言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第85回~

LEARN 2022.10.14

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。

(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Aya Murakami)

「君たちは何にでもなれるよ」

9月にKADOKAWAから出版した『アンクールな人生』のプロモーションの一環として(他社案件すみません!笑)全国各地の高校を回らせてもらった。北から、岩手県・茨城県・東京都・大阪府・福岡県×2の計6校。県立の高校5校と私立2校。本の中で私が過ごしてきた学生時代のことに多く触れているので、学生さんにこの本を読んでもらいたいと思い、高校生と触れ合えるイベントを催したのだけれど、私の中で予想以上にかなり思うことが多い出来事になった。

私も31歳を迎えて(というか、もはや32歳間近ですが)ちらほら周りの友達が子どもを産んだり、来年小学校にあがる可愛い6歳の甥と4歳の姪がいたり、お子さんを持つ諸先輩方のお話を聞く機会も多かったりして、今のお子さんたちの進学事情だったり受験情報、子を持つ親の葛藤・悩みなんていうのがよく耳に入ってくるようになった。そもそも自分が中学受験で慶應に入ったというのもあるし、私はまだ親目線ではなく、子ども・やらされる側の目線でしか話すことが出来ないけれど、自分なりにあーでもないこーでもないと考えながら先輩方とお話しするのは嫌いじゃない。これまで知ったかぶりをして色々話してきたけれど、今回のイベントでいまを生きる高校生と沢山交流させてもらって私なりに掴んだことは、大人に出来ることは子どもたち(ここで指すのは高校生)に進路のバリエーションを見せることであり、選択肢を増やすことではないか、と。環境が良いとか、進学率が良いとか、そういったことはまた別のベクトルな気がしてきたのだ。

正直に思ったのが、地方に生まれ育っていたとしたら、メディアの仕事が身近に感じられるかといったら、そんなことはあまりないと思うということ(あくまでもこれは私の想像なので、違う現実があるという指摘も甘んじて受けいれます)。周りにないものを自分の将来像として見続けるのには大きなエネルギーがいる。強い憧れがあり、モチベーションが高いなら突き進めると思うけど、そんな子ばかりじゃないから、見える選択肢から選んでしまうところがあるのではないか?と思った。地方よりも東京が良いとかそういった議論ではなくて、「自分は何にだってなれるんだ!」という一番子どもたちに必要な基本の心構えを、どこにいようが周りの大人が示さないといけないと思う。「この道しかない」と言われ、そこに飛び込んでいく勇気も素晴らしいと思うけど、これもあれもどれも迷っちゃうけど、これにしてみた!という自分でした決意がその先自分を強くしてくれると思うから。実際私もそうだし。

色んな事を考えすぎて頭がパンクしそうな高校生にいっぱい会えて(中には、昔の私のように何にも考えていなそうなお気楽な子もいましたが)、すごく刺激されました。自分の高校時代と比べて、今さらながら反省することも沢山見つかったし、加えてこの子たちの目指すべき姿にならないといけないなとも思いました。総じて、君たちは何にでもなれるよ、と大声で伝えたい! そんな秋になりました。

【弘中のひとりごと】
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