日本茶の世界で注目を集める、在来茶・ブレンドティー・和紅茶をチェック!
【和紅茶】編
日本茶の世界で今注目を集めるのが、在来茶、ブレンドティー、和紅茶のムーブメント。普段なにげなく飲んでいるお茶の価値観をアップデートする3タイプをチェック!
教えてくれたのは
Q.和紅茶とは?
A.日本で栽培・製造された紅茶の総称。地紅茶とも
生産者たちの地道な努力によって20年ほど前から少しずつ注目され始めた和紅茶。ここ数年は品質とおいしさがさらに進化。品評会で数多く受賞するなど、海外でも「Wa-kocha」として人気の存在に!
Q.和紅茶はいつから作られているんですか?
A.1875年、「日本紅茶の祖」である多田元吉さんがインドに派遣され、アッサム地方から種子と製法を持ち帰ったことで本格的な製造が始まりました。その後、順調に生産量を伸ばしましたが、1971年の紅茶輸入自由化を機に海外の安価な紅茶が普及し、和紅茶は衰退。そして近年、品質向上に伴い再び脚光を浴びています。
Q.紅茶の説明で見かける「ボディ感」とはなんですか?
A.ボディ感が表すのは紅茶を口にした時に感じる重量感や強さ。しっかり渋みがあって芳醇で、ワインレッドのような色をした飲みごたえのある紅茶は「フルボディ」と呼ばれ、ミルクティーにも向きます。スッキリした軽やかな味わいが好みなら、ミディアムボディかライトボディを選んでみて。
Q.海外紅茶との違いを教えてください。
A.基本の製造工程は同じですが、緑茶が盛んな日本は茶樹の種類が豊富なこと、生産する地域で気候の差があること、作り手により細かな製法が異なることから、多彩な香味の紅茶が生まれます。日本の軟水に合う加工がされ、比較的どれもマイルドな味。日本人の味覚になじみやすいのも特徴です。
Q.「ファーストフラッシュ」「セカンドフラッシュ」って?
A.その年最初の新芽で作った紅茶がファーストフラッシュ。春摘みとも呼ばれて爽快な香味になりやすく、夏摘みのセカンドフラッシュはボディ感の強い紅茶らしい味と香りになる傾向が。通常、春摘みは緑茶に加工されることが多いため、春摘み紅茶は茶園が紅茶づくりに注力している目安にも。
Q.海外紅茶との違いを教えてください。
A.基本の製造工程は同じですが、緑茶が盛んな日本は茶樹の種類が豊富なこと、生産する地域で気候の差があること、作り手により細かな製法が異なることから、多彩な香味の紅茶が生まれます。日本の軟水に合う加工がされ、比較的どれもマイルドな味。日本人の味覚になじみやすいのも特徴です。
Q.おもな産地や品種が知りたいです。
A.静岡や埼玉ほか、最近は九州地方や近畿地方でも生産が盛んになり、紅茶を作る茶園は全国で約800カ所に上ります。品種は紅茶用の「べにふうき」「べにひかり」、緑茶用の「やぶきた」「おくみどり」「あさつゆ」など、名前のついたものだけで約120種類。さらに在来種の紅茶も作られています。
Q.どうやって製造するのですか?
A.茶葉の水分を陰干しや送風で蒸発させる「萎凋」を行い、茶葉をもんでねじる「揉捻」の後、「酸化発酵」と「乾燥」をさせるのが基本工程。発酵の度合いを変えたり、烏龍茶の工程を取り入れたり、茶園がオリジナリティを追求しています。ちなみに緑茶は最初に茶葉を加熱して酵素の働きを止めた不発酵茶です。
Q.茶葉の選び方のポイントはありますか?
A.和紅茶の味わいに最も影響するのが品種。紅茶らしい渋みの「べにふうき」、香りのいい「香駿」「さやまかおり」など、品種と特徴をいくつか覚えて、好みで選んでみましょう。好きな和紅茶を見つけたら次は同じ茶園の別の品種にトライしたり、縁のある産地から選んでみても。
Q.和紅茶の最新トピックは?
A.昨年イギリスで行われた品評会「ザ・リーフィーズ」で、熊本の〈お茶のカジハラ〉の「べにふうき」がトップに! また近年、中国・台湾茶の製法を取り入れた繊細な和紅茶が高く評価される潮流があるほか、旨みと甘みを備えた緑茶品種の品質が格段に上昇。和紅茶は進化を続けています。
日本のお茶の世界をもっと知ろう。
基礎をおさえてオンリーワンの和紅茶を体験しよう!