2023年、ひとりで泊まって良かったホテル5選|まろが行く、ひとりホテルのすゝめVol.12
誰かと一緒に過ごすのはもちろん楽しいけれど、時にはひとりになりたい時間がある。そんな誰もが抱く欲求に、ひとり時間の楽しみ方を提案し、ひとりホテルステイに“沼っている”まろさんが寄り添います。第12回目となる今回は、まろさんが「2023年、ひとりで泊まって良かったホテル5選」を紹介。
気がつけば、もう年末。2023年も、全国各地で今年も200泊以上、数えきれないほど“ひとりホテル”を楽しませていただきました。
今回は、その総決算ということで、私が、特にひとりで泊まって良かった5つのホテルを紹介させていただきます。
ひとりだから良かったポイントを交えながら、おニューなホテルから、老舗旅館まで、様々なバリエーションのお宿を紹介していきますので、今年1年頑張ったご褒美などで、ぜひ宿泊を検討してみてください〜。
① ひとりでじっくり、アートと温泉に浸る。〈板室温泉 大黒屋〉
まずは、2023年最も衝撃を受け、完全に恋に落ちたこのお宿!1551創業の老舗旅館〈板室温泉 大黒屋〉です。
まず、ここがすごいのは、なんと1980年代後半から「保養とアートの宿」をコンセプトにしているということ。今でこそ、“アートホテル”は定着してきましたが、そんな前からコンセプトにしていたとは!
しかも、先代が才能をいち早く見出し、今では世界的に有名になった、“もの派”を代表する菅木志雄氏の作品が数多く常設展示されている〈菅木志雄 倉庫美術館〉があったり、月ごとにテーマを変えて企画展示を行なうなど、お宿でありながら、美術館さながらにアートと向き合っているんです。
そして、きちんと温泉旅館として素晴らしいのも、魅力的。露天風呂では陽光をたっぷり浴びながら、山々の景色を望め、朝晩ともにお部屋食でゆったりお食事をいただけます。
そもそもアートと温泉って、自分のペースで楽しめて癒されるので、 それだけで“ひとり向き”だなと思うのですが、なんと旅館には珍しい、シングルルームまであるんです!ひとりで足を伸ばしてリラックスするのにちょうど良く、「あーこんなシングルルームを待ってました…!」と思わず拍手したくなる、センスが光るお部屋となっています。
さらに、花器の貸し出しサービスがあったり、滞在中の一冊が見つかる図書室もあるなど、ひとりステイを彩るコンテンツもたくさん。あまりの感動に、私は滞在中に次の予約を取ってしまいました。(笑)
② テレビ塔に泊まれる!ここにしかない、ワクワク感が味わえる〈THE TOWER HOTEL NAGOYA〉
続いては、国指定の重要文化財でもある、愛知県名古屋市の「中部電力 MIRAI TOWER」(旧名古屋テレビ塔)内に2020年にオープンしたホテル〈THE TOWER HOTEL NAGOYA〉。
ここに泊まれるなんて、びっくり!ですよね。お部屋にも躯体の鉄骨が、かっこよく突き抜けていたり、窓枠や眺望含め、常にテレビ塔に泊まっているワクワク感を味わうことができます。外に出て、地上から自分の部屋を見ると、「あそこに泊まっているのかー!」と感動もひとしお。
そして、私がとても感動したのが、宿泊者限定で22~24時にテレビ塔の展望台エリアに行けること! 館内に隠されている“秘密のエレベーター”に乗って展望台エリアに着くと、ぐるっと光り輝く名古屋を見渡すことができます。大切な人とロマンチックに眺めるのもいいですが、夜景を独り占めする夜も、なんだかいいなあとじっくり浸りました。「私、がんばるよー!」って、叫びたくなったり。(笑)
全15室のスモールラグジュアリーホテルなこともあり、食事以外でお客さんと会うこともほとんどなく、静かで落ち着いて過ごせたのも、とても良かったです。館内の至る所にアートも飾られているので、そちらもお見逃しなく。ちなみに、私が原案の漫画『おひとりさまホテル』第2巻にも出てきますので、良かったら読んでみてください。
③ マイペースに、ひとりのんびり島旅。〈SOIL Setoda〉
夏に、ひとりでのんびりしたくて泊まったのが、しまなみ海道の中心、生口島・瀬戸田町にある〈SOIL Setoda〉。ホテル、レストラン、セレクトショップ等の複合施設で、ある意味ここ自体がもう街になっていて、泊まりながら島旅している感覚を味わうことができます。
泊まったお部屋は「Terrace Studio」。ここから眺める瀬戸田の景色が大好きで、お酒やドリンク類を片手に、朝も夕も、この景色を“独り占め”しました。
夜は、地元の農家さん、漁師さんから仕入れた旬な食材をいかした、量もちょうどいい美味しいショートコースを味わい、近くの銭湯〈yubune〉で、お風呂&サウナを堪能。あーこれぞ理想の島旅!しかもセンスの良い空間で、これらが堪能できるのがとてもいいのです。
そして、お宿で自転車をレンタルして、島をサイクリングするのも、最高に気持ちいい。自転車で駆け抜けながら、飛び込んでくる島の景色を味わい、空気を吸い込む多幸感たるや! 時々、ベンチに座って読書するなんてのも、ひとり旅ならではの楽しみ方です。マイペースなひとり島旅、またやりたいな。
なお、〈SOIL Setoda〉は、尾道港から船で40分ほどで着く瀬戸田港そばに位置しているので、アクセスも抜群。車を運転出来ない私のような方でも、安心です!
