時代を読み、キャラクターのリバイバルに成功! 〈サンリオ〉ライセンス営業・星野希さんに学ぶ、「自分を信じる強さ」とは?
企業で自分らしく働く女性にフォーカス!今回は〈サンリオ〉ライセンス営業・星野希さんをご紹介。キャラクターのリバイバルに成功した彼女から学ぶ、「自分を信じる強さ」を持つこととは?
星野希/休日は同じ職場の人と旅行やゴルフに行き、気分転換をしているそう。でも、「プライベートでも、キャラクターグッズを見つけると製造メーカーや値段が気になってしまいます。職業病ですね」。
「ハローキティ」をはじめとするキャラクターで女子の心をつかみ続けるサンリオに、新卒で入社した星野希さん。ライセンス事業本部に所属し、キャラクターを使った商品を他社に作ってもらうための営業をしている。
「まさに、現在、担当しているライセンス事業という職種を希望して入りました。学生時代にハリウッド映画のプロモーションを手伝ったことをきっかけに、プロモーションや強いコンテンツの販売に興味を持ったんです。そこからさらに調べていくうち、キャラクタービジネスにもライセンス事業があるということを知って、今の会社を選びました」
一番長く携わっていたキャラクターが、「ポムポムプリン」。
「もともと、『けろけろけろっぴ』や『バッドばつ丸』のような、ユニセックスなキャラクターが好きなこともあり、個人的にプリンくんもいいなと思っていたんです。毎年『サンリオキャラクター大賞』という、好きなキャラクターをファンに投票してもらうイベントがあるのですが、そこでもプリンくんは常に上位に入っている。にもかかわらず、当時はグッズがあまり作られていなかった。これはもう、私がどうにかしたいと思いました。でも、誕生してからしばらく経つキャラクターをあらためて営業することは、実は難しかった。まず、サンリオのキャラがたくさんいる中で、なぜ今、プリンくんなのか。そして今、どう売っていくのかを戦略的に考えます。社内の上層部や流通の取引先に説明し、納得してもらわなければいけません。それが大変でした。まずはプリンくんの商品を作って売り場に置いてもらい、〝これだけ売れていますよ〞と実績を見てもらったこともあります。苦労もありましたが、マーケティング部やキャラクターのデザイナーの方と協力したりと、周りと連携が取れた、楽しい仕事でした」
同じライセンス事業本部の先輩である藤田知美さんは、「そんな星野さんの努力が実って、これまでは『サンリオキャラクター大賞』で5位くらいだったプリンくんが、3位以内に入るようになりました。1位に選ばれたこともあるんです。本当にすごいと思います!」と絶賛する。
「そのときは驚いたし、本当にうれしかったですね。人気が出るにはそのときの空気感とマッチすることが大事。1996年に誕生したプリンくんに、改めて営業をかけたのは5年前。その時代にプリンくんのラブリー過ぎない持ち味がはまったのだと思います。なので、今、売れているものや人気のあるデザインをリサーチするために、アミューズメントパークや雑貨店にも行きます」
自分の経験とカンを信じて新しい仕事に挑戦したい。
この春から、「ハローキティ」や「マイメロディ」など、定番のキャラクターを扱う部署に移ったそう。
「これまでは〝このキャラクターをご存じですか?〞というところから営業が始まっていましたが、今後は誰もが当たり前のように知っているキャラクターを担当します。新しい要素を加えたり、今のニーズに合った売り場やデザインを提案するなど、ゼロベースからのスタートとは違う売り込みをする必要があるのですが、とても楽しみです。これからもいろいろなターニングポイントがあると思いますが、自分のカンを信じ、やりたいことを選んでいきたいです」
ほかの人と差をつけるアイデア
①レスポンスはとにかく早く!一言だけでも返します。
営業として意識的にやっているのが、メールをできるだけ早く返信すること。「一番大切なことは、取引先をはじめとする相手を不安にさせないことだと思っているので、来たらすぐに返します。すぐに返信ができないときは、“後で返します”と一言、連絡を入れる。信用してもらえる営業になるためには不可欠ですね。でも、社内で一緒に仕事をしている人にも同じことをしています」
②担当しているキャラを見てエネルギーをチャージ!
デスク周りには、「ポムポムプリン」や「マイメロディ」など営業を担当しているキャラクターのぬいぐるみが。「かわいい姿を見たり、触ったりすると癒されるし、“この子たちと頑張ろう!”とやる気がわきます」
③推しキャラのグッズを使い営業相手に訴求します。
ボールペンやノートなどのステーショナリーは、自社のアイテムを愛用。「今、売り出したいと思っているキャラクターのものを使います。営業の相手に魅力を訴求できるし、会話のきっかけとしても活躍します」
(Hanako1159号掲載/photo : Mariko Tosa text : Aya Shigenobu)