ハナコラボSDGsレポート 小泉進次郎環境大臣が持続可能な未来のために取り組むこと
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第41回は、ライターとして活躍する五月女菜穂さんが「Snow Peak LIFE EXPO 2021」へ行ってきました。
2021年7月、「Snow Peak LIFE EXPO 2021」が新潟県三条市で行われ、小泉進次郎環境大臣がトークセッションのゲストとして登壇しました。環境大臣になり、いままでの生活は「より環境に配慮するような行動に変わった」と語る小泉大臣。具体的にどのような取り組みをされているのか。そして、未来の子どもたちのために何ができるのか。取材をしました。
エコバッグやマイボトルを愛用。
ーー進次郎さんご自身、環境を配慮した取り組みをしているそうですね。
「私が使っているエコバッグの一つは、熊本地震で使われたブルーシートをアップサイクルした物なんですね。これがすごく良くて。破れた部分があれば修復して、使っています。また、普段持ち歩くバッグは、海の中に漂っている漁網を回収し、漁網50%でつくられたものを使っています。地域で回収したプラスチックゴミが、地域でアップサイクルされるという循環が生まれつつあります。
マイボトルやシリコンバッグも使っています。フルーツを職場に持っていったりしているのですが、今までだったら使い捨てのプラスチックバッグを使っていたんですよ。でも、これもできる限り変えなきゃいけないなと思っていたところ、繰り返し使えるシリコン製のバッグを見つけました」。
「写真は新宿御苑で、マイボトルに給水をした時のものです。実はこれは、ある小学生から手紙をもらったことがきっかけなんです。環境大臣になってから、子どもたちからの手紙がものすごく増えました。それで、『マイボトルにそのまま給水できる給水機をもっと増やしてください』と言われたので、環境省が直ぐに出来るところから始めてみようということで、新宿御苑に設置しました。
ちなみに、私のつけているマスクはオーガニックコットン。今治のタオル屋さんが作ったこのマスクは、工場が再生可能エネルギー100%の風力発電を使用しています。個人的にそういう企業を応援したいという気持ちで使っています」。
「私の公用車は電気自動車なんですが、菅内閣の中では唯一です。それに、環境省の中にある食堂では、ついに植物性タンパク質のメニューが毎日出るようになりました。
今回、私がやっていることをリスト化したのですが、環境大臣だからやっているというよりも、今までの自分のライフスタイルが環境負荷が高いと認識したので、今、自分を変えているところです。その変化を一つひとつ起こすことが、今はむしろ楽しくなっていて。一つ変えるとまた変えたくなるようになったんですよ。
これまでは、ネットで注文したペットボトルの炭酸水を飲んでいたんですが、ソーダマシーンを買いました。これも自分の中で前向きにやっていることです。
みなさんと共有したいのは、何か一つ、なんでもいいので、今日から(環境配慮の行動を)始めてみませんかということですね」。
ーー子どもたちからの手紙を受け取って、行動されているエピソードが印象的です。進次郎さんが、未来の子どもたちに届けたい自然の価値や、環境に対しての思いをぜひ教えてください。
「私は、生まれ育ったのが海に囲まれた横須賀という街なので、すごく海に思い入れがあります。このままで行くと、今世紀中に日本から砂浜の8割以上がなくなるというデータがあります。そして、気候変動対策がうまく進まず、このまま気温上昇が続けば、今世紀中に日本のサンゴは全て死滅をするとも言われています。
私には今1歳の子どもがいますが、このままだと自分の子供の世代、孫の世代が砂浜のない横須賀を見ることになるかもしれない。私は横須賀のことが好きで、地元愛が強いので、それは想像できないし、そんな未来を引き継ぐわけにはいかないと強く思うんですよね。
例えば、今は沖縄でスキューバダイビングをして、きれいなサンゴ礁と熱帯魚の景色を楽しめます。でもそれは、我々の世代までしか味わえないかもしれなくて。次の世代や、その次の世代は、もはやそういう景色を楽しむことができないかもしれない。そういう未来がかなり確度が高く見えてきています。
未来は何が起こるか分かりませんが、少なくとも、予測として、確度が高いものの一つは人口減少であり、もう一つは気候変動によって失われるものがある未来です。
全てを維持することは不可能に近いですが、そのダメージを最小限に留め、次の世代の可能性と選択肢をより多く広く残した上で、我々の世代が役割を終える。次の世代にたすきを渡していきたいという思いが強いですね。
気候変動の対策の強化に対して、一人ひとりの国民の皆さんの共感や、脱炭素社会の必要性への理解は不十分だということは痛感しています。
まずはそれぞれの自分ごとに変わるような物語を見つけ、ぜひ一人ひとりの行動に変えてもらいたいと思います。私にとって身近な海を切り口にした時、「自分ごと」に変わりました。政治家の立場としては、自分1人の行動に加えて、国の仕組みや法律、ルールを変えていき、全体の大きな歯車を回していきたいと思います」。
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