④ たまには、ひとりで弾ける夜もいい。〈W 大阪〉
続いては、がらっとシティーラグジュアリーな雰囲気に変わって、2021年に大阪に開業した〈W 大阪〉。あのマリオット・インターナショナルが展開するホテルブランド「W」ブランドで、国内唯一のWホテルとなっています。
Wホテルといえば、キラキラした華やかな空間が特徴的。こちらも、コンセプトは「大阪商人の遊び心」ということで、大阪出身の安藤忠雄氏がデザイン監修した真っ黒な外観とは対照的に、内側のインテリアはカラフルで、道頓堀からインスパイアされたネオンや、真っ赤な漫才ステージ、提灯を模した大きなランプシェード、トランジスタラジオのようなDJブースなど遊び心溢れるさまざまな要素から、元気な大阪を感じることができます。
ずっとテンション上がりっぱなしだったのですが、特に楽しかったのが夜の時間。館内の〈鉄板焼 MYDO〉で豪勢に金粉のお好み焼きをいただいたり、そのまま、ムーディーなバーラウンジに行ったり。ほろ酔いでお部屋に戻ったら、夜景を眺めて「こんな都会でサバイブしている私、お疲れ!」なんて思ってみたりして。
最初は、こんな華やかなホテル、ひとりで楽しめるのかな…と不安だったのですが、ひとりだからこそ、自分が解放されて、やりたいことをやり尽くせるのがとても良かったです。
しかも、さすがマリオットで、お部屋はちゃんとリラックスできる空間に仕上がっているので、きちんと身を休めることもできます。こんな楽しいひとりステイも、ありですね!
⑤ 大人になったから分かる、“ハトヤ”ワールドの魅力。〈ホテルサンハトヤ〉
最後は、この連載でも単独で紹介させていただいたことがある、静岡・伊東の〈ホテルサンハトヤ〉。関東の人には馴染みのある、「伊東に行くならハトヤ 電話は4126(よい風呂)」のフレーズでお馴染みの、ハトヤグループのお宿です。
伊東駅で出迎えてくれるシャトルバスから、もう可愛い!照明や赤いじゅうたんに螺旋階段、近未来×レトロなカプセルっぽいエレベーターなどなど、昭和レトロな世界にときめきが止まりません。ひとりゆえに、スリッパも浴衣も、ディテールも、くまなく愛でられるのがいいんですよね〜。
そして、“ハトヤ”といえば、やっぱりディナーショー!大宴会場で、みんなで手を叩きながら観劇するこのスタイル、今の時代にはなかなかない楽しみ方で、懐かしくてなんだかいい。
しかも、ひとりだからこそ、俯瞰して見られるので、みんなの幸せをギュッと味わえる感覚があって…うん?私は変態ですかね?(笑)
私が見つけたとっておきの過ごし方は、亀や魚が泳ぐ大きな水槽がある「海底温泉」を楽しんだ後、ナイトラウンジ〈エメラルド〉でクリームソーダをいただくということ。なんだこの、最高の風呂上がりタイム!大人って、最高だ〜!幼少期に訪れた時とは、一味違う楽しみ方ができて、大満足でした。
いかがでしたでしょうか?まとめてみると、かなりバラエティ豊かになっていますが、ホテルって、この面白さの幅があるから楽しいんですよね。そして、ひとりステイのスタイルも人それぞれ。私も気分によって、宿泊先を選んでいるので、ビビッと来たものがあったら、自分の直感を信じて、ぜひ泊まってみてください〜。
それでは、来年もHAPPY HITORI HOTEL YEARになりますように!