あのパンのルーツが気になる! 木村屋あんぱんだけじゃない!都内で買える元祖パン6つ。
クリームパンやあんぱん、カレーパン…どれも私たちになじみ深いパンですが、実は東京のパン職人によって発明されたんです!そこで今回は、都内で買えるおすすめの元祖パン6つをご紹介します。
1.〈関口フランスパン〉のフランスパン 1888年から/目白
関口町のキリスト教会孤児院で神父が子どもたちに学ばせたのが、フランスパン作り。現地に留学させ、本格的な“硬い”フランスパンが初めて日本に誕生した。戦争が始まると信者の一人に経営を託し、現在まで4世代にわたり継承。
名前は「割れ目」の意味。日本で初めて作られた本格的なフランスパン。
2.1918年から〈マルジュー 大山本店〉のコッペパン /大山
上野〈丸十ぱん〉創始者の田辺玄平が、日本で初めてイーストによる食パンを製造。「携帯に便利なパンが欲しい」との軍の要請で、食パン生地でコッペパンを考案した。
「元祖コッペパン」コッペパンの中身は当時と変わらず、小倉あんぱん、ジャムなど。
丸十ぱんの製法を受け継ぐのれん分けとして、板橋区に3店舗を構える。
3.〈元祖カレーパン カトレア〉カレーパン 1927年から/森下
前身のパン店〈名花堂〉で始めた「洋食パン」がルーツ。1つでも食事になるパンを、と考えたのが中にカレーを入れ、さらに揚げる方法だった。
毎日3回焼きあがる。野菜がたっぷり入ったカレーパンは冷めてもおいしい。
7時、11時、15時と、揚げたてを提供している。まとめ買いのお客さんも多く、売り切れることも。
4.〈スイーツ&デリカ Bonna 新宿中村屋〉のクリームパン 1904年から/新宿
シュークリームを食べ感激した創業者夫妻が、あんパンのアレンジとして考案。中に空洞を作らぬよう生地に切り込みを入れグローブ型にし、クリームをたっぷり詰めたのも〈中村屋〉だ。このクリームパンが都内で買えるのは新宿店だけ。
焼きたては、ふっくら丸くつやつや。卵たっぷりのカスタードクリームを投入。
イートインあり。
5.〈銀座木村屋〉のあんパン 1874年から&ジャムパン 1900年から/銀座
創業者の木村安兵衛は、パンの発酵に酒種を使うことを発明。あまり膨らまない酵母であるため、試行錯誤の結果生まれたのが、饅頭のようにあんこを詰めるあんパンだった。「桜」のあんぱんを明治天皇に献上したことが、広く受け入れられるきっかけに。
明治8年、天皇への献上時に八重桜の塩漬けで飾った。小ぶりで可憐。
戦中の兵糧・ビスケットサンドがヒント。酒種のパンで杏ジャムを包んだ。
(Hanako1128号掲載/photo:Yuko Moriyama text:Kahoko Nishimura)