発酵と、大豆と、わたし。 5/13〜5/19 なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。大家族で納豆を囲む時代から、匂いの少ない納豆が求められる時代へ。
納豆をこよなく愛する23歳「なっとう娘」が送る、納豆のビジュアル、香り、テイストについてコメントしつつ、魅力を語っているコラムです。(あくまでも個人の感想です)日々ライブ配信にて紹介している色とりどりな納豆たちがずらり!身近な存在だけど実は奥が深い納豆の世界へ、あなたも誘われちゃうかも!?ぜひご覧くださいませ!
このコラムでは、毎日の配信で食べている納豆1週間分を3つの評価軸をMAXの数値を5として、私の主観で評価させていただいています。あくまでも、その納豆の特徴を表すための数値なので、数値の高い低いに優劣はありません!ご自身の好みに合った納豆探しの参考にしてみてくださいね。
〈3つの評価軸〉
・ねばり(弱い 1↔5 強い)
・納豆のかおり(控えめ 1↔5 濃厚)
・豆のかたさ(柔らかい 1↔5 固い)
上記3つの評価のほかに、各納豆に関する情報と感想として「なっとう娘メモ」を添え、私の思う納豆の魅力を余すことなくお伝えさせていただきます。みなさんと多種多様な納豆の世界を共有できたら嬉しいなと思いコラムという形で発信をはじめましたので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです!
それではレッツ「ねばログ」!
▽1週間分の納豆配信まとめ動画も公開中!▽
1.納豆に埋もれたいあなたへ。「使い方いろいろ 小粒国産丸大豆」/〈株式会社保谷納豆〉
●ねばり 1.1/5.0
●納豆のかおり 3.4/5.0
●豆のかたさ 3.3/5.0
私は、スーパー〈ヤオコー〉にて一人息を呑んでいた。きっと人類が初めて、大きなプリン作りに成功しその姿を見たときと同じくらいの感動が私の身体中を駆け巡っていたからだ。
そうか、なにも40-50gのパックまたは、80gほどの藁苞納豆に縛られる必要はないのか。とまるである種の固定概念を打ち破られた気持ちだった。嬉々として大振りなパックを手に取り、その重さをしっかりと自分の腕の筋肉が感じ取る。そうか、こんなにも納豆の重量を一つのパックから感じ取っていいのか…まるでお菓子好きの子がお菓子の国への招待状を頂いてしまったかのようなワクワク感に包まれた。
いざ帰宅し、納豆を食す。その大振りなパックいっぱいいっぱいに豆たちが敷き詰められているではないか…「夢じゃなかった。」そう心の中でつぶやいた。今までにないダイナミックさを発揮し、パックの中の納豆を混ぜていく。細い糸のように白糸を引き、底まで粘りは強くない。タレは付いていないので、マイ納豆ダレを使い、更に混ぜ進めていく。粘りが底まで強くないため、すするようにして口いっぱいいっぱいに納豆を頬張る。何たる幸福感…!
