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カフェレストラン&ミュージックカフェラウンジ【Common】
六本木という都市の広場で、行き交う人々が主役の音楽を| ある日、あの店のプレイリスト#8
雰囲気の良い、おいしいお店には、心地のよい音楽も流れている気がする。
"食のある場所"の、ある日のミュージックプレイリストをおすそわけしてもらった。
第8回目は六本木駅から徒歩1分のカフェレストラン&ミュージックカフェラウンジ【Common】へ。
Spotifyのプレイリストを流し始めれば、あっという間にあの店気分に。ひと休みのお供に。
プレイリストのこだわり|六本木という”広場”で、行き交う人々が主役の音楽を
昨年2022年5月にオープンした「Common(コモン)」は、六本木駅から徒歩1分の場所にある、カフェレストラン&ミュージックカフェラウンジ。Commonの名のとおり、都市における”広場”の役割を再考し、これまでの六本木の歴史と、新たな文化が繋がる場所を目指してつくられたこの空間では、訪れた人が思い思いに過ごすことのできる自由な空気が漂います。
そんなCommonのシェフである中村さんと、運営会社であるThe YouthのCEO佐藤さんに、お店を立ち上げた経緯や想い、とっておきのプレイリストを教えてもらいました。
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「(佐藤)Commonでは、日中流していても訪れた誰もが嫌な気持ちにはならないであろう、悲しい気持ちにもならない曲をプレイリストに選んで流しています。と言うのも、この場所を立ち上げた時から、音楽やアートといった、街に根付く文化を繋いでいくことで様々な人が行きかう「都市の広場」としての場所をつくっていきたいと考えていて。実ははじめから六本木でオープンすると決まっていたわけではなかったのですが、縁ありこの場所に出店することになったんです。イメージ的にも、六本木ってやっぱりちょっとラグジュアリーなイメージだし、若い世代の人にとっても、今現在活発に文化が生まれている場所っていう印象はあんまりない。
そのような中、この場所をどう活かすか考えながらあらためて六本木について調べていった時、かつてこの街に米軍基地があったという歴史を知りました。昭和20年代頃、その米軍の人たち向けにミュージックバーやクラブなどが沢山開店したことで、とても賑わっていたそうなんです。はじめは日本人がそこに入っていけるような雰囲気ではなかったらしいのですが、徐々にその勢いに乗っかるようにして日本人も様々なお店やビジネスを始め、やがて商業施設やテレビ局ができ、今の煌びやかな六本木のイメージにも繋がる文化が発展していったという。本当はとても貴重な歴史や文化を持つ街ですよね。
一方で、近年では渋谷をはじめその周辺のエリアや日本橋、蔵前などの東東京エリアが非常に盛り上がっていて、どうしてもそうした街に注目が集まる。そのような時代の流れのなかで、自分たちがつくる場所や空間を通してこの街の文化を紡ぎ、人とひとを繋いでいくことができれば、何か新しい状況が生まれるのではないかと考えたんです。そうした考えのもと、食だけでなく音楽やアート、いろいろな表現が混在する、”都市の広場”のような可能性や許容性がある場所をコンセプトに掲げ、音楽という部分では、あくまで訪れる人が主役になれる音楽というか風通しの良い曲を選ぶようにしています。夜はレストラン&ミュージックバーとして営業しているのと、木・金・土はDJを招待しているので、もちろん音も楽しんでもらえるのですが、一番はやっぱり心地よく人との出会いや繋がりが生まれる空間でありたいという思いがあります。
個人的には、このCommonの他に、仙台の「Echoes」も運営していて東京と仙台を行き来する多忙な日々を過ごしているので、考え事をしながら聞けるインストゥルメンタルを最近はよく聞くことが多いです。haruka nakamuraやTom Mischなどが気分です」
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「(中村さん)佐藤が話したとおり、日中はdaytime用に作ったプレイリストを流していて、夜はその日のシフトに入った人によって変わるんです。夜はやっぱり、ムーディーなものを流すことが多いですね。ここで働くメンバーは、20代の同年代が多いので、今ハマっている曲などお互いでシェアすることも多いです。今Commonの厨房で流行ってるのは、アメリカのファンクバンドVulfpeckですかね。仕事していて気持ちいい音楽というか。あとお店ではかけられないんですが、僕はNetflixの『トップボーイ』にハマっていて。そこから今はUKラップにすごくハマっています。Kano、Skeptaとかを聞きながら気持ちをあげて通勤して、お店に入ったら切り替えます!」
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