春トレンドをバランス良く取り入れる。 スタイリスト木村真紀による「ソロソロ、イイモノ。」Theme #11/ライトカラーのクロップドシャツ
似合うものは決まってきたし、あふれるほど欲しいわけじゃない。心地がいい、具合がいい、気分がいい、品がいい。いろんな意味でバランスの「イイモノ」に、少しの特別を添えて。
10年に一度の大寒波といわれる今年の冬。まだまだ暖かいコートで防寒の日々が続きますが、冬物のセールも終盤。街中のウィンドウには春を先取りするムードが早くも漂っています。
セールのアイテムを買いに行ったのに、横に売られていたセールではないアイテムに惹かれ思わず買ってしまった、という経験をしたことはありませんか?ダークトーンで重めの冬服とは一線を画す春服は、軽い素材感と明るいカラーリングでとても魅力的に映ります。気分を上げてくれる春服は、いつもより少し冒険してもいいかな、と思わせてくれるアイテム。普段なら長く愛せるベーシックなアイテムを選びがちですが、トレンド感を少し足して楽しんでみたいな、と思わせてくれるアイテムでもあります。
ここ数シーズン続いていたトレンドの一つがY2Kと呼ばれる〝肌見せ〟が象徴的な2000年代のファッションスタイル。今季はその流れがヘルシー&ジェンダーレスに進化して、レースやシースルーといったシアールックやローウエストのスカートやパンツといったアイテムに注目が集まっています。
ランウェイそのままのトレンドはなかなか取り入れづらいですが、導入アイテムとして良さそうなのが、短めの丈に抜け感が漂う〝クロップドシャツ〟です。〈ミュウミュウ〉が2022年春夏のコレクションで発表して以来の注目アイテムで、今では多くのブランドがさまざまなクロップドシャツを展開。せっかくならカラーやテイストもトレンド感をプラスできる、ライトカラーでワークテイストのものがオススメ。例えば、アクティブなムードのプルオーバーデザインや袖のDカンでロールアップのスタイリングが楽しめるものなど、クロップド丈は難しそうと思う人にこそトライしてほしい、〝トレンド〟と〝着こなせる〟の絶妙バランスを兼ね備えたクロップドシャツです。
アウトドア×クラシックアイテムが生む新機能美。
〈サカイ〉でパタンナーとして活躍した髙橋伸明氏が2023年春夏からスタートさせた〈エヌティーエヌ〉。アウトドアウエアの特性をクラシックなアイテムに落とし込み、新しい機能美を追求する同ブランドらしく、アクティブなクロップド丈のプルオーバーが上質でハリのあるコットンの生地感と襟や袖などのシャツライクなディテールのおかげで大人な印象に。
ロールアップスタイリングで抜け感を楽しむ。
しなやかなオックスフォード生地を使ったボタンダウンデザインとゆったりとした身幅がボーイズライク。袖をロールアップしてスタイリングできるのが特徴で、袖のダブルDカンでアレンジを楽しめます。抜け感を演出するクロップド丈に加え、切りっぱなしの裾やブルートリムがカジュアルさもプラス。