J SONGBOOK 日本の音楽を学ぼう! CHAIが語る女性アーティストのパワーの源。「『かわいい!』がパワーになる!」
見ていると元気になる、力をもらえる。数々のファンを勇気づけてきた2組の女性アーティストのパワーの源と、いま見つめているものとは?今回は、ガールズグループのCHAIさんにお話を聞きました。
マナ:憧れの女性アーティストかあ。
カナ:アーティストを男性・女性と分けて考えることがないもんね。
ユナ:まったく意識したことがない。
ユウキ:私は逆に“女性アーティスト”という存在がすごく好き。いまだったらリゾ(Lizzo)とか大好き。
マナ:リゾはめっちゃカッコいい!めちゃめちゃ強い存在だもん。そういう意味でいえば、ラヴフォックスです、私は。CSSっていうブラジルのバンドのボーカルで、歌い方、パフォーマンス、見せ方、しゃべり方、完全に影響を受けてます。ロックでパンクで心はモキシー(注:勇気、元気の意)。全身レインボーのタイツを着てラップをして。彼女のステージを観たときに、女の子っていいなってすごく思った。それこそ、ガールズのパワーを感じる。生命力。
カナ:私はギターを弾くし歌も歌うので、ザ・エックス・エックスのロミー(・マドリー・クロフト)かな。彼女が弾くギターの空間がすごく好き。空間を自分色に染めるのがうまいというか。シンプルな音色でフレーズも簡単だから、ヘタな人が弾けばヘタに聞こえる音色だけど、うまく料理をしてるなって。
ユナ:私は女性アーティストと言われてパッと出てくるのはMISIAさん。私は基本的にドラマーで、コーラスはちょっとやるぐらいなんだけど、最近、ボイトレに通うようになって、歌うことの大変さと素晴らしさと、体が楽器なんだということを実感するようになって。何気なく聴いていたMISIAさんの歌声と表現力に、より感動するようになって。心の奥まで届いてくるのは本当にすごいなって。ドラムは音階のない楽器だけど、心の持ちようで音は変わるし、表現力ってどのパーツも共通してるんだよなって、再認識。
ユウキ:私は昔から女性アーティストが好きで。子供の頃はモーニング娘。が好きだったし、チャットモンチーも好きだった。振り返れば、女性アーティストが好きなことが多いんだけど、実は、いま注目してるのはハリー・スタイルズ。男性だし、イケメンには興味ないから彼がワン・ダイレクションにいるときはまったく興味なかったんだけど、ソロになってからは、男性の中にある女性性を出すようになって。男性が隠したい女性らしさ、女々しいと言われるような部分をあえて出すことで、こんなに強く唯一無二になれるんだ、カッコいいなって。男性から女性性を学んだというか(笑)。女性ってすごいなって、あらためて感じる。
マナ:やっぱ、女性性って“パワー”ってことだと思う。スペインのガールズバンド、ハインズ(HiNDS)とコラボしたときも、女の子8人そろうとすごいエネルギーになるなって改めて思ったし。女性として生きるというのは、周りの目を気にせずパワフルに生きるということ。私たちが「NEOかわいい」という言葉をコンセプトとしてきたのは、目が一重でも、リゾみたいに大きくても、ハリーみたいに中性的でも、男性も女性も含めて、みんないいところがある、コンプレックス最高!って。かわいくない人なんておらんもん!
Profile…CHAI(チャイ)
一卵性双生児のマナ&カナにユウキとユナの男前な最強リズム隊で編成された“NEOかわいい”バンド。2017年、ファーストアルバム『PINK 』が話題に。海外での活動も活発で、欧米で人気が高い。シングル「HERO JOURNEY feat. Superorganism」が発売中。今夏はサマソニなどの夏フェス出演後、アメリカと初の南米ツアーも。夢はグラミー賞!