレエ(群舞)は踊った経験がありましたが、ヴァリエーションは初めて。3 人で励ましあいながら頑張りました。
こちらはブロンズ像を踊った井福俊太郎くん。衣裳はもちろん金色ですが、肌が露出している部分に金色の塗料を塗っているんです!すごいですよね。床に新聞紙をひき、メイクさんに塗ってもらっていました。
最後にバレエ団の先生方、仲間たちとの集合写真。今回の課題を糧にして、次の公演も頑張りたいと思います。
〈東京バレエ団〉では、11 月に横浜・関内で『ドン・キホーテの夢』を上演します。横浜のみなさまにも楽しんでいただけるよう頑張ります。この公演は小さなお子さまもご覧いただけるので、気になった方は公式ホームページを確認していただけるとうれしいです。以上、金子仁美でした。また来月、お会いしましょう!