これからの季節、鎌倉は社寺巡りにぴったり。 御朱印ガール必見!いま一度知っておきたい、御朱印のルールとマナー。
御朱印に詳しい佛教大学の八木透教授に、基礎知識をあれこれ教えてもらいました。ルールとマナーを学び、いざ御朱印の世界へ。
Q.そもそも御朱印とは何ですか?
A.お参りの証、神様仏様と縁を結んだ証です。
「もともとはお寺で写経し、それを奉納した証として授けられましたが、それがやがて社寺を参拝した証としていただけるようになりました。御朱印をいただくということは、神様仏様と縁を結べたということ。単なる記念スタンプという認識ではなく、神仏の分身としてありがたくいただき、本棚など日常目に付くところに保管しておきましょう」
1.奉拝。「つつしんでおがみます」という意味。
2.鎌倉二十四地蔵尊など、どの御朱印巡りの何番目かを示す印章。
3.参拝年月日。
4.ご本尊を表す梵字(古代インド仏教の文字)や「仏法僧宝」(仏法僧、3つの宝を意味する文字)の印章が一般的。神社の場合は神社印が多い。
5.仏様の名前(神社名)。
6.お寺名(神社の場合は左下に参拝年月日が)。
7.お寺(神社)の印。
Q.御朱印はどこで、誰にお願いすれば書いてもらえますか?
A.「御朱印受付」の看板が目印です。そこで係の人に聞きましょう。
「鎌倉ならたいていの社寺で御朱印がもらえますが、“御朱印受付”と書いていない場合は寺務所や社務所で尋ねてみてください。御朱印集めを始めるにあたって用意したいのが御朱印帳(納経帳)。大きな社寺で買うことができ、社寺オリジナルデザインの御朱印帳もあるのでお気に入りを一冊購入しましょう。また御朱印をいただく際は、御朱印代として小銭の用意も忘れずに。だいたい300~400円です」(八木教授)
Q.御朱印はその場ですぐ書いていただけるものですか?
A.その場でいただける場合と、あずける場合があります。
「基本は参拝を済ませてから、その場で書いて渡されます。ただし円覚寺や浄智寺、浄妙寺など、境
内が広い社寺では、参拝前に御朱印帳をあずけて、お参りしている間に書いていただけるところもあります。その場合は、ほかの方の御朱印帳と間違えないように、番号札が渡されることが多いですね。社寺のルールに沿ってお願いしましょう」
Q.ひとつのお寺や神社に、御朱印がいくつもあるって本当ですか?
A.5種類ある寺もあります。事前に欲しい御朱印を決めておきましょう。
「はい。たとえば浄智寺には5種類あります。鎌倉三十三観音などの霊場巡りの場合は、その御朱印があるので、それを伝えてください。特に指定がない場合はご本尊、ご神体の御朱印をいただきましょう。複数の御朱印をいただきたい場合は、それぞれの意味を知り、誠意を持ってお願いしましょう。ただし忙しそうなときは避けた方がいいかも」
Q.御朱印をお願いするときの作法はありますか?
A.最低限のマナーを大切にすれば大丈夫です。
「いただくときは『お願いします』『ありがとうございます』とあいさつを忘れずに。書いてほし
い御朱印帳のページを開いて渡すと親切です。書いているときは静かに待つこと。そして書き終わった後は、どんなことが書いてあるのか、押し印の意味など、質問してみるのもいいですね。お話から知識が深まり、さらに御朱印が楽しくなるはず!」
Q.神社とお寺の御朱印は分けておいた方がいいのですか?
A.特に決まりはありませんが、分けると整理に便利です。
「昔は“神仏習合”という、仏教と神道が融合していた歴史があるので、分けなくても失礼ではありません。また御朱印の書き方は、神社名が簡略化される場合など、決まりや法則があるわけではなく、書いてくださる方によっても印象が変わります。一枚一枚心を込めて手書きされているので、たとえばアートのように味わうもよし。奥深い御朱印の世界を楽しみましょう」
(Hanako特別編集『鎌倉』掲載/Hanakophoto:Hiroshi Harada, Akira Yamaguchi, Nao Shimizu, Yusei Fukuyama, Kayoko Aoki, Yoko Tajiri, Takashi Maki, Akari Hatakeyama, Kaoru Yamada illustration:Miyuki Matsuo text:Ryouko Morimoto, Emi Suzuki, Yoko Fujimori, Mutsumi Hidaka)