ひとり韓国“だから”泊まりたい宿|まろが行く、ひとりホテルのすゝめ Vol.16
誰かと一緒に過ごすのはもちろん楽しいけれど、時にはひとりになりたい時間がある。そんな誰もが抱く欲求に、ひとり時間の楽しみ方を提案し、ひとりホテルステイに“沼っている”まろさんが寄り添います。第16回目となる今回は、日本を飛び出し韓国へ。ひとり韓国“だから”泊まりたい宿を紹介します。
さて、最近暖かくなったこともあってか、韓国旅をする方をますます良く見かけるようになった気がします。そんな私も韓国が大好きで渡韓歴は約7年、回数も10回ほどですが…意外や意外、実はひとり韓国は行ったことがなくて!
でもある時、わいわい盛り上がるのも楽しいけれど、ソウルの街をちゃんと見てみたい。じっくり街歩きをしたいという思いに駆られ、昨年ついに“ひとり韓国デビュー”を果たしました。
そして、デビューで泊まったお宿のおかげで、私はすっかり“ひとり韓国”に沼ってしまい…!今回は、ひとり“でも”ではなく、ひとり“だから”泊まって良かったと思えた、韓国のお宿を紹介します。
西村〈Nujung〉忙しい日常から離れて、“私“を取り戻せる場所。
このお宿を知ったきっかけは、沖縄ひとり旅をしていた時のこと。そこで会った韓国人の女の子が、「きっと、これを見ればあなたが泊まりたい宿が見つかる」と教えてくれたのが、〈STAYFOLIO〉でした。
韓国企業が運営するお宿の予約プラットフォームなのですが、街の中の古民家やマンションの一室をリノベーションした物件が多く、“暮らすように泊まれる”スタイルのお宿が多いのが特徴。しかも、洗練されたデザインも魅力的で、「おおこれぞ、私の求めていたもの!」という理想のお宿が集まっていました。
その中で、色々と検索した結果、ビビッと来たのが西村(ソチョン)にある〈Nujung〉。
サイトで見つけた瞬間、一目惚れでした。韓国の伝統的な家屋・韓屋がこんなに素敵にリノベーションされているなんて!と。いわゆる“一棟貸し”なのですが、広すぎるということはなく、むしろコンパクトな作りで、ひとりでちょうどいいサイズ感なのも魅力的でした。
そして「日常から離れて、自分を取り戻す」という“ひとり向き”のコンセプトにも惹かれて…。実際、本当にその通り、ひとりで静かにゆったり深呼吸できる場所だったんです。
まず私を癒してくれたのが、“中庭”。この中庭をぐるりと囲んだ設計になっているので、窓際でお茶を飲む時も、ベッドで寝転がるときも、朝目覚めた時も、常にお庭とともにいられて、とてもリラックスできました。
そして部屋の中心にある、壁の仕切りがない大胆なお風呂!も最高。ここからもお庭が眺められて癒されました。
室内なのに露天風呂みたいで、お部屋の素敵な空間も丸ごと味わえるなんて。あまりの多幸感で、両手を広げて「ここは、私だけのもの〜!」なんてやりたくなるほど!
お部屋のアイテムも、この癒し空間を演出している大事な要素。風鈴や、美しい茶器、そしてお香まで用意されていて!お香の香りに包まれるバスタイムなんてもう、それは夢のような時間でした。
〈Nujung〉
住所:19-13,Pirundae-ro 5-gil,Jongno-gu,Seoul,Republic of Korea
TEL:0504-0904-2485
Instagram:@stay.nujung
西村で見つけたお気に入りスポット
こんなに素敵だとずっとお宿の中にいたくなってしまうのですが、実はここの魅力は、それだけではありません。
お宿のある・西村(ソチョン)は、ソウル市内にあるにも関わらず、山や渓谷に近くて自然豊かで、伝統的な韓屋が多く立ち並んでいて風情もあって、穏やかな“いい街”なんです。ああ、こんな場所をずっと探していたよ…。
私はそれまで、その時のソウルのトレンドの街を巡るのがお決まりのパターンだったのですが、ここに来て初めて「ただいま」と言いたくなるような”私の街”に出会えたという感覚があって。そんな、西村のお気に入りスポットを少しだけ紹介したいと思います。
① BOANBOOKS
〈BOAN1942〉という複合施設の2階にあるのが、こちらの〈BOAN BOOKS〉。独立系出版社の本が多いのか、個性的なラインナップで、ハングルが分からなくても眺めていて楽しいです。
私は、西村での滞在で親しみを感じていたソウルの山頂の標識を集めた本を購入。なんとユニークな!
しかも、ここから見える朝鮮時代の王宮「景福宮」(キョンボックン)の景色も、絵画のような美しさで、いつもうっとりしてしまいます。
② 通仁(トンイン)市場
こちらはローカルが集う、こじんまりした市場。私もご近所感覚で何度も利用したのですが、伝統的な韓国菓子のお店が多いのも魅力のひとつ。朝ごはんの後に、買ったお菓子を、淹れたお茶とお部屋でゆったり味わうなんて、優雅な時間も過ごさせていただきました。
ちなみに、朝ごはんは、絶品の海鮮カルグクスを!スープのコクが体に染み渡ります。
③ 水声洞(スソンドン)渓谷
あまりにも山が近いと思って、Google mapを見たら、なんとお宿から徒歩5分のところに渓谷が!ということで、朝のお散歩に歩いて行ってみました。
おお、本当に渓谷がある…!川のせせらぎを聞きながら、歩いているだけで心が洗われました。いや〜ここ、住みたい。
ちなみに、急遽ウォーキングが決まったので、100円ショップで急いでコーディネートした結果がこちら。これもまた旅の思い出です。笑
④ スジェビワポリパッ
私が一番好きな韓国料理“スジェビ”。韓国式すいとんなのですが、ここで食べられるエゴマのスジェビが絶品で!
叶うならスープの中で溺れたい、いやもう生まれ変わったらスジェビになりたいなんて思うほど…笑 思い出したら、また行きたくなってきました。
まろの編集後記 〜Vol.16のステイを終えて〜
私は、この〈Nujung〉での滞在がとても心に残ったので、この後の2回目の“ひとり韓国”も、〈STAYFOLIO〉から物件を探して宿泊。南山(ナムサン)の麓にある〈Totu〉で、スローな韓国ライフを味わいました。
ソウルって都会で、忙しない街だと思っていたのですが、またもやほっと一息落ち着けるエリアで。こんな、ゆったりしたひとりソウル旅が叶うなんて、と感動しました。
しかも〈STAYFOLIO〉に掲載されているお宿はソウルだけではなく、釜山など郊外のエリアにも点在しているので、まだ見ぬ“私の街”はきっとたくさんあるのだろうなと思うとワクワクします。早く、また行きたい…!今年も絶対行こうと、意気込んでいます。
それでは、HAVE A NICE HITORI HOTEL!