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食べなきゃ絶対後悔!
今話題の「サワードウ」を味わう新感覚のベーグルショップ

FOOD 2023.10.18

2023年9月にオープンしたばかりの〈bob bagel〉。この店が今、注目を集めるのはその個性的なベーグル。一見、伝統的なNYスタイル。でも、よく味を噛み締めると……。

NY経由日本発想のベーグル×サワードウ

旧東海道から分岐し品川神社へと続く、北馬場参道通り商店街。昔ながらの店構えが今も残る、風情ある商店街をぶらぶらと歩くとたどり着くのが〈ボブベーグル〉だ。「ボブさん」となじみ客から声がかかるのは店長の目黒裕規さん。ニューヨークスタイルのベーグルをサワードウで作り上げる。通常カンパーニュなどハード系のパン作りに好まれるサワードウをベーグルに使おうと思ったのはなぜだろうか。

白ごまやオニオン、ガーリックをまとったエブリシング(350円)やフィグピスタチオ( 450 円)など、サンドする食材との組み合わせで味の幅が無限に広がる。
白ごまやオニオン、ガーリックをまとったエブリシング(350円)やフィグピスタチオ( 450 円)など、サンドする食材との組み合わせで味の幅が無限に広がる。

「ベーグルの特徴である重量感やもちもちとした食感は発酵種で作るとより引き立つんです。とくに、サワードウは小麦の旨味と深みを丁寧に引き出してくれる。乳酸菌の作用でほどよい酸味も出ます。ニューヨークスタイルのベーグルらしいムチムチとした噛みごたえとベーグル自体の深い味わい。それが出せるのがいいんですよね」

種類は常時10種類ほど。プレーン(300円)、ライサワードゥ(300円)はサワードウの酸味と旨味を楽しめる。
種類は常時10種類ほど。プレーン(300円)、ライサワードゥ(300円)はサワードウの酸味と旨味を楽しめる。

目黒さんが使うサワードウは3種の国産小麦と水をかけ継いで作られたもの。これがほかにない風味を生む。さらにもうひとつ特徴が。それはもう一種類、自家培養の発酵種もプラスしているということ。目黒さんはかつて沖縄の〈宗像堂〉で働いていた。そう聞けば〈ボブベーグル〉のベーグルが自家培養の発酵種にこだわるのも納得がいく。

「〈宗像堂〉では発酵についてしっかりと勉強させていただきました。もともとベーグルをやりたいとパン業界に飛び込んだけれど、それまではドライイーストを使ったベーグル作りしかやってこなかったんです。〈宗像堂〉で発酵種のパン作りを学びベーグルに活かしてみたら、これまでと全然違うものが出来上がった」

オリジナルサンドも種類豊富。定番のLOX(ハーフ700円)、MAGURO(ハーフ700円)など
オリジナルサンドも種類豊富。定番のLOX(ハーフ700円)、MAGURO(ハーフ700円)など

目黒さんが〈宗像堂〉から受け継いだ発酵種はにんじんやりんご、長芋、炊いたご飯などでかけ継ぎ、育てている。冷蔵庫で休ませていた酵母液を見せてもらうと、かき混ぜるたびぷつぷつと勢いよく発酵していた。

「かけ継ぎしながら酵母を育てる。そのプロセスが実は何より楽しいです。発酵の様子は日々の環境や入れる野菜で変化する。生きている感覚はそのままダイレクトにベーグルの味に出ます。もちろんそれはサワードウも同じです。水と粉だけのシンプルなものなので、より発酵の見極めが大事になります。いかに良質なものに育て、いい状態で仕込めるか。それがベーグルやパン作りの最も重要な骨格となるもので、店の個性を決めるものだと思っています」

目黒さんが目指す〝個性〞はどんなものなのか。

「20代でLAを訪れた時に出会った朝ごはんのベーグルの味。クリームチーズを塗って食べたらめちゃくちゃおいしかった。その感動を日本の食材を使いながら伝えたい。ベーグルの食文化をもっと知ってもらいたいと思っています。まだ食べたことがないという人も多いと思うので、日本の食材もこんなにベーグルと合うんだなというのを知ってもらえたらうれしいです」

bob bagel

住所:東京都品川区北品川2-9-22 染谷ビル1F
TEL:03-6260-0125
営業時間:11:30~18:00
定休日:火水

シナモンレーズンのベーグルや、つぶあんとクリームチーズをサンドしたTSUBU-AN(ハーフ500円)、その抹茶バージョンのMATCHA-AN(ハーフ500円)など甘いベーグルも人気が高い。

photo_Nozomu Tomita text_Kana Umehara

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