前田有紀の『週末・気分転〈花〉』 「秋をお花ではじめよう」。フラワーアーティスト・前田有紀さんが選ぶ、秋におすすめの花たち。
10年のアナウンサー生活を経て、フラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。そんな彼女が世の頑張る女子の気分転換になるようなフラワーライフのアイデアを紹介してくれる連載。今回は、秋のはじまりにおすすめしたいお花お話です。
暑い日が続いていますが、暦の二十四節気の「処暑」を過ぎました。暑さが一段落し、朝晩は涼しさのある風が吹き始めるころ。まだまだ外にいて「涼しい」と実感できる日は少ないですが、朝早く起きた時にまだ外が薄暗かったり、虫の音色が聞こえるようになったり、日々のふとした瞬間に「ちょっと秋っぽい!」と気配を感じることが増えてきましたね。
お花の世界でもぐっと秋めいた色味のお花が出回る頃。まだまだ暑い日も多く、引き続きお花が日持ちしにくくて、自宅で花を飾るのは難しいと感じている方も多いかもしれませんが、色味から秋を始めるのもいいかもしれません。今週は「秋の始まりにおすすめのお花」をご紹介します。
秋のはじまりにおすすめのお花その1「オンシジューム」
世界に400種類あると言われるラン科のオンシジューム。シックなボルドーカラーの”オドントシジウム”は、秋らしさを楽しめて一輪で飾っても絵になるお花です。ひらひらと花が踊っているような容姿で、近くでじっくり眺めるのも楽しい見応えのあるお花です。流れるようなアーチをいかして、一輪で楽しむのもおすすめです。ランというと一般的にはお祝い花に使われていて敷居の高いイメージもありますが、オンシジウムは気軽に取り入れやすいランです。日常的に楽しんでくださいね。暑い夏場から秋にかけて、長く綺麗に咲き続けてくれるのでコストパフォーマンスもいいお花ですよ!
秋のはじまりにおすすめのお花その2「ダリア」
秋の訪れとともにさまざまなお花が出回る中で、やっぱり外せないのは秋のお花の定番「ダリア」。今回は、深みのある赤が綺麗な「ガーネット」を飾ってみました。赤、ピンク、オレンジ…色もカラフルに揃うだけでなく、幅広い花びらの万重咲き。縦に細く巻くようなカクタス咲き、丸く可愛らしいポンポン咲きなど、大きさや咲き方が選べるのも魅力。この「ガーネット」は、「セミカクタス咲き」だそうです。存在感があるお花なので、1輪で飾っても空間がパッと華やぎます。お気に入りの花瓶にすっと生けて、秋の雰囲気を堪能しましょう!
秋のはじまりにおすすめのお花その3「リコリス」
「リコリス」自体の名前に馴染みがなくても、涼しい風が吹き始める頃、田んぼのあぜ道や道端やお寺で、彼岸花を見かけることがある、という方はとても多いと思います。そんなヒガンハナ科のリコリスは、日本の本州を中心に生息している球根花。花の日持ちがよくて、長く楽しむことのできるお花の一つです。二、三輪で飾るだけでも空間を作ることができるので、この秋にぜひ楽しんでもらいたいです!
秋のはじまりにオススメのお花その4「グラジオラス」
真夏の太陽のもとでのびのびと咲いていくまっすぐな花姿が、力強い印象のグラジオラスはアヤメ科のお花。秋の深まる10月ごろまでお花の季節が続きます。中でも「バンビーノミッシェル」はおすすめの品種で、テラコッタカラーが秋の風景に映えて美しいお花です。蕾のときには想像もつかないほどの大きなお花が立体的に下から咲いていくので、お部屋に一輪で飾っても、ぐっと秋らしく華やかになりそうです。
ということで、まだまだ暑くても楽しめるような秋にオススメをご紹介してきましたが、楽しめましたか?この季節のお花シリーズは、また秋が深まった頃に企画できたらと思います。
さて、8月もおしまいですが、みなさんはどんな夏の思い出がありますか?我が家は遠出はしていませんが、週末は少し多めにお休みをとって、たくさんの自然スポットを訪れて、中でも、栃木県アートビオトープ那須という施設内にある「水庭(みずにわ)」というアートを見に生けたのが嬉しかったです。
自然の風景の中でもススキが咲き始めていて、秋の風情を感じることができました。お花を飾ったり、自然スポットに出かけて、たくさんのインプットを積み重ねられた夏でした。今年の後半戦も息抜きを忘れずに楽しんでお仕事をしていこうと思います。みなさんの秋のスタートがよりよいものになりますように!