〈+CEL〉インタビューvol.3 (前編)
ヘアメイクアップアーティスト・草場妙子さんがみつけた、
子育てと仕事のちょうどいいバランスの取れる場所。 MAMA 2023.08.12PR

日常使いできるナチュラルなメイクと、メイクをすることのシンプルな喜びを教えてくれる、ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。彼女でなくては、と指名する女優やモデルも数多い。日々撮影を抱え、スケジュールに追われる中でも新しいコスメアイテムの探求にも余念がない(その様子は彼女のインスタグラムでもおなじみ)。仕事にいつも真摯に取り組む一方で、草場さんは家族を愛するひとりの母でもある。
ランドセルブランド〈+CEL〉と一緒に子どもに受け継ぎたいものを訊くインタビュー企画。今回は、今、中学1年生だという娘さんに草場さんが受け継ぎたいものについて、そして草場さんの子育てに対する今の気持ちを訊く。

ヘアメイクアップアーティスト・草葉妙子さん 仕事

仕事も、子育ても、自然の流れに身を任せてきた。

――草場さんは26歳で独立。妊娠・出産は31歳の時。キャリアとしては5年目で一旦、仕事をお休みするというのは、不安はなかったですか?

「そうですね。当時は抱えていた仕事の本数も多かったですから。それを一旦、手放すことになるわけで、不安や焦りはあったと思います。でも、私はいつもその時その時の置かれた状況で、できる範囲をやっていこうと考える性格なんです。何事も計画的にできたらいいのかもしれないのですが、計画しようとすると自分の臆病だったり、心配性だったりする面が顔を出して、一生前に進めない気がします。だったら、子育ても、仕事も、自然の流れに身を任せて、その時々で自分ができることをやればいいのでは、と。そうやって、子どものことと仕事のバランスを考えるようになっていったと思います」

――今、お子さんは中学1年生。子育てと仕事、ライフワークバランスの取り方はどれくらいでいい塩梅だな、と思うようになりましたか?

「実を言えば、まだよくわかりません(笑)。出産するまで、ずっと仕事が好きでやり甲斐を感じてやっていたので、産後も仕事にはちゃんと復帰したいと考えるようになりました。私は運良く6ヶ月で保育園に入れたので徐々に仕事を増やしていって。仕事と家庭のこと、その両方がある方が自分の中でバランスがとりやすいと思う一方で、でも、どうしても偏ってしまう難しさもあります。ただ、ここ3、4年はその中でも、ちょっとしっくりきたかなというのはあります。思い切って、土日は仕事を入れないとルールを決めたんです。私は、フリーランスで仕事をしていて、しかもヘアメイクという職種。曜日関係なく依頼は入ります。それを土日は、家族の時間だからそちらを優先しようと決めたんです。そうしたら、すごく楽になれた。平日は仕事をしっかりがんばろうと思えるし、土日は家族とコミュニケーションをきちんととれる。そのバランスが今は、ちょうどいいのかもしれない、と思っています」

〈+CEL〉のランドセルと。娘さんは赤いランドセルを即決で選んだそう。
〈+CEL〉のランドセルと。娘さんは赤いランドセルを即決で選んだそう。

思春期だからこそ、距離を開けたくないと思った。

――土日はどのように過ごされているんですか?

「海に行こうとか、山に行こうとか、わざわざどこか遠出するとか、そういうのはなくて、どうってことはしてないんです(笑)。うちの子は、本が好きだから、一緒に本を買いに本屋さんへいくとか、近くの喫茶店でお茶をするとか。本当に、そんななんでもないことを家族でしています。でも、そういう時間が大切なのかも、と子どもが大きくなったからこそ逆に感じているんです。だんだんと小学校も高学年になってくるとなんでもできるようになります。うちの子は、自分のことは率先して自分でやるタイプで、一人で留守番をしていても何も問題はない。だから、ここで仕事の比重を大きくしてもよかった。その選択もあったかもしれないんですけれど、でも、そういう体も心も成長する時期思春期だからこそ、たとえ手が離れても、子どもとの距離を開けたくない、目を配っていたいという気持ちが、私の中で強くなったんです。それで土日は一緒にいようと決めた。私と夫がお茶をしながら話をして、娘はその隣で本を読んでいるだけ。それだけなんですけれど、そういう、なんでもない時間が今はいちばん必要かなと思っています」

――草場さん、ご自身の時間についてはどう考えていますか? 仕事とも家庭とも離れた自分の時間は必要ないでしょうか?

