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江戸時代の宇治金時が復活! 8/26まで!最高級抹茶を振りかけた、二子玉川〈花冠陽明庵〉の幻のかき氷とは?
夏の風物詩といったらかき氷。江戸時代、宮中で愛された宇治金時を再現した幻の逸品とは?二子玉川〈花冠陽明庵〉で夏季の土日のみ提供される、最高級抹茶を振りかけた宇治金時を、Hanako『ひんやりスイーツと夏の男。』「時代を超えて完全復活!幻のかき氷を味わいに。」よりお届けします。
夏の風物詩として愛された、唯一無二のかき氷が蘇る。
「かき氷の歴史は古く、平安中期、清少納言の『枕草子』に、〝削り氷にあまづら入れて〞と、甘味料をかけた氷が食されていたことが記されています。製氷技術のない時代、氷は大変貴重なもの。氷室で作られた氷は、宮中に献上され、夏の風物詩として親しまれていました。豊臣秀吉の時代には、抹茶をかけて食べられるようになり、江戸になると、甘党の徳川家康のためにあんこが添えられました。これが宇治金時の始まりです」と、〈花冠陽明庵〉主人で、作家の松本栄文さん。
古い文献を参考に、かき氷の歴史をひもといた松本さんは、抹茶シロップをかけたハイカラなものではなく、抹茶を振りかけた、江戸時代の宇治金時を復活させた。
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そして今、紹介制の日本料理店として注目を集める〈花冠陽明庵〉では、姉妹店〈茶屋花冠本店〉(千葉県香取市佐原)の名物「宇治金時の御氷」を夏季限定で土日昼のみ提供している。
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天然氷に近い製氷技術で約60時間かけて凍らせた氷を削り、きび砂糖をかける。
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氷が見えなくなるくらいたっぷりと使う抹茶は、宇治茶の最高峰に君臨する徳川将軍家御用達で御禁裏御物茶師の〈三星園上林三入本店〉(天正年間1573~91年創業)の最高級抹茶「初むかし」。
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北海道産小豆をさらし餡にした後、別の小豆煮汁にて手間ひまかけて三度炊きすることで、小豆本来のコクと風味が生きている。
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抹茶に自信があるからこそ提供できる「宇治金時の御氷」1,200円。抹茶シロップをかけたかき氷とは一線を画す逸品。
「抹茶は苦い、渋いと思われがちですが最高級品は華やかな香りと柔らかな甘みがあり、これが味の決め手」とスタッフの齋藤侑里さん。
宮中で愛された本物の宇治金時。歴史に思いを馳せながら味わって。
〈花冠陽明庵〉
全席予約制。夏季の土日のみ営業。今年は8月26日まで。
■東京都世田谷区玉川3-13-5 川原ビル203号室
■090-2402-0011
■10:30~17:30LO 月~金休
■10席/禁煙
Hanako『ひんやりスイーツと夏の男。』特集では、かき氷を多数ご紹介しています。
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(Hanako1162号掲載/photo : Kayoko Aoki text : Emi Suzuki cooperation : Ai Saito)