野菜ソムリエプロが手がける地産地消の料理を朝夕で! 〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉のヴィーガンメニュー宿泊プランを体験。
2022年 9月30日(金)までの期間、〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉よりヴィーガンメニュー(夕食、朝食)を楽しむ宿泊プラン「Vegan SURU」が登場。「野菜ソムリエプロ」の資格をもつ女性シェフ・野口紗和子氏による朝食、夕食が味わえる宿泊プランを実際に体験してきました。
建築界の巨匠・村野藤吾氏が基本設計した〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉。
なだらかな稜線を描く東山三十六峰の北端「比叡山」を借景する、洛北・宝ヶ池。古くより、みやこびとの保養地としても知られ清らかな水とゆたかな緑に抱かれる景勝の地に位置するのが〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉です。
京都市営地下鉄烏丸線国際会館駅4-2出口より徒歩3分の場所に位置し、京都駅から国際会館駅までは地下鉄を使い約20分でアクセスできます。ちなみに京都駅新幹線八条口には「プリンスホテルウエルカムカウンター」があり、そのまま荷物を預けて観光に出かけることも可能です。
ホテルの建物は、日本建築界の巨匠・村野藤吾氏が基本設計。意匠を凝らした曲線美が、館内随所に見られ、一部改装が行われたいまもそのレガシーが感じられます。
ヴィーガン未体験者もおいしく楽しめる宿泊プラン「Vegan SURU」。
そんな〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉で新たにスタートしたのが、地元・京都の食材をふんだんに使用することにより輸送におけるCo2削減にもつながるサスティナブルなヴィーガンメニューを提供する宿泊プラン「Vegan SURU」。「野菜ソムリエプロ」の資格をもつ野口紗和子シェフによるこのプランだけの限定ヴィーガン料理を、夕食と朝食で味わえます。
プラン名の「Vegan SURU」は「ヴィーガンする」の意味。「ヴィーガンメニューに興味がありながら未体験という人も気軽においしく食べてもらいたい」という野口シェフの思いが込められています。
プランで宿泊できるのは、約40平米の広さを誇るデラックスフロアツインルーム。
このプランで宿泊できるのが、ホテルの5階と6階に位置するデラックスフロアツインルーム。
宝ヶ池の自然をテーマにしたインテリアで、窓からは豊かな緑を楽しめます。今回宿泊した客室からは、宝ヶ池公園や比叡山の緑、大谷幸夫建築の〈京都国立国際会館〉が窓の外に広がり、素晴らしい眺望でした。
6品とデザート、食後のドリンクがついたフレンチの技法を活用したディナーコース。
夕食は〈メインダイニング いと桜〉で料理6品とデザート1品に食後のドリンクがついたコース仕立てで味わうことができます。
お迎えの一皿として提供されるのが、12種類の野菜をフランス産ナヴェットの種子のオイルでマリネした「彩り野菜・ナヴェットオイルのマリネ」。仕入れ状況に応じて使用される食材が異なるのですが、この日は紅芯大根やアボカド、黒大根やヤングコーンなどが使用されていました。それぞれの野菜の食感や見た目を意識してカットや盛り付けを施しており、フレッシュでバラエティ豊かな味わいを感じられます。
前菜として登場したのが、菜園という意味を持つジャルダンと名付けられた「“サラダ・ヴェール”西京味噌で漬けた京とうふと緑の野菜のジャルダン」。西京味噌に漬け込んだ京豆腐と、緑の野菜、そこにマヨネーズと香草で仕上げたグリーンマスタードソースをかけています。この日はレモンを使ったシトラスオイルに漬けたグリーンアスパラガスと、エキストラバージンオリーブオイルに漬けたアボカドを土台として重ね合わせ、上に葉物野菜をトッピングしていました。
西京味噌に漬け込んだ京豆腐は、チーズのような濃厚でしっかりとした味わい。ジューシーなアスパラガスと、こっくりとした味わいのアボカド、ハーバルな味わいの葉物野菜ともよくあっており、グリーンマスタードソースがアクセントになっています。
前菜と合わせて提供されるパンは、米粉で作り上げたライスブレッド。小麦粉はヴィーガン対応ですが、今回のプランはアレルギーをお持ちの方にも配慮しています。そのため、パンにつけるのもバターではなく、エキストラバージンオリーブオイルです。ライスブレッドは、外側は噛みごたえがありつつも、中はしっとりとしており、咀嚼を続けると米の優しい甘さがじんわりと口の中に広がっていきます。
5種のきのこのフォーや、スパイスソースが食欲を刺激する野菜のソテーも!