「そうですね。私ひとりでオフの時間にしたいことって実はそんなになくて。家族と過ごすことがいちばんなんです。私は仕事と家でいるときのオンとオフの差がけっこう激しいタイプ(笑)。私をしっかりオフモードにさせてくれる家族にありがたいと思っているので、家族といる時間が、私の時間なのだと思います。あ、ただ今度新しくはじめようと思っていることがあって、それはまた違った私の自分のための時間となるかもしれません。この秋、都内にメイクアップサロンをはじめる予定なんです」

――それは、どんなサロンなんですか?

「メイクはとてもパーソナルなもので、ひとりひとりに合わせて提案することが大事です。これまでも雑誌などさまざまなメディアで、メイクのアイデアや化粧品について紹介する機会はたくさんあったのですが、それをもう一歩踏み込んで、その人ごとに合わせた提案やメイクの仕方のコツをご紹介できたら、と思いました。新しい自分の発信の場所になっていけたらいいなと思っています。このサロンをはじめようかな、と思えたのも娘が成長したからなんですよ。さきほど、土日は家族の時間と話しましたが、娘が中学生になり、部活をはじめたので、土日の日中はほとんど家にいない。それなら、家族の時間は夜、彼女が帰ってきてから持てばいいから、と、このサロンの計画を進めました」

草場さん愛用のメイクボックス。ファンデーションやリップなど外箱をそのまま利用し、整然と収納。箱が定位置となるから見失う心配もない。
草場さん愛用のメイクボックス。ファンデーションやリップなど外箱をそのまま利用し、整然と収納。箱が定位置となるから見失う心配もない。

道具をどう扱うといいのか、を教えたい。

――冒頭で草場さんのおっしゃっていた、流れに身を任せるというスタンスが活きている感じがしますね。成長過程の子どもはもちろん、家族それぞれライフステージは変化するもの。それに寄り添って自分自身の考え方や環境もいい方向に変化していけたらいいですよね。

「我が家にルールがないのも、そういうことなのかもしれません。どんどん変わっていくので、厳しいルールを設けてもあまり意味がない。変わっていくことは当たり前と思うことのほうが大事かなと思います。もちろん、私も細かい性格なので、こういうことはダメだよ、というのは都度、言っていますが」

その日使ったブラシは洗って1本ずつ干す。道具を大事にすることがメイクを楽しむ基本にあるといいと教えてくれた。
その日使ったブラシは洗って1本ずつ干す。道具を大事にすることがメイクを楽しむ基本にあるといいと教えてくれた。

――本当に、子どもの成長は早いものです。その中で、今、草場さんが娘さんに受け継ぎたいと思っていることはどんなものなのでしょうか?

「私の仕事がヘアメイクなので、やはりそれにまつわることを受け継げたらと思っています。まだ、中学生でメイクに関心はそんなに持っていないのですが。とはいっても、メイクはその時々の流行もありますし、友達同士でドラッグストアなんかに買いに行って、これを一緒に使ってみようとか自分たちでみつけていく楽しさもあると思います。だから、そういうことは自由にやってほしい。私が彼女に伝えられるかな、と思っているのは道具の使い方。もっと言えば道具のケアの仕方ですね。化粧品は心をときめかすものであると同時に衛生品であるという意識もきちんと持ってほしい。長く大切にするためには、清潔に保つコツを知っておくといい。そういう物を大事に扱うことの基本を教えてあげられたらと思っています」

後編では、草場さんが娘さんに教えたいと思っている道具のケアの仕方とはどんなものなのか。そして〈+CEL〉のランドセルと、娘さんの小学生時代のランドセル選びの思い出についても教えてもらいます。

photo:Norio Kidera text & edit:Kana Umehara

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