メンタルケアを始めよう。 瞑想でココロを整える。|働く女性のための転機の準備

Chance 2023.04.26

リラックスして過ごしたいとき、集中して仕事に取り組みたいとき、瞑想でメンタルを整えることで、気持ちよく過ごすことができそう。正しいステップで、心のケアを日常に取り込もう。

心の病にならないために、予防としての瞑想を。

メンタルケアに瞑想が効くことは知られているけれど、その理由や方法はわからないことばかり。今回は、世界中で瞑想を指導してきたニーマル・ラージ・ギャワリさんに解説してもらうことに。
「コロナ禍の間に自分と向き合うことが増えたのか、メンタルケアの大切さに気がつく人が増えてきたなと感じています。瞑想は、心を整えるのに欠かせない行為。心を正常な状態に戻すことができるんですよ。これは科学的にも証明されていることです」とニーマルさん。瞑想とは、体も思考も気持ちも動かさずにいること。「本来、人間は誰でも自然にできることなんです。たとえば、赤ちゃんはお母さんのお腹の中では瞑想をして過ごしています。生後、外の情報をキャッチするようになると、自分の内を向くことを忘れてしまうんですね」
寝ているときも瞑想に似た状態だというが、それは無意識の下。意識的に瞑想ができるようになると、自分の心をコントロールできるようになるそうだ。
「人は、ストレスを抱えていてもギリギリまで頑張ることができてしまう。それだけ心は強く作られているんですね。でも、体の傷は癒えやすいのに対し、心の病にかかると回復に時間を要します。何年もかけて治療することも少なくありませんよね。だから、予防ケアとしての瞑想が大切なのです。疲れたときではなく、元気なうちから始めましょう
日々のルーティンに組み込むとしたら?
「朝は予防のため、夜は治療のために行うといいですね。エネルギーをアップするための瞑想、リラックスするための瞑想など、目的ごとに違うやり方がありますから」。時間がないときには深呼吸だけでもおすすめ。「2〜3分するだけでも気持ちが落ち着いてきますし、8〜10分続ければ体にも効いてきますよ」
では、初心者はどのように始めたらよいのか。
「料理で火加減やスパイスを入れるタイミングなどが重要であるように、瞑想も闇雲に行っていてはいい効果が得られません。簡単に見えるかもしれませんが、実は独学でできるものではないんです。道を迷わないためには、きちんとした先生に教えてもらうことが大切ですよ。自分で正しくできるようになるには、少し時間がかかると思ってくださいね」
まずは近くの教室やオンラインレッスンをチェックして、気に入るスタジオや先生を見つけてみよう。
「私も、オンラインやインスタライブなどでレッスンを行っています。自分のやり方が正しいのかしっかり確認するために、積極的にコミュニケーションをとって、直接アドバイスをもらってくださいね」

基本のポーズ

フィットネス

POINT #1 背筋
背筋を伸ばすことが一番大切。尾骶骨(びていこつ)から頭の先ま で直線を描くイメージで座ろう。“気”の通り道ができ、脳と心が整う。

POINT #2 手の形
手はだらんと置いてリラックスさせるのもOKだが、指の組み方によって脳の刺激される部分が変わり、瞑想の効果も変わってくる。

POINT#3 足の組み方
右足の甲を左脚の鼠蹊部(そけいぶ)に、左足の甲を右脚の鼠蹊部に乗せて座るロータスポーズが理想。難しければ片足だけでもOK。

手の形の意味を知ろう。

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くっつける指の組み合わせや、手の向きによって効果が異なる。どんなポーズがあるのか見てみよう。

「プラーナムドラ」
指をそろえたチョキのような形を作るプラーナムドラは、エネルギーを取り入れ、心を穏やかにする。このポーズが副交感神経の代表である迷走神経に働きかけることは科学的に立証済みだそう。

「ギャンムドラ」
親指と人差し指をつける形。ギャンはサンスクリット語で知識を意味し、気づきを得て、記憶力を高めることができる。頭を使う仕事をする人に効果的。仕事を始める前の瞑想にピッタリだ。

「アパーナムドラ」
手遊びのキツネのようなポーズ。忍耐や自信を呼び覚まし、インナーバランスを整えてくれる。一日の疲れやネガティブな思考を排出してくれるので、ニーマルメソッドでは夜におすすめだという。

瞑想を教えてくれるスタジオ3選

スタジオの雰囲気やメソッドはさまざま。続けやすいところを探してみよう。

illustration:Naohiga text:Kahoko Nishimura

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