今日、花屋さんに寄って帰ろう。 【基本】バラの生け方&お手入れの方法。季節のバラを普段使いでたのしもう。
特別な日のイメージや手入れが難しそう……と、気軽に手に取りにくいバラだけど、それでもやっぱりバラは美しい!部屋にあるだけで、幸せ指数がアップします。そこで今回は、バラの基本の生け方とお手入れの方法をご紹介します。4月28日(水)発売 Hanako1196号「自分を高める、学びの教科書。」よりお届けします。
【バラ】
バラの歴史は古く、原種のバラは3,000年前には世界各地に生息していたといわれている。交配もさかんに行われ、現在では5万種以上の品種がある。一年中手に入るが、旬は5月と10月。「春バラの季節はまさにこれから。種類が多く、香りの強いものもあれば、香りが薄いものもあります。咲き方もさまざまなので、お気に入りのバラを見つければ、敷居が高く感じていたバラへの意識も変わるはず。バラの適正温度は15~25度。直射日光が当たらない、日陰で涼しい場所に飾りましょう」
バラの基本の生け方とお手入れ。
バラは、茎の太さに比べて花にボリュームがあるため、水が下がりやすく、首が下を向きやすいのが特徴。そのため、バラの水揚げには、焼揚げがおすすめ。水揚げをしたら、葉に霧吹きを。花びらに霧吹きをすると、花が呼吸できなくなってしまうので注意して。葉は、茎を長く残して生けるときは2段目まで、茎を短くカットするときは1段目までを残し、あとは取り除くと見た目にも美しい。1日1回の水替えと切り口のカットをセットで行い、茎を毎日短くしていき、切り口と花の距離を短くしてあげると吸水がよくなり、日持ちする。
バラの種類を知る。
【丸弁】カップ咲き:花芯は低く、花びらが内側に向かってゆるくカーブしていき、花を横から見るとカップのような形になる咲き方。
【剣弁】剣弁高芯咲き:芯が高く、花を上から見ると芯を中心に花びらが渦巻くような形に。花弁の先が下方に反り返り、剣先のようにとがっている。
【スプレー咲き】1本の枝が分かれた先に、いくつかの小ぶりな花が咲く。1本のなかで、花が咲くタイミングが異なるので、長く楽しめる。
【一輪咲き】1本の茎に1輪の花が咲く。品種が多く、剣弁高芯咲きやカップ咲きのほか、花びらが複雑に重なりあうロゼット咲きも人気がある。
一輪で充分。
花びらが多く、色や形にそれぞれ個性があるバラは、1本でも存在感たっぷり。まずは、口が狭く細長い花器に1:1のバランスで生けましょう。「水替えのときに切り口をカットしていき、だんだんと茎が短くなってきたら、低い花器に替えてみて。花首が下を向いてきても、花首を花器の口に添えるようにすると安定して生けられます」
ハーブと一緒に。
「バラは見た目も美しいですが、その香りも格別。バラ単体でもいい香りで癒されますが、ハーブと組み合わせて、オリジナルの香りを調合して」。レモンマリーゴールドやゼラニウムとも相性がいいので試したい。ただし、香りが強すぎるのでダイニングテーブルなど食事をする場所に飾るのはNG。リラックスタイムのお供に。
花首を浮かべる。
花が開ききったり、花首が下を向いて弱ってきたら、茎をカットして水に浮かべるのもおすすめ。花芯まですべてが濡れると傷むのが早いので、水替えのときもなるべく濡れないようにそっと扱って。「複数色のバラの場合はシンプルな花器が似合う。1輪だけの場合は小さなお皿を使うなど、器とのコーディネートも楽しんで」
Navigator…フラワースタイリスト・平井かずみ(ひらい・かずみ)
草花を身近に感じられる「日常花」を提案。花の教室のほか、雑誌やテレビで活躍。