韓国旅行のお土産はここで|前田エマの秘密の韓国 vol.10 サンセン商会
この連載では、韓国に留学中の前田エマさんが、現地でみつけた気になるスポットを取材。テレビやガイドブックではわからない韓国のいまをエッセイに綴り紹介します。第10回目は、韓国各地の特産物を中心に、韓国の食料品が手に入るお店「サンセン商会」へ。
ソウルにいても韓国中を旅しているような、そんな気持ちになる
今日紹介したいのは「韓国旅行の際、お土産を買うなら行って欲しい」と思う店だ。
その前に、このお店があるのがどんな街なのか、書いてみたい。
景福宮という王宮の近くだからだと思うが、アングク駅の周辺には、歴史的な建物があちらこちらにある。そして、博物館や美術館、土産物屋も多く並ぶ。
先日、この近くの韓屋(韓国の伝統的な家)を買って住み始めた方のお家にお邪魔したのだが、観光客や若者で賑わう繁華街のすぐ裏にあった。
ひとつ脇道を入るだけで、あたりは静まり返り、穏やかな時間が流れ、びっくりした。
マッコリやチヂミを出す、昔ながらの店もあれば、ギャラリーや小さな美術館も、ちょこちょこある。
歩行者天国には、土産物売り場が立ち並ぶ。
前回訪れたような韓国茶の店「アルムダウン」もこの辺りにある。
韓国の紙“韓紙”の店などもあり、何度か買い物をしたことがある。
韓紙は、文字を書くものとしてだけでなく、ランチョンマットなど、インテリアとしても愛されている。
私は最近、ここの近くで韓国の習字“書芸”を習い始めた。
アングク駅の周辺はそういう文化的な施設が多い街なのだ。
駅のすぐ横にある、美しい白が目を惹くソウル工芸博物館では、ポシャギや白磁といった、朝鮮の文化の歴史的な流れがひと目で分かる。
前置きが長くなったが、今日紹介するサンセン商会(상생상회)は、韓国各地の特産物を中心に、韓国の食料品が手に入るお店だ。
のりや、のりを使ったスナックなど、軽くてお土産にもってこいのもの、身体によさそうなものから、変わり種まで、いろいろある。
簡単に飲めるティーパックのお茶も、韓国各地から集まっている。
ソウルにいても、まるで食べ物を通して、韓国中の土地を旅しているような、そんな気持ちになる。
考えてみれば、チヂミ、キムチ、ビビンバなど、韓国料理は小さい頃から食べていたけれど、私が韓国に来て1番驚いたことは、韓国料理の奥深さと、豊かさだった。
様々な知恵、工夫、手の込んだおいしさと美しさに感動する日々だ。
この店では、ごま油などの調味料も揃うが、キムチをはじめとする保存食から、冷凍食品などもバラエティ豊かに扱っているので、少し長めに韓国に滞在する人にも、おすすめかもしれない。
私のおすすめは、ナツメチップスだ。
ナツメは、韓国料理には欠かせない食料品。
参鶏湯をつくるときなどにも使われる。
女性に必要な栄養が詰まっていると言われるほど、栄養価が高いが、日本ではそれほど食べられていないかもしれない。
ここには、いろんなブランドのナツメチップスが売っていて、大きいものから、小さいサイズまで揃っているので、是非試しに食べてみてほしい。