
向き合ってみた、妊活のこと。 不妊に悩む人は約17人に1人。婦人科医に聞いた、知っているようで知らない『妊娠』のこと。
食事や運動など、忙しくなるとついつい自分のことを後回しにして日々を送る。さらにライフプランについては、「まだまだ先のこと」と思いがちだ。今年の4月、不妊治療の保険適用範囲が拡大され、出産に関する環境も変化している。未来の選択のために、一緒に「妊活」について向き合ってみませんか?1月28日(金)発売 Hanako1205号「ときめく!スイーツ大賞」よりお届け。
まずは心身の健康を第一に考えよう。

日本人のライフスタイルが大きく変わり、社会に出て活躍する女性が増えるなかで、妊娠して出産をすることは、人生のあらゆる選択肢の“ひとつ”と考える人も増えている。けれど、将来的に妊娠を望んでいる場合でもそうでなくても、自分のカラダのことをきちんと知っておくのはとても大切、と話すのは、婦人科医として女性のカラダと心の悩みに向き合ってきた〈成城松村クリニック〉の松村圭子先生だ。
「妊娠を望んで来院される方のなかには、妊活を始めたらすぐに赤ちゃんができると思っていらっしゃる方も多くいますが、実際はそんなにスムーズにいくケースばかりではありません。検査を受けて初めて不妊体質だということを知り、落ち込んだり焦ったりされる方もめずらしくない。ニュースなどで著名人の高齢出産が取り上げられることがありますが、それは万人に共通することではないんです。妊活という言葉を耳にしたことがあっても、具体的に何から始めたらいいのか?という相談を受けることも多いです。そのときに、まず一番にお伝えしているのは、自分のカラダと向き合うのが大切ということです」と話す。
人生のさまざまな選択肢のが妊活です。

今年の4月からは不妊治療の公的医療保険適用範囲が拡大されることが発表され、大きな話題に。いざというときのために、カラダについて考えてみる機会ではないだろうか。「生活習慣を見直し、健康的な生活を心がけることが妊活の第一歩です。バランスのよい食事や適度な運動をすること。アルコール量は1日20g以下(日本酒なら約1合)におさえ、受動喫煙も含め、タバコは避けるのがベターです。日本人の、とくに若い女性はダイエット過剰の傾向もあるので、BMI値の標準をキープするように。妊娠は命がけなので、心身が健康であることが必要不可欠なんです。」

「そして、乳がんや子宮頸がんの検診は定期的に受けてください。また、すぐ妊活ということでなくても、自分の月経周期を把握するために基礎体温をつけましょう。そして不妊検査を受けるという段階になったときは、パートナーと一緒にクリニックに行くこと。女性のカラダはデリケートで、生活や環境の変化にとても敏感。だからこそ、自分の心身の状況を把握しておくことと同時に、日頃からパートナーと意識を共有し、互いに思いやりを持って行動することが大切なのです」
カラダのために覚えておきたいこと。
1.基礎体温を毎日つける。
2.カラダを冷やさない。
3.体重はBMI値の標準をキープ。
4.人生にはそれぞれの選択肢が。
Navigator…松村圭子(まつむら•けいこ)

婦人科医。東京・世田谷区〈成城松村クリニック〉院長。『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』など、著書や監修本も多数。
■東京都世田谷区砧8-23-3
■03-5727-0878