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ハナコラボSDGsレポート 〈パタゴニア〉の食料品「パタゴニア プロビジョンズ」を食べて、地球を回復させよう

SUSTAINABLE 2021.06.05

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第30回は、ナチュラルビューティーハンターとして活躍するシナダユイさんが〈パタゴニア〉の食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」を取材。同部門ディレクターの近藤勝宏さんに話を伺いました。

〈パタゴニア〉のこれまでの取り組み

〈パタゴニア〉食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」マネージャー・近藤勝宏さん。
〈パタゴニア〉食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」マネージャー・近藤勝宏さん。

〈パタゴニア〉といえば、アウトドアウェアを販売すると同時に、環境保護活動に取り組む企業として70年代から常に真摯なビジネスを続けています。今回〈パタゴニア〉がなぜ食料品を始めたのかオンラインインタビューをしました。取材日はなんでもない木曜日、ではなくアースデーという地球を想うにふさわしい日。「パタゴニア プロビジョンズ」ディレクターの近藤さんが丁寧な語り口で教えてくれました。

ーー食料品を作るに至るまでの経緯を教えてください。

「1973年、イヴォン・シュイナード(『社員をサーフィンに行かせよう』で有名)が3度の飯より外で遊ぶのが大好きな仲間とともに、自然の中でアウトドアスポーツを続けるために、より頑丈なギアや洋服を作り出したのが〈パタゴニア〉の始まりです。イヴォンはビジネスで売り上げが出来ると70、80年代と世界中のフィールドを旅してまわり、その中で目にしたのが変わり果てていく世界の光景。ちょうどこの時代は経済が急速に発展し、〈パタゴニア〉のビジネスも成長していましたが、経済が発展しGDPが伸びるほど、自分たちが大好きで恩恵を受けていた自然の遊び場がなくなっていきました」。

ーー動機や情熱は現代と通ずるものが。しかし、始めてみてモヤモヤに直面したんですね。

「自分たちのビジネスも発展するほど環境に負荷を与えてしまっているかもしれない。そのような事実に直面し、真剣に悩みました。もし地球がダメになってしまったらビジネスどころではない。エネルギーも含め、“何かモノを作るときの環境や、社会に与えてしまうインパクトをできるだけ最小限に抑えていこう。そして、そういった形でもビジネスが成り立つんだよ、ということを他者に見本を示して環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行していこう”と、自分たちの言葉でまとめてスローガンにしたんです」。

ーースローガンを掲げつつ、すごい決断力で色々なことをされていました。

「90年代に入り、大量の農薬を使うことで土地を枯らし人体にも影響のある一般的な農法によるコットンから、オーガニックコットンに切り替えました。当時はまだオーガニックコットンを育てている農家さんが少なかったため、認証を取るために必要な3年の途中にいる転換期の農家さんの支援もしながら、100%へ変えていきました。フェアトレードも推進し、いまでは82%の製品が認証取得の縫製によって作られています」。

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ーー人道的な配慮もしつつ。

「他にも“リサイクル素材の採用”や“再生可能エネルギーへの転換”など様々な取り組みにより環境へのインパクトを最小限に抑える努力をし続けています。ただ、いま問題視されている気候変動に関しては、パリ協定で合意した温室効果ガス削減目標値を大きく上回るスピードで進行してしまっている。2100年には気温が4℃以上あがってしまうかもしれないという研究データも発表されています。大雨や山火事が身近に起こるようになり、改めてなぜ・どうしてと、これまでのHOW TOの解決型からWHYへと変え、なぜビジネスをするのか、存在理由を問い直しました。よりスピードアップして活動していくには環境負荷をゼロに近づけるだけではもう手遅れで。製品をひとつ作るたびに、環境への影響をプラスに変えていくようなことが必要だろうと考えたんです」。

環境再生型有機農業“解決策は土の中にある”

ーー考え抜いたすえに、方法のひとつが見つかったんですね。

「いまの温室効果ガスの発生原因として一番の問題と言われている、全体の1/4(25%)が、実は食品産業が影響しているというデータがあります。
〈パタゴニア〉製品は頑丈で長持ちしますし、お客様には新しいジャケットですと5年か10年に一度しか買わない人も多く、もしくはリペアして長く使う方もいます。私自身、20年前の洋服を現役で着ていますが、そういう人でも1日3回は食事をします。毎日の食事や行動で、みんなが選ぶものやその食物や繊維の作られ方が変わっていくことにより、地球を回復させるための解決策に近づくのではないかと」。

ーーなるほど。実際、店舗の入り口に書かれている“買うことは減らし、求めることは増やす。”の求めることにプラスの意味があるなと思いました。単純に服を減らすと自ら謳うなんて大胆だなぁと感じていたのですが…。

「みなさまが買うものが業界をつくり、求めることを増やすことで、衣料品業界の慣行を変えることができます。求めるほどプラスになっていきます」。

ーーどんなことでしょうか。(ワクワク)

