「インテリアスタイリストになった原点の本。」 活躍中の女性クリエイター3人聞いた。今の仕事に影響を受けた本といえば?
たった1行が、ときには人生を変えてしまう。あの人が影響を受けた本と、生活にどう生かしているかを拝見。
『建築家なしの建築』インテリアスタイリスト・大谷優依さん「インテリアスタイリストになった、原点の本」
ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イラン、エチオピア、日本など世界全土の土着建築の貴重な写真コレクション。
「意図的に作られデザインされたものではなくて、自然に発生していったものが好きで、この民芸の椅子もそうだと思います。インテリアはもちろんですが、人の暮らしや文化に興味があり、暮らしの先に、好きな空間があるのだなあと理解できた本」
インテリアスタイリスト・大谷優依/雑誌のエディトリアルデザイナーを経て独立。ライフスタイル雑誌やカタログ等で活躍中。
『Room talk』ヘアメイク・松田未来さん「豊かな暮らしに必要なのは幸せな余韻だと気づいた本」
足の裏をお日さまにあてて昼寝、冬の動物園を歩く…。人気スタイリストがのんびりした幸せをしみじみと描く、エッセイと写真の本。
「岡尾さんがスタイリングされたページを見た後の、わくわくする余韻。この豊かな余韻を、私はヘアメイクとして、誌面などを通してみなさんに感じていただきたいと思いながら仕事をしています。お花の飾り方も影響を受けています」
ヘアメイク・松田未来/美容師として働いていた大阪から2016年に上京。以後雑誌など大人ガーリーな世界観で一躍人気に。
『manufactures』イラストレーター・よしいちひろさん「ものの選び方がポップスに通じていきます」
日常品の、ちょっとうれしくなる形を写真とエッセイで紹介。人気スタイリストのデザイン観や物の選び方、接し方まで垣間見える一冊。
「学生時代バンドをやっていたこともあり、ポップスに強い関心がありました。多くのファンを持つ岡尾さんのもの選びの信念やバランス感覚をたっぷりうかがえる本書にはたくさんの学びがあり、改めてポップスについて考えさせられます」
イラストレーター・よしいちひろ/ガーリーでみずみずしい作風のイラストが人気。インテリアやファッションなどライフスタイルにも注目が集まる。
(Hanako1178号掲載/text : Miho Arima)