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2021.12.15

安藤忠雄氏が設計した屋外美術館も。 【京都】アート旅で訪れたい個性派美術館5選。いつもとは違う京都旅を。

有名な観光名所が立ち並ぶ京都。実は美術館も多数存在しています。歴史ある展示物からできたてほやほやの最新美術館まで、京都旅行でとことんアートを楽しんでみては?

1.〈京都府立堂本印象美術館〉

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美術館の流動的な造形をいかし、新設されたアプローチ。美術館前のバス停も新しくデザインされた。

京都出身の日本画家・堂本印象が、自身でデザインし、1966(昭和41)年に設立。仏画から聖マリアまで、印象による作品をはじめ、同時代や関連作家のアートが堪能できる。

至るところに作家の作品が。こちらは堂本印象デザインの金工作品『奏でる女』。
「ステンドグラスや案内板など、そこかしこに堂本印象の手が加えられた贅沢な空間。1966年という時代に美術と建築がこれほど融合した空間を作ったことに驚きです」(平塚さん、以下同)。

美術館の脇には自由に回遊できる庭があり、屋外展示を行うこともある。ベンチも堂本印象のデザイン。

〈京都府立堂本印象美術館〉
■京都府京都市北区平野上柳町26-3
■075-463-0007 
■9:30~17:00(16:30最終入館) 
■510円 
■月休(祝の場合は翌休)

2.〈京都府立 陶板名画の庭〉

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レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』やモネの『睡蓮・朝』など言わずと知れた名画を再現した陶板画を、野外で鑑賞できる施設。屋根がない美術館というのが最大のポイント。

空の青さや風の流れを、全身で感じることができる。ルノワール『テラスにて』を再現した陶板画など、実際に見るのが難しい名画8点を近くで鑑賞できる。鉄筋コンクリート造の建物の設計は、世界的に活躍する建築家・安藤忠雄が手がけた。歩道以外は水面で覆われている。「奥まで歩くと、小さな滝がいくつも流れていて、水音が心地いい」

「美術館をたくさん設計している安藤忠雄ですが、ほぼ外部空間というところが珍しい。美術館建築では難しい、立体的、ダイナミック、光や水をたくみに取り入れるという要素を、軽々とクリアした、開放的な空間です」

〈京都府立 陶板名画の庭〉
■京都府京都市左京区下鴨半木町
■075-724-2188
■9:00~17:00(16:30最終入園) 
■100円 
■無休 

(Hanako1164号掲載/photo : Makoto Ito text : Ai Kiyabu)

3.〈福田美術館〉

〈福田美術館〉京都
緑と水を感じながらくつろげるカフェスペース。深いひさしがガラスの反射を抑え、外の景色を美しく映し出す。家具と床には無垢材を使用。
緑と水を感じながらくつろげるカフェスペース。深いひさしがガラスの反射を抑え、外の景色を美しく映し出す。家具と床には無垢材を使用。
〈福田美術館〉京都
〈福田美術館〉京都
緑と水を感じながらくつろげるカフェスペース。深いひさしがガラスの反射を抑え、外の景色を美しく映し出す。家具と床には無垢材を使用。
〈福田美術館〉京都

嵐山に美術館ができたと聞いて行ってみると、渡月橋下を流れる大堰川沿いの一等地にあった。ガラスの壁からは有名な風景を眺めることができ、嵐山にまだこんな場所があったのかと誰もが驚くほど。オーナーは京都に生まれ育ち、京都で起業した福田吉孝氏。「京都に恩返しがしたい」という思いから美術館設立を決意したという。約1500点にも及ぶコレクションは「美術に詳しくない人が見ても、感動を与えられるような」作品をコンセプじゃくトに年かけて集められた。

伊藤若冲、竹内栖鳳ら京都画壇を中心に、有名作家の傑作がそろっている。なかには隠れた逸品もあり、公開される日を待ちわびているようだ。こうした大切な作品を守る意味を込めて、展示室は「蔵」をイメージしてデザインされた。来館者は「通路=縁側」を通りながらつの展示室を回遊し、最後にカフェに辿り着き、鑑賞の余韻を味わう。入り口から出口まで作品と自然に囲まれて、浄化されるような心地よい時間を過ごせるだろう。

琳派や横山大観、竹久夢二らの作品を、至近距離で鑑賞できるのがこの美術館の特徴。展示室のガラスケースは、世界最高峰の技術で透明度が高く仕上がっており、さらに作品との距離を約30cmまで縮められるよう設計されている。

〈福田美術館〉
■京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
■075-863-0606
■10:00〜17:00(最終入館16:30)火休(祝の場合は翌休)、展示替えに伴う休館あり

(Hanako1188号掲載/photo:Norio Kidera text:Mako Yamato, Ai Kiyabu)

