第65回　チュートリアル福田充徳の「はじめてパパのなんでも〈新発見〉！」 【チュートリアル福田の育児エッセイ・65】息子はうーたん、パパはワンワン役でいつもお人形遊びをしています。

息子は家で遊ぶのも大好きです。今、ブームなのは人形遊びですね。NHKのEテレ『いないいないばあっ！』のワンワンが大好きで、いつもその人形を持っています。

それで「こんにちは」「ワンワンは何歳ですか？」「2歳です」と会話をしています。……でも、まあ、会話はもう基本、これで終わり。この先とくに人形遊びは物語が発展しません。

「ここのとこ天気、ぐずってますねえ」「いつになったらコロナ落ち着くんですかねえ」とか話せたら、こっちも会話ができて面白いんですけど。続いたところで「好きな食べ物はなんですか？」「めんめんです！」くらいなものです。

『いないいないばあっ！』の中では、うーたんも大好きなので、だったら、一緒に遊べるようにうーたんの人形も買って帰ったら、とても喜んでくれました。

それまで「僕のワンワン」と言って大事に抱きしめていたのに、うーたんを手に入れた途端、ワンワンを僕に渡して「僕のうーたん！　パパのワンワン！」ってなってしまった。「ちょ、お前、あれだけ“僕の”って言ってたワンワンの立場は？」とちょっとかわいそうになりました。

ところが、そんなお気に入りで寝るときも一緒だった、うーたん人形をうっかり失くしてしまったんです！

出かけた先や車の中など、くまなく探したのですがどこにもいない。まあ、これだけ探していないならしゃーないか、と思いましたが、息子はすごく悲しそうにしている。仕方ないので、新品のニューうーたんを買ってきて「はい、うーたん見つかったよ！」と渡してあげたんです。

でも、不思議なもので、新しいものを買ったら、もともといたうーたんが、ひょっこり出てきた。息子の乗れる機関車おもちゃのシートの中に入っていたんです。息子はあれ？　という感じ。僕としても「あの“見つかった”ってくだりどうなるねん。辻褄あわなくなるやんけ！」と思いましたが、当の本人はそんな親の辻褄などどうでもいいみたいで「わーい！　うーたんがいっぱい！」と素直に喜んでいました。

まあ、終わりよければすべてよしです。３体目を買うことにならないよう、今のうーたんたちを失くさないようにしたいですね。