富士見ヶ丘に新しい風を吹かせる食料雑貨店【somehow】
食べ物も音楽もなんとなくいい、でもこれがいい、の直感を信じて。| ある日、あの店のプレイリスト#6
雰囲気の良い、おいしいお店には、心地のよい音楽も流れている気がする。
"食のある場所"の、ある日のミュージックプレイリストをおすそわけしてもらった。
第6回目は富士見ヶ丘の神田川近くのエリアにある、食料雑貨店の【somehow】へ。
Spotifyのプレイリストを流し始めれば、あっという間にあの店気分に。ひと休みのお供に。
プレイリストのこだわり。
なんとなくいい、でもこれがいい、の直感を信じて。
2023年に富士見ヶ丘でオープンした「somehow」は、日本各地・海外からセレクトした普段使いできる調味料から、大切な方への贈り物にもぴったりなワインや雑貨なども揃える地域の心強い食料雑貨店。神田川近くの穏やかなエリアに位置し、店主のセンスが光るディスプレイとガラス張りの外観が目をひきます。
そんなsomehowの店主である志賀さんに、お店を立ち上げた経緯や想い、とっておきのプレイリストを教えてもらいました。
「もともとは、アパレルやインテリアのVMDといって、お店のディスプレイをつくる仕事をしていました。自分に合ったとても好きな仕事だったのですが、子供が生まれたことがきっかけで、今までの生活スタイルを見直すようになって。夜型の仕事だったのもあり、子育てとの両立でどちらもやりきれないフラストレーションを感じるようになり、働き方を変える選択をしました。その時ちょうど出会ったのが、この富士見ヶ丘の物件。昔からぼんやりと考えていた”自分が行きたいお店をつくりたい”という願いを形にしてみようと思い、そちらをメインに動きはじめました。
お店のプレイリストは、夫に頼んでつくってもらっています。彼がその時の気分のものをプレイリストに入れてくれ、その中で自分がその日聞きたい曲を流すようにしている感じ。お客さんが穏やかにリラックスした時間を過ごせるような曲を集めていますね。これも私に全くこだわりがないっていうわけではなく、このお店を形作っていくのに、いろんな人に関わってほしかったんです。音楽だけでなく、好きなアーティストに包装紙のデザインを依頼したり、好きなお店の方を積極的に呼んでイベントを開いたり。いろんな人の力を借りて成り立ってるお店にしたい。でも開店当時はコロナ禍だったこともあり、かなり苦労しました。そんな時に、このプレイリストの一番最後の曲で店名にもなった『Somehow.』を本当によく聞いていて。背中を押された大事な一曲です。
食でも雑貨でも、お店の名前”somehow”の通り、”なんとなく”でもこれがいいと直感で思うものを大切に、心込めて作られたものを次世代にまで繋げていきたいなと最近思います。食を扱うお店にしたのも、実は私の実家がスーパーを営んでいたのが大きな影響で。物心ついた頃から、全国各地に色々な美味しいものが沢山存在することを知っていたので、大人になって上京してからも色々とリサーチはしていました。娘が生まれてからは、自分が与えたものだけでどんどん大きくなる姿を目の当たりにして、より食の大事さを実感するようになって。あとはこれまで生きてきて、お洋服やメイクなど新しいものには敏感でも、食べ物に広い選択肢を持って気にかけている人って案外少ないなと感じたんです。年を重ねるごとに新しい流行を追いかけるような生活が豊かに思えなくなってきたこともあり、お店には自分が小さい頃から食べていて今も変わらず美味しいと思えるもの、身体にやさしくて市販のスーパーに並んでるものと比べてもこっちが絶対おいしい!と思える自信作を揃えようと決めました。
音楽も、”知らないけどなんとなくいいかも”が無限に繋がって本当の好きにたどり着くことがあるように、食べ物も買って食べてみたら美味しくて...裏を見たら何も入ってない!体にもいいっていう出会い方が理想。それと、単純に生産者さんの想いが詰まった本当に美味しいものを見つけたら誰かにシェアしたくなりますよね。だから、贈り物を探したりするときにもここを思い出してもらえたら1番嬉しいです」