家電ファン&家電のプロ座談会。 家電のプロが伝授!家電のお得な買い方、見極め方、最新事情を大公開。
定番家電からニッチな単機能家電、今後注目のジャンルまで。家電フリークのふたりが思う存分、語ります。知っておけば必ずプラスになる、タメになる話がいっぱい!今回はお得な買い方、見極め方、最新事情を教えてもらいました。
単機能家電は自分流に応用して使えばOK!
石井和美(以下、石井):松橋さんは「洗濯機と冷蔵庫はフラッグシップモデルの恩恵を最大限受ける」と話していましたが、単機能家電とはどう付き合っていますか?
松橋周太呂(以下、松橋):自分流に応用して、いろんな使い道を見つけています。
石井:例えば?
松橋:〈アイリスオーヤマ〉から出ている二股の布団乾燥機を、我が家では〝家の乾燥機〞として使ってるんです。靴が雨に濡れたときや、ソファやカーペットの染み抜きの後の濡れた部分の乾燥、クローゼットや押し入れなどの換気にも使えるんです。
石井:アイデアマン!
松橋:メーカーさんは布団と靴の乾燥以外は推奨はしてないので自己責任になってしまうのですが、僕は数年前から使い込んだ結果〝時短〞という視点で考えたときに、換気や、濡れたままで乾かす方法がなかった部分の乾燥に応用してます。サーキュレーターや扇風機も同様で、僕は一年中出しっぱなし。部屋干しが2〜3倍早く乾くので、単機能だけど〝時短〞には欠かせません。
石井:機能がシンプルという意味ではアジア発の家電もあなどれないですよね。世界的な知名度で言うなら、ハイアールのシェアは日本メーカーの比じゃないですし。
松橋:同じ機能が付いていても、値段は国産メーカーの3分の1くらいで済む。であれば、考え方によっては全然アリだと思います。ほら、例えばテレビとか。
石井:確かに。今はYouTube、Netfrixなど「ネット配信を見られればいい」っていう人も増えていますからね。レコーダーとの互換性を気にしなければ、選択肢に加えてもいい。
松橋:テレビのデザインなんてそう変わらないし、〈ハイセンス〉の4K対応55型で5万円ちょっとは、魅力的すぎます。
石井:アフターサービスの面もパワーアップしてますし、冷蔵庫や電子レンジといったいわゆる〝白物家電〞の分野を含め、どう食い込んでくるか注目したいですね。ネットと店頭、ダブルでチェックするのがコツ。
ネットと店頭、ダブルで チェックするのがコツ。
松橋:ところで、これだけ情報が出回っている今、「お得な買い方」ってすごく難しくないですか?
石井:難しいですよね。〝型落ちモデルがお得〞なんて話は、もはや誰でも知っているネタ(苦笑)。
松橋:今は最新モデルが出ると発表されたら、発売の頃には前モデルは完売しています。数カ月前から目星をつけないといけないなんて、なかなか大変(笑)。
石井:「他社より1円でも高かったら、お値引きします」というのも、当たり前になってしまった。
松橋:いちばんの変化は量販店のポイントの使い道として、日用品を買えるようになったことかもしれないですね。
石井:しかもネットで注文できるから、冷蔵庫を買って貯めたポイントでツナ缶を買う、翌日には届く、というのも普通になりました。
松橋:毎回10%もポイントが貯まる店も、そうそうない。だから逆に「家電量販店で日用品を買って、ポイントを貯める」という人もいる。
石井:みんな賢い(笑)。
松橋:ただ、量販店ネタですけど、たまにネットと店頭で1万円くらい価格に差があるケースもあるんです。なので、同じ店のネットと店頭を比べてみるのはアリだと思いますね。
石井:おすすめしないのは、ネットの比較サイトだけを見て、「いちばん安いから」という理由で買うこと。ドライヤーや、大きくてもテレビといった電源を差せば使える家電なら、まだアリですが、設置工事が必要なものは不安面が大きい。いちばんトラブルが多いのはエアコン。せっかく高いものを買うのに、そこでつまずくと大きな痛手。
松橋:アフターサービスの有無はきちんと確かめたいですね。
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◆家電プロレビュアー・石井和美(いしい・かずみ)/白物家電を中心に、製品レビューを15年以上執筆。茨城県守谷市に一戸建てタイプ「家電ラボ」を開設。大型家電を実際に動かし、テストも行う。家電ブログ(https://kaden-blog.net/)も人気。
◆お笑い芸人・松橋周太呂(まつはし・しゅうたろ)/お笑い芸人。“家事えもん”として情報番組に引っ張りだこ。掃除能力検定士5級ほか、ジュニア洗濯ソムリエなど資格も多数。『ほったらかし掃除術』ほか、著書も好評発売中。