おいしさはもちろん、それぞれの世界観も楽しみに。 京都の注目おやつ。編集部が選ぶ、焼き菓子の名店4軒
京都にはおいしい焼菓子専門店が多い。カフェから独立したり、手作り市やイベントへの出店を経て実店舗を構えたり。自分の手の届く範囲で楽しみながら働ける小商いの街ということも大きな理由だ。遡れば、クッキー缶で有名な老舗〈村上開新堂〉もあって、焼菓子文化のベースは昔から。焼菓子は今も昔も京都人に欠かせないおやつなのだ。8月27日(金)発売 Hanako1200号「好きなのは、京都らしさ。」よりお届け。
1.大切な人と分かち合いたくなるようなやさしい味わい。〈HORNO(オルノ)〉
京都の人気カフェやパン屋などを経て、約10年前から卸し販売を本格スタート。屋号はスペイン語で窯の意。できるだけ体にやさしい無添加の素材を使った、つい手が伸びる味。「記憶に残り、また食べたくなる味が理想」と三宅さん。〈ha ra〉のほか、〈IWASHI COFFEE〉、群馬の〈Nsoukh〉などで販売。右から、プレーンスコーン300円、レモンとポピーシードのスコーン320円。
〈HORNO(オルノ)〉
■https://horno.me/
2.ごろっと大きなフォルムに宿る、まっすぐなおいしさ。〈坂田焼菓子店〉/北野白梅町
手作り市や卸しでの展開から2015年に開店。全粒粉の食感や香りを楽しめる「ベア」をはじめ、フレッシュな味わいが特徴。ごろっと大きいのは「手先が器用じゃないから」と店主の坂田保子さん。上から時計回りに、ナッツ&チョコチップ248円、ベア194円、ジャムサンド248円、ジンジャー194円。
〈坂田焼菓子店〉
■京都府京都市上京区今出川通六軒町西入ル西上善寺町181-1-1-B
■075-461-3997
■9:00~17:00 月火休
3.素材の風味をしっかり感じられる、主張のある焼菓子。〈歩粉(ほこ)〉/大徳寺
全粒粉と小麦の風味が際立つスコーンが看板商品。ほかに生姜たっぷりのジンジャーケーキなど、できるだけ国産や有機の素材を厳選し、香りや食感を大切した焼菓子が揃う。月の後半はデザートセットを提供するカフェとして営業。スコーン各324円。
■京都府京都市北区紫竹西南町18
■10:00~18:00(17:00LO)月~水休
■7席 ※HPにて営業日を要確認
4.クリーンな空間に並ぶ、バターの香り豊かなフランス菓子。〈Nowhereman(ノーウェアマン)〉/高倉高辻
2010年から通販やイベントでお菓子を販売していた長野洋樹さんが、2019年にオープン。正統派フランス菓子をベースにした焼菓子はどれも主張のある男前なおいしさ。左奥から、ガトーナンテ380円、ガトーバスク ピスタチオ530円、フィナンシェ250円、ガレットブルトンヌ(2個入り)560円、ブール ド ネージュ(5個入り)650円。
〈Nowhereman(ノーウェアマン)〉
■京都府京都市下京区葛籠屋町507-2
■12:00~19:00 月火休
おいしさはもちろん、それぞれの世界観も楽しみに。
街に点在する、焼菓子の専門店。その日の気分で自分用のおやつを調達したり、相手の笑顔を思い浮かべながら手土産を選んだり。日々の暮らしに寄り添う気軽さが大きな魅力。〈HORNO〉を手がけるのは、数々の飲食店でお菓子を担当した三宅彩子さん。縁が深いカフェ〈hara〉では店内用ケーキのほか、持ち帰れる焼菓子があれこれ揃う。やさしい味わいはカフェのひとつの“顔”になっている。
北野天満宮近くの青い外観が目印の〈坂田焼菓子店〉は、近くへ行ったら必ず立ち寄りたい一軒。食べるとホッとするまっすぐな味が特徴だ。詩を組み合わせた独自の世界観を貫くのは〈Nowhereman〉。そのクオリティの高さはオープン前の行列からも窺い知れる。〈歩粉〉は磯谷仁美さん率いる人気店。2018年に東京から移転し、早くも街になじんでいる。カフェの営業は減ったが、オンラインショップの開設は遠方のファンには朗報だ。数あるお店の中から選んだ名店4軒。さぁどこから巡ろうか?