京都といったら抹茶! 気鋭の日本茶スタンド〈YUGEN〉で、こだわりの一杯を。【京都・仏光寺】
2020年が近いからなのだろうか、世界のカルチャーシーンは大きく日本を向いています。中でも日本茶はその効果はもちろん、新しい楽しみ方で可能性をどんどん広げています。Hanako『やっぱり私は、お茶が好き。』「日本茶の新しいカタチ。」より、京都・仏光寺の日本茶専門店〈YUGEN〉をご紹介。
抹茶の伝道師を目指し伝統をリデザインする。
京都にとって抹茶は街を代表するアイコンのひとつ。
「子供の頃から好きで、家で気軽に抹茶を点たてて飲んでたんです。ところが大人になって周りに話すと抹茶を飲んだことがない人も多くて」と振り返るのは〈YUGEN〉代表の須藤惟行さん。「茶農家さんに聞くとお菓子用抹茶の生産量は増えていても、京都で伝統的に作られている抹茶は伸び悩んでいると。後継者不足も問題。おいしい抹茶が消えてしまうのは寂しかった」。その想いが須藤さんを動かし、〈YUGEN〉をオープンさせることになったのだ。
主役の日本茶を際立たせる抑えた色とデザインと。
築年数不詳の町家をミニマムな空間へとリノベーション。
碗を選ぶのもまた、抹茶の楽しみのひとつ。
抹茶は京都・城陽で150年続く老舗〈碧翠園〉と作るオリジナルブレンド。抹茶碗を選ぶという楽しみも加え、飲むだけではない抹茶のあり方を提案する。
抹茶&煎茶は京都ならではの和菓子と共に味わいたい。
ラテのほうじ茶も上質の茶葉を浅めに焙じ、抹茶と同じく石臼でひくことで香り高いものを作り上げた。日本茶は京都・和束産のかぶせ煎茶など4種類。注文ごとに目の前で淹れ、一杯一杯を仕上げる。
「お客さんが店を出て行くときに、ありがとうと声をかけてくれる人が多いのが驚きでもあり、うれしくもある」という須藤さんの言葉に、試みの成功が感じられるスタンドだ。
オリジナルの抹茶や、日本の伝統工芸品も販売。
抹茶はランクの異なる4種類が用意されており、店で飲むことができるのは#1~#3。YUGEN MATCHA #030g 700円、#1 30g 1,100円、#2 30g2,200円、#3 30g 3,850円。このほか、有田焼の食器や錫製の酒器などモダンに再構築された伝統産業のものもセレクトされ購入可能。
〈YUGEN〉/仏光寺麩屋町
2018年7月オープン。カジュアルでありながらも、扱う日本茶は最高品質のものをという店主の須藤さんの情熱が詰まったスタンド。日本語にしかない言葉で表現したかったと、趣が深くてはかりしれないという意味を持つ「幽玄」を店名に。
■京都府京都市下京区大黒町266-2
■075-606-5062
■11:00~19:00 不定休
■3席、ほかスタンディングあり/禁煙
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(Hanako1170号掲載/photo : Yoshiko Watanabe text : Mako Yamato)