つい調子に乗り、食道が開いて痛みを感じるほどの勢いで食べてしまった。(よくかぼちゃを勢いよく食べたらなるやつ)普段のパックサイズだと大体2口ほどで終わる事が多い私だが、この納豆は口の中の納豆率が150%に達しようとしている大口でも、4−5口は楽しむことができる。豆の味は若干独特のえぐみを感じるが、納豆好きの私としては、こういった個性ある味わいある納豆が好きだ。
私のように納豆まみれになる楽しみ方はもちろん、納豆パーティーに、お弁当に(with白米)、プチご褒美に、大家族の食卓に(きっとこれが一番メジャーな消費のされ方だろう)おすすめの納豆である。ぜひメガ納豆をご賞味あれ。
2.藁苞とは納豆界のファッション?「水戸天狗納豆」/〈株式会社笹沼五郎商店〉
●ねばり 1.1/5.0
●納豆のかおり 3.8/5.0
●豆のかたさ 4.0/5.0
藁納豆は、見ただけで心のテンションが+3になる。この視覚効果は我ながらすごいと思っているし、きっと藁自体もじかくがあると思う。
一度同じ会社のパックと藁の納豆を食べ比べてみたことがあるのだが、以外にもパックの納豆のほうが、豆の香りや粘りの味を感じることができ、「”納豆”を楽しむのなら、パック。」という持論を持っている。(何を持って”納豆”というのかはあくまでの主観での話だが。)
この天狗納豆の藁苞納豆は、いい意味で藁の匂いが強すぎず、豆の香りも楽しむことができた。藁から混ぜるための容器に移す際、少し乾燥した藁苞納豆特有の納豆たちが乾いた音をたてて、器の中で跳ねる。それから、細い粘り気に牛色紙を惹かれるようにゆっくりと納豆が器へと入っていく。
箸でかき混ぜ始めると、粘り気はサラサラとしており、いともほほく華奢である。豆は全体的に歯ごたえがありすこしだけ固めである。パック納豆が主流とされている今日、藁苞納豆はある種の文化財と言っても過言ではないだろう。
3.プリプリっとしたイクラ納豆。「超熟あじわい 極小粒納豆」/〈金砂郷食品株式会社〉
●ねばり 1.2/5.0
●納豆のかおり 3.2/5.0
●豆のかたさ 3.4/5.0
パッケージが四季によって変わると言われている風情ある納豆。パックの作りもとてもしっかりしていて、とても混ぜやすい。外装からのこだわりに登喜和食品さんの溢れんばかりの愛を感じる。
前混ぜ(タレを入れる前に納豆をかき混ぜること)をすると、ぐっぐっと力を入れて納豆菌の強さを感じる粘りを、筋肉とともに楽しむ。
後混ぜ(タレを入れた後の混ぜ)の際には、ふわふわ感を帯びつつもかつての粘りの強さをどこかに感じさせるような、2面の顔を持つ粘りになる。
頬張ると口の中で感じるのは、ふわふわっと焼いたマシュマロのような感触。そのシュワッと粘りの気泡が弾けていくとともに、かつおだしの香りが鼻孔を駆け上り、すぅーっと抜けていくのがわかる。豆の硬さも主張が強すぎずほどよい、白米に合いそうな一品。強すぎず食べやすいため、思わぬギャップにキュンとする納豆。
4.納豆菌の香りに誘われて。「ひきわり」/〈株式会社菅谷食品〉
●ねばり 4.7/5.0
●納豆のかおり 4.4/5.0
●豆のかたさ 3.2/5.0
カップに入っているひきわりというのは、なかなか見ないものである。実家にいた時は、納豆といえばひきわり。というくらいひきわり納豆を愛しており、冷蔵庫には常にひきわり納豆が5-8パックはあったと思う。
カップを開封すると、少し大きめに引き割られた納豆たちが出迎えてくれる。かき混ぜると、粘り気がこれでもかと豆を覆い込むと同時に、食欲をそそる香りを立てる。これがまた、たまらないのだ。食べ終えて執筆をしている今ですら、想像しただけで胃液が踊り出しそうだ。
口に含むと、ひきわり納豆ならではの、芳香な香りが口中に広がったのち、嗅覚という嗅覚を刺激しながら、鼻を抜けていく。この感じが私はたまらなく大好きだ。この香りだけでご飯は軽く一杯いける。ひきわり納豆派のそこのあなたにも、食べていただきたい一品である。
5.生涯推していきたい納豆。「えだまめ納豆」/〈有限会社加藤敬太郎商店〉
