お菓子研究家・長田佳子さんが教えてくれた お茶を楽しむ方法。#2 お菓子に合うお茶の淹れ方。
おいしいお茶にはやっぱりおいしいお菓子。お菓子研究家の長田佳子さんに、より楽しく充実したお茶時間を過ごすためのこだわりを教えていただきました。
住む場所でとれたハーブを贅沢に使う。
山梨に移住してからハーブティーを飲むことが多くなったと長田さん。「東京に住んでいたころからハーブをお菓子に使うことが多かったのですが、ハーブティーを淹れることはあまりありませんでした。ハーブティーはフレッシュなものを使うのがいちばんおいしい。摘みたてのものを使いたいと鉢植えで育てたこともありましたがどうしてもうまくいかない。いいハーブが育たないんです。なので、ハーブの専門店のものを取り寄せてたまに飲むくらいでした。でも、山梨ではたくさんのハーブが収穫できるので季節によってハーブティーをあれこれ試しています」
たっぷりの水出しでミントティーにしたり、カモミールとフルーツを合わせたり。スパイスのカルダモンと砂糖を緑茶と合わせてもおいしいそう。長田さんのハーブティーはアイデアがたくさんだ。
「ローズマリーなど香りが強いものはシングルよりも、いくつか別のハーブとブレンドすると飲みやすい。ハーブとコーヒーの焙煎で出るカスカラを合わせると味がまろやかになるのも新発見。土地のハーブをいただくと免疫力もあがる気がします。白湯感覚で飲んでます」
その一方で、さまざまなお茶を取り寄せるお茶マニアの一面も。「おいしい茶葉は全国各地から取り寄せをして、紅茶や日本茶をストックしています。このお茶にはこのお菓子が合う、と組み合わせを考えるのも好きなんです。絶妙なマリアージュを発見するとテンションがあがります。お茶だけ、お菓子だけではなくて、そのコンビネーションの妙を堪能したいんですよね」
#2 お菓子に合うお茶の淹れ方。
ハーブティー
STEP #1 新鮮なハーブを用意する。
ハーブは畑からそのとき、元気のあるものを摘んできて使う。この日はレモンバーベナとオレガノを。普通、廃棄されてしまうコーヒーチェリーの外皮、カスカラも入れて。
STEP #2 ハーブの葉をちぎりカップに入れる。
カップに合わせてハーブの分量を決める。「カップ1杯だいたい葉っぱ2枚ずつくらい」と長田さん。香りをよく立たせたいなら、軽く葉っぱをもんでから入れてもいい。
STEP #3 沸かしたお湯をカップに注ぐ。
鍋で沸騰させたお湯をカップに適量注ぐ。ここで使っているのも山で汲んできた天然水。「お茶からも、土地の滋味をいただいていると感じることができて元気が出ます」
STEP #4 お好みの時間蒸らし、いただく。
蒸らすためにカップは蓋碗など蓋付きのものを選ぶとベター。蒸らし時間は3分ほどで。「なにか一つ、用事を済ますくらいの時間で。合間時間で淹れられると思います」
水出し茶
STEP #1 山で汲んだ天然水をポットに注ぐ。
すぐにたっぷりと作れる水出しは来客中などの急いでいるときに便利。茶葉1gに対して水150~200㎖が目安。
STEP #2 10分ほど置いて、茶漉しで漉していただく。
水質で味わいが変わるので好みの抽出時間に調整を。グラスはガラス作家で友人の山野アンダーソン陽子さんのもの。
使ったもの・・・〈Uf-fu〉のソレイユ
天然素材由来の精油やハーブ、スパ イスを使用した紅茶インポーター〈Uf-fu〉。こちらはノンカフェインのルイボスティーにベルガモットの香りをプラス。水出しだとあっさりめに抽出できるので食事に合う。50g 1,404円(Uf-fu TEL:03-6450-6998)
Teacher…お菓子研究家・長田佳子さん
おさだ・かこ/菓子研究家。フランス菓子店、オーガニックレストランで経験を積み、2015年〈foodremedies〉を立ち上げる。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)などがある。