いまさら聞けない基本のお作法を、徹底解説! 「正月飾りの意味って?お正月の準備を整えて年神様をお迎えしよう」/MARIKOの、神社 de デトックス!
いよいよ新年まであとわずか。そんな時に気になるのが「大掃除っていつまでに済ませるの?」「鏡餅ってなぜ飾るんだっけ?」といったお正月のあれこれですよね。実はお正月準備は年神様をおうちにお招きするためのもの。正しいお作法で新年の幸先の良いスタートを切りましょう。
お正月は年神様をお迎えしよう!
お正月は各家庭に一年の幸福を授けてくださる「年神様」がやってきます。年神様は私たちの“ご先祖様”とも、“穀物の神様”ともいわれる存在。大掃除やお正月飾りの準備も、全ては年神様をおもてなしするためのものなんです!
12月13日は「正月事始め」というお正月準備を始める日とされています。古くは門松に使う松を山から切り出す「松迎え」や、「煤払い」という家中の大掃除をする日でした。まずは大掃除をして、一年の穢れを祓いましょう。お正月飾りは大掃除が終わってから飾ることがポイント。お正月飾りは年神様をお迎えする準備が整ったことを表す目印でもあります。気になる準備のリミットは12月28日、遅くとも30日まで!29日は「苦」を連想させることから、また大晦日は「一夜飾り」にあたり神様に失礼だとされています。
鏡餅に年神様が宿る?お正月飾りを解説。
大掃除を済ませたら、お正月飾りに取り掛かりましょう。まずは玄関前に門松を。門松は年神様が迷わず家に降り立つための目印です。年神様は門松を依り代(よりしろ)として家に入る前に一旦留まります。「松」は古くから“神様が宿る木”とされ、後に長寿を表す「竹」が加わりました。年神様に来ていただくためにもぜひ門松は飾りたいところですね!
玄関のドアには「注連(しめ)飾り」を。注連縄はその先が神聖な空間であることを表すもの。注連飾りを飾ることで、年神様にふさわしい清浄な空間であることを表しています。また飾りには意味があり、「橙(だいだい)」は家系が代々栄えること、「ゆずり葉」は家系を譲り絶やさないこと、「裏白」は清廉潔白、海老は長寿などおめでたいものばかり。
鏡餅はお正月の間、年神様が宿る居場所です。床の間や神棚、リビングなど複数の場所に飾ってもOK。鏡餅は新年に豊かな実りをもたらしてくれる年神様へのお供えでもあります。古くから人々はお米に稲魂が宿ると考え、お餅は特に神聖なパワーがあると考えてきました。諸説ありますが鏡餅が丸いのは神様の依り代である鏡を表しているのだとか。鏡餅は1月11日の「鏡開き」でいただきましょう。ちなみに割る際に刃物を使わず、手や木槌で。年神様にお供えした鏡餅を食べることで生命力をいただくことができますよ!
新年の開運はおうちから。
地域によって違いもありますが、お正月飾りは「松の内」が終わる1月7日に片付けます。神社で小正月の1月15日に行われる「左義長((さぎちょう)」で飾りのお焚き上げをするのもおすすめ。年神様はこのお焚き上げの煙に乗って帰られるのだとか。さてさて、今年の連載も最後です。読んでくださってありがとうございました…!予想もつかない一年になりましたが、今年はいつもより丁寧にお正月準備をしておうちで開運なんていかがですか?どうぞ良いお年をお迎えくださいませ~!