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新鋭3軒 【京都】憧れ和食体験を、もっとカジュアルにもっと楽しく♡
粋な空間の割烹で和食を堪能…伝統が残り名店がひしめく京都で是非したいことの一つだけど、ちょっと敷居が高そうなイメージ。そんな和食をカジュアルに楽しめ、さらに料理人の新しい感性が和食の楽しさをもっと広げてくれるお店をご紹介!
1.【移転情報あり】先斗町の路地に灯りをともす新鋭店で炭火焼料理や旬味をお酒と共に満喫。〈酒処 てらやま〉
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店内はL 字カウンターのみ。阿吽の呼吸で次々と料理を仕上げるお二人の姿もいいアテに。
店主の寺山主一さんは京都の有名料亭や超人気店〈食堂おがわ〉で腕を磨き、同じく料理人の奥さん・絵里佳さんと共に独立。「普段使いできる居酒屋感覚で」とそろえた30品前後のアラカルトは、お造り、和えもの、おでんに、ふるんふるんのダシ巻き、火入れ加減抜群な炭火焼など目移り必至の内容。
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食材や調味料もなるべく店主夫妻の地元のものをと、奥さんの故郷・丹後峰山〈小野甚〉の赤味噌や醤油でキリッとした味わいに仕上げている。
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ミディアムレアの肉に辛子とケチャップベースのソースが合う。鹿児島の「マルスウイスキー」800円と。
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昆布とかつおの旨みが活きたダシも味わって。
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この日はサヨリとヒラメの昆布締め。
夫妻の地元・広島や丹後の地酒、ワインなどお酒も多彩。
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先斗町の路地を入ったところが入口。
予約がベター。地酒700円。
2.惚れた白味噌で新しいおでんを。女性店主のアイデアが満ちた専門店。〈miso嘗sho〉
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じゅわっとダシを含んだ「くるま麩」300円、「半熟卵」250円。なめらかなとろろが旬の葉野菜に絡む「お野菜とろろ」350円、「炙りサーモンチーズ」350円。
一番ダシと鶏ガラスープで炊いたおでんには、ダシでゆるめた白味噌がとろりとあしらわれる。「赤提灯のイメージがあるおでんを京都らしく」と、店主の河原奈美さんが惚れ込んだ老舗〈山利商店〉の白味噌を使用。
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調理は、割烹などで修業をした若き料理長が手がける。
定番ものに加え、ほたてバターや揚げ餅、牛タンなど斬新なおでん種がそろう。
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おでんのじゃがいもを使ったコロッケとポテサラのミックス「コロポテ」500円。卵黄の味噌漬「満月」400円。
おでんの天ぷらや味噌からあげなど、お酒を進ませる一品も。
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掘りごたつのカウンターのほか、テーブルも8席。
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要予約。おでん200円~、日本酒800円~。
3.季節を映した黒板メニューにときめく創味巧みな若店主のカジュアル割烹。〈わしょく 宝来〉
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白木のカウンター前で手際よく作業する宝来さん。カウンターの椅子は肘置き付きで座り心地抜群。
開店から約1年ですでに祇園界隈のリピーター多数。33歳の主・宝来剣太さんが毎朝市場へ足を運んで選んだ旬の魚や野菜をメインに据え、「この日食べてほしいもの」を黒板に記す。
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甘みの強いひね芋に、醤油風味の鴨スジ肉を合わせた「鴨コロッケ」1個200円。丸ごとほぐして食べやすく潔く盛った「毛がに」1,200円。
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春の味覚を一椀に閉じ込めた「はまぐり若竹煮」700円。筍を炊いたダシとハマグリの酒蒸しを合わせて木の芽をふわり。
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自家製デザートの山椒を振った「ごぼうアイス」、「コーヒー豆ぷりん」各300円。
正統派の日本料理からコロッケやプリンまで多彩なラインナップが楽しく、どれも食材の魅力がストレートに伝わる。価格は表記されていないが、ごくごく良心的なのでご心配なく。
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予約がベター。さば昆布巻き1,500円~、生ビール550円、地酒800円。
(Hanako1131号掲載/photo : Koichi Higashiya text : Awa☆Moriko)