晩酌をもっとおいしく!娘と父で学ぶ『お酒の学校』 いつもの一杯が最高の一杯になる、ビールの注ぎ方テクニックとは?~『お酒の学校』ビール編その1~ LEARN 2023.02.06

唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”シリーズが、さらに拡大!いつもと違ったお酒の楽しみ方やいままで知らなかったお酒の知識などを、お酒のエキスパートの方々に教えていただきます。今回は家飲みの代表格ビール編。前編は、いつものビールがグンとおいしくなる驚きのテクニックを伝授していただきます。

いよいよ実践!おいしいビールの注ぎ方を完全マスター。

ショーヘイ「では、最後におふたりにやってみてもらいましょうか」
テツヤ「一度注ぎってことは、一度に注ぎ切る大きさのグラスがいいってことですよね?」
ショーヘイ「そうですね。実はこのグラスは300mlなんですけど、ほんとうは缶なら350mlが一度に入るものがベストですね」
テツヤ「日曜の昼とかに、瓶ビールを小さいグラスでちびちびやるほうがいいんじゃないかと思ってたんですけど、ほんとは違うんですね。ということは、500mlの缶もあんまりよくない?」
ひいな「250mlのグラスで、ふたりで飲むならいいんじゃない?」
ショーヘイ「飲み切ったほうがいいですからね。ちなみに、この300mlのグラス、100均のものなんです」
ひいな&テツヤ「え〜!!」
ショーヘイ「グラスってこだわればこだわるほど、いいお値段するんですけど、100均のものでもこんなにおいしく飲めるんですよ」
テツヤ「びっくり!」
ショーヘイ「これは〈ダイソー〉で売ってる『CRうすはりぐらすNo.1』っていう商品で100円で買えますよ」
テツヤ「デザインもシンプルだし」
ひいな「うん、大きさもちょうどいい」
ショーヘイ「私が普段、ラガービール飲む時はこのグラスを使っています」
テツヤ「よく焼き物とかで陶器のビールグラスで飲むとおいしいっていわれますけど、どうなんですか?」
ショーヘイ「それはつまり、三度注ぎと同じことをしてるんです」
テツヤ「あぁ、なるほど。器の表面に抵抗があるから」
ショーヘイ「そうです。炭酸が抜けてマイルドになって、コクが増すってことですね。お好みの味わいを見つけられたらいいですね」
テツヤ「ビールの炭酸や苦味が苦手な方とかは陶器の方が飲みやすくなるかもしれませんね」
ショーヘイ「そうですね。注ぎ方も三度注ぎで注いだビールのほうがおいしいと感じるかもしれません」
ひいな「炭酸がキツいのが苦手っていう方もいますもんね」
テツヤ「そうか。注ぎ方で調整できるのっていいね。1本で二度おいしいってわけだ」
ひいな「いままで知らなかったことばっかり!」

いつもの一杯が最高の一杯になる、ビールの注ぎ方テクニックとは?

ひいな「わぁ、何度飲んでもおいしいな。家で缶ビールを飲むのが楽しみになるね。前日からビールを冷やして…」
テツヤ「ほんとだね。その一手間が大事」
ひいな「すごい、ていねいな暮らし」
ショーヘイ「この味を知っちゃうと戻れなくなりますよ。だから1日置いて、ちゃんとグラスも洗って……ってなります」
テツヤ「本当に、ぜんぜん違ったね。普段飲んでるビールがこんなにおいしくなるなんて。ビールの見方が変わったなぁ。いままでは、ここまでおいしく飲めてなかったから、“とりあえずビール”ってなってたのかもな」
ショーヘイ「とりあえずビールでのどを潤してから、次のお酒へいくためのお酒っていうイメージが強いですよね」
ひいな「いままでビールに失礼なことをしてたのかもしれない。反省だね」
テツヤ「この味を知っちゃうと、冷蔵庫開けて、雑にそのままプシュッと飲もうと思わなくなるよね」
ひいな「そうそう。一杯を大切に飲むようになるから、量じゃなくなるし」
テツヤ「そうそう、量より質っていうかね。でも、おいしいから余計に飲んじゃいそうだけどね!」

いつもの一杯が最高の一杯になる、ビールの注ぎ方テクニックとは?

■くっくショーヘイ(佐藤翔平)
フードペアリングインストラクター/ビアジャーナリスト。学生時代に「酸っぱいビール」に衝撃を受け、5,000種類以上のビールをテイスティング。10以上のお酒の資格を持ち、「ビアジャーナリストアカデミー」などで講師を務める。2022年、著書『うまいビールが飲みたい!最高の一杯を見つけるためのメソッド』(リトルモア)を上梓。最高の一杯を飲むためのさまざまなテクニックやビールの楽しみ方をわかりやすく伝える。

【ひいなのつぶやき】
教えていただいたビールをおいしく飲むためのポイントは全部簡単なのに、味が格段に違うことに驚きました!これを知っていれば、家でおいしいビールが飲めるから「今日も1日頑張ろう!」と日々の活力になりそうです!ていねいな缶ビールとの暮らし、早速取り入れます!!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

後編はこちら

photo:Kaori Ouchi edit&text:Kayo Yabushita

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