〜今度はどの美術館へ?アートのいろは〜〈森アーツセンタギャラリー〉で開催中「新・北斎展」。
2019.02.01

学芸員ラジオDJ・DJAIKO62さん連載 〜今度はどの美術館へ?アートのいろは〜 〜今度はどの美術館へ?アートのいろは〜〈森アーツセンタギャラリー〉で開催中「新・北斎展」。

ラジオ番組で美術展を紹介するうちに美術館巡りの面白さに目覚めたというDJAIKO62さん。コラム連載第11回は、〈森アーツセンタギャラリー〉で開催中の「新・北斎展」をご紹介します。20歳から90歳まで、約70年にわたる絵師としての人生を辿るように鑑賞できます。知っているつもりだった北斎のその先の先まで、体感しに行きませんか?

DJAIKO62 / ラジオDJ、ナレーター

「京都育ち、中学時代をアメリカで過ごす。現在は地元の"FM京都αステーション"でレギュラー番組を担当。東京と京都を週1で行き来しながらナレーターや映画・美術展ライター、MCとして活動中。学芸員DJとして、特別展の情報やアートをわかりやすく楽しむコツもお伝えしていきます。 TwitterInstagram

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北斎と言えば。

北斎と言えば思い浮かぶのは入り口やチラシのイメージにも大きく部分が採用されている「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」でしょう。

浮世絵なのでもちろん世界にたった1点ということはなく、各特別展で目にする機会も多い作品です。「冨嶽三十六景」は2020年より導入予定だという次期日本のパスポートにも基本デザインとして採用が決まっています。

作品と共に北斎の絵師人生をすべて辿れる貴重な機会。

そして葛飾北斎と言えば亡くなる90歳頃まで筆をおくことはなく、「あと5年天から命をもらえたら真正の絵師になれたのに。」と死の直前に言ったというエピソードがあるような方。画狂老人卍と名乗った最晩年までを約480もの作品(会期中3度展示替えあり)と一緒に辿れる機会というのは最初で最後かもしれない、それほど貴重な機会です。出品目録を見ると一目瞭然ですが、作品の多くはこの「新・北斎展」を監修された故永田生慈氏が半世紀かけて集め島根県立美術館に寄贈された永田コレクションから。これらは遺志により、今展以降は島根県を出て公開されることはないそうです。

見逃してほしくない注目作品。

今回は初公開となる作品も多いのですが、初公開の作品も含めいくつか見逃したくないと個人的にチェックしている作品をご紹介します。

1.「隅田川両岸景色図巻」文化2年(1805)(すみだ北斎美術館)2月11日(月祝)まで展示

1902年にフランスで競売にかけられて以降行方が分からなくなっていた「隅田川両岸景色図巻」、2008年にロンドンのオークションに約100年ぶりに姿を現し、2015年に墨田区が取得、〈すみだ北斎美術館〉に所蔵されています。こちらは2月11日までの公開。

2.「雨中の虎図」(太田記念美術館)、「雲龍図」(ギメ美術館)ともに嘉永2年(1849)1月30日(水)~3月4日(月)まで展示

また1月30日から3月4日までの公開、最晩年の傑作とされる「雨中の虎図」と「雲龍図」は対となる作品。虎と龍が睨みあう様子は絶対に見ておきたいです。

3.「風流無くてなゝくせ」「遠眼鏡」(リーダークスコレクション)「ほおずき」(米個人蔵)ともに享和年間(1801~04)1月30日(水)~2月18日(月)まで展示

そして昨年「サンタフェリー・ダークスコレクション浮世絵最強列伝」でも見られた「風流無くてなゝくせ」はリー・ダークスコレクションの「遠眼鏡」と、アメリカ・個人蔵の「ほおずき」と並び展示される機会、1月30日から2月18日に公開となります。北斎の大判錦絵で美人大首絵はこの2図のみとされています。

4.「向日葵図」弘化4年(1847)(シンシナティ美術館)通期展示

写真左側の軸が「向日葵図」、88歳のころに書かれたひまわりの絵です。こちらは日本初公開で全期通して見られます。

5.「弘法大師修法図」弘化年間(1844~47)(西新井大師總持寺)通期展示

そして晩年最大級とされる圧倒的存在感の「弘法大師修法図」。所蔵元の西新井大師においても年に1回しか公開されないものです。目の前に立つと足がすくむほどの迫力がありました。写真では右奥、人が見上げるほどの大きさです。

6.「富士越龍図」嘉永2年(1849)正月(北斎館)2月21日(木)~3月24日(日)まで展示

2月21日から3月24日までの公開となる絶筆に最も近いとされる作品。絵はがきやチケットホルダーなどグッズにもなっています。事前にチェックしておいて見逃さないようにしたいですね。

音声ガイド、今回は特におすすめ!

ナレーターとしてはいつか担当してみたいのが音声ガイドなのですが、最近は俳優声優が読まれる機会も増えましたね。「新・北斎展」では貫地谷しほりさんと神田松之丞さんが担当されているんですが、ゾクゾクするほど世界観にあっていて、足を止めて聴き入ってしまうほどでした。どうしようかな、と迷ったら今回は借りましょう。

北斎漫画の面白さが生きるお土産も。

今展でも「戴斗期」(51歳から60歳ごろ)のくくりの一部で見られるのですが、『北斎漫画』と言えば、全15巻のいわゆる絵手本で、全国にいた200人ほどの弟子のための教科書的なものだったそう。被写体や視点の面白さはグッズになったものを見てもいかに秀逸だったかがわかるはず。おしゃれで目移りしてしまいました。

「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」開催概要

■会期:開催中~2019年3月24日(日※会期中、展示替えあり)
■休館日:1/29(火)、2/19(火)、2/20(水)、3/5(火)
■開館時間:10:00〜20:00 火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで。)
■会場:森アーツセンターギャラリー展覧会
■公式サイトはこちらから。
チケット情報やアクセス他、詳細は公式サイトをご確認ください。

DJAIKO62

次回もDJAIKO62のアート探訪をお楽しみに。

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