「今度はどの美術館へ?アートのいろは」汐留で京都を感じる。河井寬次郎展 -過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今-
2018.08.02

学芸員ラジオDJのDJAIKO62さんがおすすめする、今見ておくべきアートとは? 「今度はどの美術館へ?アートのいろは」汐留で京都を感じる。河井寬次郎展 -過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今-

ラジオ番組で美術展を紹介するうちに美術館巡りの面白さに目覚めたというDJAIKO62さん。コラム連載4回目は「河井寬次郎展」です。みなさんもアートとの一期一会に出かけてみませんか?

DJAIKO62 / ラジオDJ、ナレーター

「京都育ち、中学時代をアメリカで過ごす。現在は地元の"FM京都αステーション"でレギュラー番組を担当。東京と京都を週1で行き来しながらナレーターや映画・美術展ライター、MCとして活動中。学芸員DJとして、特別展の情報やアートをわかりやすく楽しむコツもお伝えしていきます。 TwitterInstagram

DJAIKO62
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東京・汐留で京都を感じる。

コラム4回目の今回は、パナソニック汐留ミュージアムで2018年7月7日から始まった「没後50年 河井寬次郎展」をご紹介です。ユニークな作風、陶芸と創作に真摯に向き合った人生、そして河井寬次郎の「言葉」にもハッとさせられますよ。

近代陶芸の巨匠、河井寬次郎。

色も形もモダンでユニーク、東京と京都で修行したのちに陶芸家としてデビューした頃には「天才現る!」と脚光を浴びました。その後学生時代の後輩で親交も深かった濱田庄司を通じて柳宗悦と出会い民藝運動に参加します。それからは日常使いや実用性を重んじた作品作りをしていくこととなります。陶器だけではなく、家具や木彫の作品にも一目見て「寬次郎さんの作品だ」とわかる個性が光ります。

私は大学生の頃に京都・東山五条の河井寬次郎記念館と出会い、これまでにも随分と通いました。住居・陶房でもあったこの場所の持つ雰囲気が好きで、作品がゆっくりとみられるのはもちろんなんですが、居心地も良いのであっという間に時間が過ぎていきます。

生み出したもの、愛したもの

展示は大きく2つに分かれます。寬次郎さんが生み出したもの、そして愛用したもの、計約130点が見られます。京都の旧宅でもある河井寬次郎記念館所蔵のものを中心に、初公開となる山口大学所蔵の寬次郎初期作品、さらにパナソニック汐留ミュージアムならではとも言えるでしょう、パナソニックの創業者・松下幸之助と河井寬次郎の繋がりもエピソードから感じられます。

パナソニックの創業者松下幸之助との思い出。

これは当時最新のトランジスタラジオ。パナペット(R-8)の同型品です。人間国宝や芸術院会員の推薦まで断ったほど、賞などは辞退をし続けてきたという寬次郎さん。「河井寬次郎を文化勲章に推薦したい」と、松下幸之助の使いが自宅を訪れた際に贈ったのがこのラジオです。最終的には文化勲章の推薦は断ってしまいますが、「このラジオが私にとっての文化勲章ですよ」と大層喜んで、枕元に置いて使うなど愛用し続けたそうです。写真とは違う白いタイプだったのですが、残念ながら河井家にも現存はしていないそう。展示は色違いの同型品です。

「寬次郎みくじ」も楽しい!

毎週火曜日、寬次郎さんの月命日である8月18日(土)、そして寬次郎さんの誕生日8月24日(金)には「寬次郎みくじ」をひくことができます。私がひいたのはこちら。

「確かにそうだね(笑)たくさん助けられているかも。」とあれこれ考えました。ありがたいお言葉です。

会場出口付近にはたくさんの写真が。

最後にはたくさんの写真がパネルにまとめられて展示されています。「どんな方だったんだろう?」という興味にもこたえてくれますし、お宅にお邪魔してアルバムを見せてもらっているような感覚もあり、作家をより身近に感じることができるなと思いました。

ろくろ場が再現展示されています。石膏型を使って陶器を作ることも多かったという寬次郎先生、石膏型も展示されていますよ。

「展覧会名没後50年 河井寬次郎展 -過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今-」
■2018年7月7日(土)~9月16日(日)
■休館日:水曜日、8月13日(月)~8月15日(水)
■10:00-18:00(入館は17:30まで)
■03-5777-8600
■東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4階
入館料、アクセスなどは下記公式サイトをご確認ください。
https://panasonic.co.jp/es/museum/

DJAIKO62

京都の河井寬次郎記念館へもぜひお出かけくださいね。次回もDJAIKO62のアート探訪をお楽しみに。

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