シュークリーム好きの間で常に話題! 名店〈オーブンミトン〉のおいしさの秘密

FOOD 2024.02.09

おやつから差し入れまで、数ある洋菓子の中でも年間消費量が多いシュークリームは、本国フランスを超えた独自の進化を遂げている。熟練の技が生む口どけは感動レベルで、時代を超える極上のスタンダードと評判のお店を紹介します。

武蔵小金井〈Ovenmitten〉のミトンズシュー

上の生地をスライドさせて生地にクリームを付け、クリーム側を上にして食べるのが「ミトンズシューのおいしい食べ方」。上あごにクリームが当たることで、旨さがダイレクトに感じられる。1個335円。
上の生地をスライドさせて生地にクリームを付け、クリーム側を上にして食べるのが「ミトンズシューのおいしい食べ方」。上あごにクリームが当たることで、旨さがダイレクトに感じられる。1個335円。

熱心なスイーツファンの間でシュークリームの話になると、必ず名前があがる〈オーブンミトン〉。女性菓子職人の草分け、小嶋ルミさんが1987年に開いたパティスリーで、シグニチャーがシュークリームだ。見た目はごくシンプル、でも初めて食べたなら、未体験の食感とコクに驚く。決め手は、手仕事で少量ずつ仕込むカスタードクリームだ。

小嶋さんはエアリーなクリームを絞り袋に詰める作業も仕上がりを計算して丁寧に。
小嶋さんはエアリーなクリームを絞り袋に詰める作業も仕上がりを計算して丁寧に。

銅鍋を用い、通常とは異なる独自の煮方で、長時間かけ、煮詰めるように炊き上げる。鍋肌に付いた部分が程よく焦げ、カラメル風味になったら、乳の味が凝縮したクリームに焦げ部分も混ぜ込み完成させる。バニラビーンズは使わない。強い香りが自然な乳の味に勝ってしまうからだ。これを一度冷やし固めて、ミキサーで攪拌したものを乳脂肪分45%の生クリームと優しく合わせる。生クリームの気泡が残る仕上がりで、風味は濃厚ながら、口どけはしゅわっと軽い。

香ばしいシュー皮は硬すぎず柔らかすぎず、絶妙。
香ばしいシュー皮は硬すぎず柔らかすぎず、絶妙。

「材料の味は時代と共に変わっています。それを感じ取り、微調整し、手間を惜しまず、その時々のミトンの味を追求しています」と小嶋さん。その考えは、ふんわりとしてコクのあるシフォンケーキや、ほろほろ食感のサブレなどにも通じる。「あの味でなくては」と、多くの人が小金井を目指すのも納得だ。

Ovenmitten(オーブンミトン)

住所:東京都小金井市本町1-12-13
TEL:042-388-2217
営業時間:10:30~17:00
定休日:月火水休
席数:5席
HP:https://ovenmitten.com/

デコレーションケーキほか、オンライン販売も。お菓子教室、オンラインレッスンも開催。10万部を超える『おいしい!生地』(文化出版局)など著書多数。

photo_Shin-ichi Yokoyama text_Kei Sasaki

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