4.〈京都市京セラ美術館〉

本館を望む東山キューブテラスは一般に開放されていて、お弁当やおやつを食べたり、本を読んだりして過ごすことが可能。庭園や東山を眺めながら過ごす時間が至福だ。
本館を望む東山キューブテラスは一般に開放されていて、お弁当やおやつを食べたり、本を読んだりして過ごすことが可能。庭園や東山を眺めながら過ごす時間が至福だ。
本館の中央にある旧大陳列室は、新たに設けられた地下1階のエントランスロビーから続く中央ホールへと生まれ変わった。ここを通ってそれぞれの展示室や日本庭園へと向かう。
本館の中央にある旧大陳列室は、新たに設けられた地下1階のエントランスロビーから続く中央ホールへと生まれ変わった。ここを通ってそれぞれの展示室や日本庭園へと向かう。
〈京都市京セラ美術館〉
本館を望む東山キューブテラスは一般に開放されていて、お弁当やおやつを食べたり、本を読んだりして過ごすことが可能。庭園や東山を眺めながら過ごす時間が至福だ。
本館の中央にある旧大陳列室は、新たに設けられた地下1階のエントランスロビーから続く中央ホールへと生まれ変わった。ここを通ってそれぞれの展示室や日本庭園へと向かう。
〈京都市京セラ美術館〉

公立美術館として日本で2番目に建てられた〈京都市美術館〉が、約2年にわたる大改修を経て2020年5月にリニューアル。帝冠様式と呼ばれる和洋折衷の堂々とした本館はそままに、ガラス・リボンの名前を持つファサードやモダンな新館が加わり、新たな美術館として再始動した。設計は、のちに館長に就任した建築家・青木淳と西澤徹夫が担当。外観をはじめ、大理石の床やモザイクタイルなど受け継がれてきた意匠はそのままに、軽やかなエントランスを新たな顔として加えるなど、八十余年の歴史を持つ美術館に新たな層を重ねることを意識したという。

中央ホールから見える日本庭園の緑、展示室へと姿を変えた南中庭など、館内のあちこちで出合う新たに重ねられた意匠を見るのも喜びのひとつ。もちろん展覧会もスペシャル感のあるものが続く。江戸後期から現代まで、250年にわたり京都の美術を彩った作品を集めた「京都の美術250年の夢」。現代アートのための新館・東山キューブではこけら落としの「杉本博司瑠璃の浄土」が開かれ、日本庭園には作品のひとつ「硝子の茶室聞鳥庵」も設置されている。新設されたコレクションルームでは、約3700点のコレクションから、季節ごとに選りすぐりの名品を鑑賞することが可能に。空間にも作品にも、交差する歴史と未来を感じるアートシーン。京都に魅力を加える場所が誕生したのだ。

〈京都市京セラ美術館〉
■京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
■075-771-4334
■10:00〜18:00

●ミュージアムショップカフェ〈エンフューズ〉
■10:30〜19:00 不定休
■45席/禁煙

●ミュージアムショップ
10:30〜18:30 休みは美術館に準じる

(Hanako1188号掲載/photo:Norio Kidera text:Mako Yamato, Ai Kiyabu)

5.〈ZENBI(ゼンビ)- 鍵善良房 - KAGIZEN ART MUSEUM〉

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〈ZENBI(ゼンビ)- 鍵善良房 - KAGIZEN ART MUSEUM〉
〈ZENBI(ゼンビ)- 鍵善良房 - KAGIZEN ART MUSEUM〉
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〈ZENBI(ゼンビ)- 鍵善良房 - KAGIZEN ART MUSEUM〉

茶道や華道といった雅な文化が花開き、数多くの神社仏閣が存在する千年の古都。だからこそ、職人技は常に刷新され、粋を極めてきた。祇園の一角に今年1月に誕生した〈ZENBI-鍵善良房-〉は、まさにそんなストーリーを感じられる美術館。祇園で300年続く御菓子司、〈鍵善良房〉の15代当主、今西善也さんが5年の構想の末に完成した。大叔父にあたる12代当主、今西善造さんは多くの文化人や芸術家と交流を深めた人で、店内は文化サロンの役割を果たしていたという。

なかでも木漆工芸家の黒田辰秋に、くずきり用の螺鈿(らでん)細工の器や大棚を作らせたのは有名な話。美術館では黒田の作品を中心に優れた美術工芸を紹介しながら、この街で培われた文化や美を未来へつなげる場所を目指す。「この街から受けた文化の恩恵を広く知っていただき、文化サロンのような場を継承していきたい」という今西さん。展覧会の総合プロデュースは、幅広いアートシーンで敏腕を振るう井村優三さんが担当。

〈ZENBI(ゼンビ)- 鍵善良房 - KAGIZEN ART MUSEUM〉/祇園
〈鍵善良房〉の15代目が館長を務める美術館。開館記念展は〈鍵善〉が収蔵する黒田辰秋の作品を展示。年3、4回の企画展で、今後は菓子木型展などを予定。館内は木や土壁を使った心地いい空間。
■京都府京都市東山区祇園町南側570-107
■075-561-2875
■10:00~18:00(入館~17:30)月休(祝の場合は翌休)

(Hanako1200号掲載/photo : Yoshiko Watanabe text : Natsuko Konagaya)

編集部
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