自然の循環から育まれた滋味。 ジビエを楽しむことが世の中を変える?知っておきたいジビエのこと。

SUSTAINABLE 2021.07.16

豊かな自然に育まれたジビエ。最近は飲食店で味わうだけでなく、購入できる場所も増えています。大切に育てた農作物が野生のシカやイノシシに荒らされるなど、鳥獣被害は日本各地で大きな課題。ジビエをもっと気軽に楽しむことは、世の中を変える一歩につながるのです。

知っておきたい野生鳥獣による被害の現状

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【深刻な影響】

度重なる野生鳥獣による被害によって農業を続けていくことが負担になり、廃業してしまうケースも。農山村地域が衰退して、山から降りてきた野生鳥獣とクルマが衝突したり、町に迷い込んで人に怪我をさせたり、家屋に被害を及ぼす問題も起こっている。また、希少植物が食べられてしまうなど、影響は多岐にわたっている。

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【森林被害】

野生鳥獣による森林被害は全国で年間約5,000ヘクタール(令和元年度)。このうちシカによる枝葉の食害や樹木の剥皮被害が全体の約7割を占めていて、深刻な状況になっている。造林木(ヒノキなど)の被害で林業のコストが増大するほか、地表を覆う草や灌木も食べてしまい、土壌流出が発生するなど、環境面に悪影響を与えてしまうおそれも。

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【農作物被害】

主にシカやイノシシといった野生鳥獣が農作物を食い荒らす被害額は1年でなんと約158億円!全国各地で対策が強化されたことによって、平成22年度の239億円と比べると徐々に減少しているものの、まだまだ被害は深刻。被害面積は約48,000ヘクタール、被害量は約45万8,000トンに及んでいる(すべて令和元年度)。

捕獲頭数が増えているイノシシとシカ

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近年は狩猟のほか、農作物への被害防止を目的に捕獲が行われ、合わせてイノシシ64万頭、シカ60万頭(令和元年)と捕獲頭数は大幅にアップ。その一方で実際にジビエとして流通利用されている頭数はわずか1割(自家消費を除く)というのが現状で、埋設や廃棄のための労力や処理費用が捕獲者や地方自治体などの負担に。マイナスの存在とされてきた捕獲鳥獣を資源として活用できればプラスの存在になる。生態系の維持や日本の農林業、農村を守ることにもつながり、SDGsという観点からもジビエの消費が増えるといいことずくめ。

ヘルシーで栄養豊富!食を豊かにするジビエ。

日本ではイノシシ肉を使った牡丹(ぼたん)鍋が冬の風物詩になるなど、四季を感じられる自然の恵みとして古くから親しまれてきた。ジビエを食べることは野生鳥獣による農作物被害に苦しむ地域をサポートして社会を変えるきっかけにも。

昔は肉のにおいが気になると敬遠されたが、現在流通しているジビエは受入れから解体・処理の工程において、適切な血抜きの実施やにおいの強い個体を選ばないなどの品質管理、食品衛生法に基づく許可を受けた食肉処理施設で徹底した衛生管理を行っているため、おいしく、安全と評判。鉄分やビタミンBを豊富に含み、栄養面から見てもうれしい食材。自然の循環から育まれた滋味を味わってみては?

ここで購入できる!「HELLO! ジビエ」

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ソーセージや缶詰、レトルトカレーといった加工品から気軽に挑戦できる焼肉セット、丸ごと届くブロック肉、ペットフードまで多彩なジビエを購入できるEC特設サイト。人気シェフのレシピも掲載され、ジビエにまつわる情報が満載!

https://event.rakuten.co.jp/area/japan/gibier/2020/

(Hanako1198号掲載/photo : Satoru Nakano styling : Ami Kanno cooking : Naoya Higuchi illustration : Yu Tokumaru text : Rie Ochi, Satoko Kanai edit : Yuko Watari)

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