●ねばり 1.1/5.0
●納豆のかおり 3.6/5.0
●豆のかたさ 4.0/5.0
「こちら枝豆。どうも俺たちは、塩ゆでで居酒屋に並ぶ運命ではなく、納豆菌という菌とともに発酵し、納豆という商品になるらしい。エリートの行く道なのか、はたまたそうでないのかは不明だが、レールに敷かれた道を外れてみるのもいいかもな、いっちょ本気だすか。」
そんな風に語りかけてくるようだ。私は今、目を閉じて枝豆一粒一粒を感じながら枝豆納豆と会話をしている。
開封前からなんとなくは気づいていた。若干緑がかった枝豆の納豆。食べる前から明らかに普段の納豆との違いがわかり開封の手は早まると同時に期待は膨らみ、テンションは上がる。
口にして咀嚼すると同時に広がる枝豆感は納豆になるべくして生まれてきた枝豆だと、期待から確信に変えてくれる。噛み進めていくと、所々枝豆の少しコリっとした感じを残してくれているため食感も最高に楽しめる。タレは味が強すぎず、だし感を感じる。さすが、枝豆と言わんばかりの味わいで塩との相性も有無を言わさないほど抜群である。使用した塩はモロヘイヤ入りの納豆塩。酒のおつまみにも大の推し納豆である。
枝豆納豆がひきわり納豆レベルでもっとメジャーになってほしいと切に願う、これからの納豆人生にかけて沢山の人に勧めていこう。
6.醤油派のあなたにストレートソイソース納豆。「北海道産小粒納豆」/〈笹沼五郎商店〉
●ねばり0.8/5.0
●納豆のかおり 3.4/5.0
●豆のかたさ 2.4/5.0
今週、藁苞納豆でもお世話になった〈天狗納豆〉さんの「小粒納豆」のカップである。こちらの納豆の容器、素材が紙とプラスチックのような感触で、カップの底がボコボコになっておりサッカーのスパイクのようすごい複雑な形状になっている。
タレは塩気が強く、白米の恋しさがひとしお強くなる。豆が少しシャリっとする。(少し冷蔵庫に置きすぎたか…?笑)ここまで醤油の味がしっかり感じるなと思うなかなかないと思った矢先、パッケージに醤油の情報があったことを思い出す。
醤油はこだわりの醤油「杉桶仕込みヨネビシ醤油」を使用している。これは、TKGとコラボさせても間違いなく絶品NTGになるだろう。白米と納豆でよく食べる方にお勧めの納豆。
7.葛藤と革新、納豆の現代ニーズに触れる。「におわなっとう」/〈株式会社ミツカン〉
●ねばり 4.7/5.0
●納豆のかおり 2.0/5.0
●豆のかたさ 3.6/5.0
むむむ…臭わないとは…葛藤が私の胸の中を埋め尽くしていく。たくさんの人に食べてほしいと言う気持ちと、納豆の醍醐味である匂いがしないのか…と言う複雑な気持ちだ。
今回は前者の意見を自分に言い聞かせた上で楽しむことにしようと思う。ラベルを外すと、〈ミツカン〉さんの得意とするパキッと蓋を半分に織り込むことでたれを投入できる仕掛けが姿を現す。確かに豆だけ香ってもそんなに香りがなく、「これがにおわなっとうか…」とツバを飲む。
パキッと割れる爽快な音とは裏腹に、タレはトロっと豆の上をなでていく様子を見届け、いざ箸で混ぜあげていく。タレの力何のだろうか、伸縮性のある粘りで、あの納豆の香りのなさからは想像できないほど、粘りが突如現れてきた。ゴムのように伸縮性のある粘りは、早く食べたい気持ちをはやらせる。
一口くちにすると、ふわふわねばねばと、粘りを食べている感覚に陥るほど食べごたえ、弾力のある粘りを感じる。豆を噛み勧めても、そこまで口の中に納豆の香りが残らない…たしかにこれはすごい技術の発展なのかもしれない。
栄養価や本当に苦手な方の満足度など気になることも食べながらたくさん出てきた納豆だった。いつかミツカンの方にお伺いさせていただこう。癖の強い納豆という食材を現代のニーズに合わせた、食文化の最先端を垣間見た気がする納豆だった。100年後の納豆はどんな形なのだろうか…
●前回の記事「5/6〜5/12『北海道大豆』に魅せられて。」は こちら!
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