美しい仏像に出会って心を穏やかに。 縁結びのパワースポットも!知っておきたい鎌倉の神社仏閣5選
鎌倉の自然あふれる神社とお寺は、ずっと昔からこの地域を見守ってくれる、生活に根付いた場所でした。大きさも、歴史も、迫力ある鎌倉の仏像たち。厳かで、穏やかな仏像と向き合うと、いつのまにか雑念も消え、心が整っていくはず。そこで今回は、足を運ぶたびほっとする「なにか」に出合える親しみ深い神社とお寺をご紹介します。
1. 鎌倉時代らしい大仏〈高徳院〉/長谷
観光名所として有名だが、作者は特定されておらず、創建当時の事情も不明な部分が多いミステリアスな大仏。運慶という鎌倉時代初期の仏師とそれに連なる仏師たちからなる慶派の作風と、宋代中国の仏師たちからの影響を併せ持ち、鎌倉時代らしい仏像といわれている。背中が丸く、俯いている姿も当時造られたものの特徴だ。
〈高徳院〉
山門に安置される仁王像は鎌倉大仏ほどの大きさはないが、その姿は力強く、見応え十分。
■神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
■0467-22-0703
■8:00〜17:30(10月〜3月は〜17:00)※入場は15分前まで
2.絢爛な装飾をまとい、威風に満ちた佇まい〈高徳院〉/長谷
本尊である宝冠釈迦如来は堂外からも見えるほど大きく、辺りを圧するような威風を感じさせる。通形の釈迦仏とは異なり、髪を頭上で大きく結び、華麗な宝冠と胸飾りをまとっている。華厳経の世界を説く姿から、華厳の盧遮那仏(るしゃなぶつ)ともいわれている。頭部のみ鎌倉時代の作品で、胴体は焼失したため江戸初期に補造された。
〈円覚寺〉
伏見上皇から贈られた「円覚興聖禅寺」の額を飾った山門、仏殿の天井に描かれた白龍図、鎌倉唯一の国宝建造物の舎利殿や洪鐘(おおがね)など見所満載。
■神奈川県鎌倉市山ノ内409
■0467-22-0478
■8:00〜16:30(12月〜2月は〜16:00)
3.薄明かりに浮かぶ、幻想的な仏様〈覚園寺〉/二階堂
鎌倉時代の風情を感じることができる古寺、覚園寺。静かで緑深い境内に入ると、自然と厳かな気持ちに。本堂の薬師堂に祀られるのは薬師三尊坐像と呼ばれる3体の仏様。中央が本尊の薬師如来、右が日光菩薩、左が月光菩薩。怪我や病気を乗り越えるための癒しの力を昼夜問わずにあたえるといわれる、鎌倉を代表する名仏の一つ。
〈覚園寺〉
薬師堂はツアー形式で案内。
■神奈川県鎌倉市二階堂421
■0467-22-1195
■10:00、11:00、12:00(土日祝のみ)、13:00、14:00、15:00※荒天日、4月27日、8月1日〜31日、12月20日〜1月7日は拝観休止。
■入山料は大人500円、小・中学生200円。
4.威厳ある不動明王が良縁を結んでくれる〈成就院〉/ 極楽寺
恋愛成就のお寺として人気で、鎌倉を代表するパワースポット。成就院の本尊不動明王は“縁結びの不動明王”とも呼ばれ、恋愛だけでなく、仕事の縁も結んでくれるといわれる。厳しい顔や姿をした不動明王が、縁結びのパワースポットとなったのは剣を持っている右手の肘の形が、恋人と腕を組むときと似ていることからなのだとか。
〈成就院(じょうじゅいん)〉
煩悩の数と同じ108の階段を上った山頂からは、由比ヶ浜を一望できる。境内には不動明王の御分身、子安地蔵・子生み石などが安置。
■神奈川県鎌倉市極楽寺1-1-5
■0467-22-3401
■8:00〜17:00(11月〜3月は〜16:30)
5.街を優しい微笑みで見守る真っ白な観音像〈大船観音寺〉/大船
ふっくらした顔立ちと優しい微笑みを浮かべた表情が印象的な白衣(びゃくえ)観音。地層が弱いことから立像建立ができず、坐像も検討されたが、最終的に胸像となった。もし立像であれば奈良・東大寺の大仏の2倍もの高さになっていたという。胸から下は左手に蓮の花を持ち、右手は五指を伸ばし、蓮華台で坐禅しているといわれる。
〈大船観音寺(おおふなかんのんじ)〉
護国観音を建立するため1929年から築造、約30年を費やして大船観音が完成。息災除病の仏として子宝、安産、子供の無病息災のご利益がある。
■神奈川県鎌倉市岡本1-5-3
■0467-43-1561
■9:00〜16:50(11月〜1月は〜16:20)
(Hanako1185号掲載/photo:Shinichi Yokoyama, Hiroshi Harada illustration:Maori Sakai text:Rie Ochi edit:Hanako Kajiyama, Yuko Watari, Dai Watarai (Mo-Green))