「例えば、いまの気候危機とか気候変動の問題は温室効果ガスのバランス、すなわち炭素のバランスが崩れていることによって様々な現象が起きている。元々、地球が持っている炭素量というのは変わっていなくて、土の中、地球の中にはすごく多くの炭素量が固定されています。それが工業的な技術や有害な化学薬品を用いて食物や繊維を栽培し、耕起する(掘り起こす)ことにより空気中に放出され、温室効果ガスとして空気中に増えたんです。私たちは炭素の排出を削減しなくてはいけません。また、地球を回復させていくためにより多くの炭素を地中に戻していくことが重要です」。

ーー炭素を地球に戻す…すごいですね。

「土壌っていう資源が、世界でいまとても注目されていて。土っていうのは大気の空気の2倍、植生(林とか)の3倍も貯蔵能力があるんですよ。私たちは、炭素を土に戻していく環境再生型有機(リジェネラティブ・オーガニック)農法の拡大支援という策をたてました」。

ーー気候変動に実感が湧きづらく(炭素といえば木のイメージでした)、どんなアクションをすれば良いかもわからずに生活していましたが、もうそこまで進んでいるんですね。

「人の食べ物の95パーセントは間接的もしくは直接的に土壌に由来しています。土壌や水、空気、また生態系の回復し、環境を再生する農業や漁業をサポートするために『パタゴニア プロビジョンズ』をスタートしました」。

【オーガニック、サステナブルを超えた、プラスの配慮から生まれる食料品1】「ロング・ルート・ペールエール」

「通常のビールに使われている麦は1年サイクルで植えて、収穫して、耕してというのを繰り返しますが、『ロング・ルート・ペールエール』には原料の15%に多年草のカーンザという多年草の穀物を使っています。上だけ刈り取って収穫したらまた翌年生えてくるため、基本的に肥料は必要なく、一年生植物の小麦よりも少ない水で育ちます。何より耕す必要がなく、根っこが写真のように長く伸びます。そうすると、そのまわりに有機物や微生物が育まれ、土の中に多様性が生まれ、より健康な土壌が作られます」。

ーーワイルドですね。耕さない方がいいというのは意外でした。

「植物は光合成を上の方(葉)でするじゃないですか、光合成した炭素がより深く、しっかりと土壌の中に固定されることにも繋がります」。

ーーこのビールは、私もとてもお気に入りです。香りが良くてとてもフルーティ!ノンアルコールも開発してほしいくらいです。その上、土壌を豊かにする解決策にまでなるなんて感動です。

【最も高い基準のオーガニック、プラスの配慮から生まれる食料品2】「ニカラグアのマンゴーを使った製品」

マンゴー

「いま1番注目しているのが“土”なのですが、オーガニックであることはもちろん重要で、さらにそのオーガニックを超えて、より健康的な土を育てているか、オーガニックの認証の中で働いている人たちは公正な労働環境で働いているかまで、しっかり見ていくような『リジェネラティブ・オーガニック認証』の設定をサポートしました」。

ーーオーガニックを超えた…!

「特にこのパンデミックが起きてから、欧米を中心により賢くお金を使いたいという人が増えてきました。どうせお金を使うのであれば、自分のこともそうだけど、環境的に配慮したものをやっぱり使いたい。少しでも自分の選ぶものがよりポジティブなものになればと考える人が増えています。
リジェネラティブ・オーガニック認証は、“土壌の健康”と“社会的公平性”、”動物福祉"という3つの柱で作られた認証で、そういった方々にも透明性を感じてもらえます。
ただ、とても高いハードルのため、『パタゴニア プロビジョンズ』の製品でも認証を取れるまで簡単ではありませんでした。それが去年、初めて認証の取れた製品として『ニカラグアのマンゴーを使った製品』を発売できました。これ、すごくおいしんです。マンゴーの生産者である〈ソル・シンプレ〉は、フェアトレード規格に取り組み、シングルマザーを雇用して子供たちを学校に通わせる経済力の確保を可能にしています」。

ーーそれはSDGsの目標にも当てはまりますね。

「そうですね。社会的公平性というような部分と、より土壌の健康にも配慮したマンゴーの生産方法で、太陽光発電の工場で加工された製品として出来上がりました。健全な土壌の再生はもちろん、仕事や実地訓練、教育支援の提供により、コミュニティ全体における男女平等を推進することができます」。

ーーお店の方にもおすすすめしていたただき食べてみましたが、フルーツバーはカカオニブが入っていて自然派ワインにも合うなと。また、チリ・マンゴーは意外性のある組み合わせですが、実際はとても上品な風味付けでマンゴーの甘みが引き立っていました!背景もさることながら、とにかく味わい深い製品ですね。

「そのほかの製品も環境を良くしたり、回復する作り方をしています。知れば知るほど面白いですよ。そしてYouTubeも公開していますのでぜひご覧ください」。

“リジェネラティブ=環境再生型”なオーガニックの取り組みを進めている〈パタゴニア〉。先進的なお話の最後「疲れたときに休息をとるように、地球にも再生する能力を促して回復させてあげるべきですよね」とヒトも地球も同じ生き物と捉え、優しさたっぷりにお話いただいたのがじんわりしみました。これからの季節、アウトドアやキャンプはもちろん、おうち時間のお供にもぴったりな食料品です!食べておいしく、地球を回復させましょう。

「パタゴニア プロビジョンズ」

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