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〈ファーマーズテーブル〉石川博子さんに教わる
おいしいコーヒーを、 徹底的にシンプルに入れるヒント。
コーヒーがある暮らしを“自己流に”楽しんでいる〈ファーマーズテーブル〉の石川博子さんが、おいしいコーヒーの淹れ方と愛用グッズをご紹介。手軽で簡単にコーヒーを楽しむヒントがいっぱい!
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東京・恵比寿で雑貨店〈ファーマーズテーブル〉を営む石川博子さんは、出勤後にコーヒーを淹れるのが日課。
「お店に着いたらまずお湯を沸かします。朝のコーヒーは、一日のスタートのスイッチになります。お店が始まると、時間があっという間に過ぎていくので、開店3時間前に出勤して、自分のためだけにゆっくり淹れる。このリラックスできる時間があるから、毎日頑張れています」
石川さんが30年以上愛用しているのが、アメリカのブランド〈ケメックス〉のコーヒーメーカー。以前は日本で取り扱いがなかったため、輸入総代理店をしていたことも。
「お店を始めて間もなくして、夫がニューヨークに1年滞在することになり、私もNYと東京を行き来していました。ふたりともコーヒーが好きだから、アパートで淹れるコーヒーの道具を探していたら、〈ケメックス〉と出合いました。デザイン性に一目惚れして購入したのですが、実際にこれで淹れると、雑味がなくクリアな味わいに仕上がるので、今でもコーヒーは〈ケメックス〉一択!」
石川さんの淹れ方はごくシンプル。おいしいコーヒーを淹れるなら、自分の好みに合った焙煎度合いの豆を選び、飲み心地の良い濃さになるように挽き方を変えることが大事だとか。
「味覚は人それぞれなので、基本的に自分の負担にならないように、気楽に楽しむといいと思うんです。ただひとつ守っておきたいのが、粉の量と湯量を一定に保つこと。濃いコーヒーが飲みたいからといって粉の量を増やしても、ただ渋くなるだけ。だったら豆の挽き方を変えて、濃く苦めの味わいにしたいなら細かく、薄く軽めの味わいにしたいなら粗めに挽く。規定の粉の量と湯量を守って淹れれば、誰でもおいしいコーヒーが簡単に楽しめると思います」
工程はシンプルに4つだけ
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ペーパーフィルターを湯通しする「リンス」をして、紙の匂いを取る。「アツアツを長く飲むために、マグにも熱湯を注ぎ温めておきます」(石川さん、以下同) STEP #1 フィルターをリンスする。
ペーパーフィルターを湯通しする「リンス」をして、紙の匂いを取る。「アツアツを長く飲むために、マグにも熱湯を注ぎ温めておきます」(石川さん、以下同)"
ペーパーフィルターを湯通しする「リンス」をして、紙の匂いを取る。「アツアツを長く飲むために、マグにも熱湯を注ぎ温めておきます」(石川さん、以下同)
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「コーヒー専用の計量スプーンを使えば、量る手間が省けてラク」。メーカーによって1杯8~12gと幅があるので、すり切りから淹れて、自分好みに調整を。 STEP #2 粉を入れる。
「コーヒー専用の計量スプーンを使えば、量る手間が省けてラク」。メーカーによって1杯8~12gと幅があるので、すり切りから淹れて、自分好みに調整を。"
「コーヒー専用の計量スプーンを使えば、量る手間が省けてラク」。メーカーによって1杯8~12gと幅があるので、すり切りから淹れて、自分好みに調整を。
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コーヒーの成分をムラなく抽出するために行う作業。湿らすことで粉に含まれる炭酸ガスを放出。「粉全体に均一に少量のお湯を注いで、数十秒待ちます」 STEP #3 粉を蒸らす。
コーヒーの成分をムラなく抽出するために行う作業。湿らすことで粉に含まれる炭酸ガスを放出。「粉全体に均一に少量のお湯を注いで、数十秒待ちます」"
コーヒーの成分をムラなく抽出するために行う作業。湿らすことで粉に含まれる炭酸ガスを放出。「粉全体に均一に少量のお湯を注いで、数十秒待ちます」
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「回しながら淹れることで、粉全体にお湯を行き渡らせることができます」。お湯をゆっくり長く注ぐことで、コーヒーのおいしさを余すことなく抽出できる。 STEP #4 ドリップする。
「回しながら淹れることで、粉全体にお湯を行き渡らせることができます」。お湯をゆっくり長く注ぐことで、コーヒーのおいしさを余すことなく抽出できる。"
「回しながら淹れることで、粉全体にお湯を行き渡らせることができます」。お湯をゆっくり長く注ぐことで、コーヒーのおいしさを余すことなく抽出できる。