続くスープは、丹後海岸付近で獲れる海藻のアカモクを使った「丹後からのアカモクと穀物、野菜のブイヨンスープ」。アカモクは、 鉄、亜鉛などのミネラルや食物繊維、ポリフェノール、フコイダンを多く含み、生活習慣病を緩和するといわれています。スープはミネラル感と、野菜の出汁と優しい甘さを感じる一杯。黒米などの穀物も意外とたっぷりで、生姜のアクセントもきいていて満足感があります。
4品目は、京丹波地方で栽培され、福神の一人・大黒様のお腹に見立てた大黒しめじを使った「5種のきのこのフォー」。大黒しめじはうま味成分と疲労回復に役立つと言われるオルニチンを多く含んでいます。
米粉が原材料のフォーは喉越しがよい平打ち麺で、5種類のきのこはオリーブオイルを使ってコクを出し、香草とニンニクで香り付けし、トリュフソルトで味を引き締めています。スープはなめこのとろみが出ており、きのこの芳醇な香りと力強いうま味が印象的で、薬膳料理のようにも感じました。
フォーと一緒に提供された「“レギューム・ショー” 本日の野菜ソテー スパイス香るソースと合わせて」は、京都府舞鶴市万願寺が発祥の万願寺とうがらしを使用。万願寺甘とうとも呼ばれる辛さが強くないとうがらしと、京都でその日に採れた野菜を、体を温めるといわれるスパイスのソースで合わせ、塩分控えめに仕上げています。この日は賀茂ナス、ジャガイモ、トマト、きのこなどが使われていました。ソースは、クミンやコリアンダー、ニンニクに、刻んだエシャロットやエストラゴンなどで仕上げており、カレー風味ながらどこかフレンチらしさも感じる、後を引くおいしさです。このソースのおかげで、パンチが効いた一皿になっていました。
デザートは、渋みの後に奥深い甘さやコクが感じられ、鮮やかな緑色の発色も美しい宇治抹茶を使用した「濃厚な宇治抹茶とアーモンドミルクのテリーヌ 甘麴のジェラートとフルーツを添えて」。テリーヌは、宇治抹茶に加え、食物繊維とビタミンEを含むアーモンドミルクでコクを出し、濃厚な味わいに仕上げています。ジェラートは甘麹本来の優しい甘さを生かし、季節のフルーツをトッピング。
この日はイチゴやブルーベリー、パイナップルが使用されていました。メイプルシロップのシュガーパウダーでコーティングされたクルミやカシューナッツのカリカリとした食感と、香ばしい甘さがアクセントになっています。
デザートの後には、ハーブティーのカモミールティーと小菓子が振る舞われました。小菓子はマメ科のキャロブを使ったココア風味の一品。就寝前ということでカフェインレスで、消化促進も期待できるカモミールティーをセレクトしているところにも、シェフの配慮が感じられます。
朝食はインルームダイニングでヘルシーかつ優雅に。
朝食はインルームダイニングにて味わうことができます。
指定の時間になると、客室までワゴンで朝食を運んでくださいます。
「彩り野菜サラダ 林檎酢とレモンオイルのドレッシング」は、血行をよくすると言われる林檎酢と、腸内運動を促進すると言われるオリーブオイル、抗酸化作用が期待できるレモンをドレッシングに使用しています。このドレッシングが、眠っていた食欲を呼び起こしてくれるおいしさと満足感です。
意外に食べ応えがしっかりあるのが「5種のフルーツの豆腐ピューレボウル」。アントシアニンや食物繊維を含むブルーベリーのソースと、鉄分と銅を含むデーツ、チョコレートでコーティングしたフレーク、季節のフルーツの酸味を、豆腐ヨーグルトがまろやかな味わいで包み込みます。豆腐ピューレボウルには、メイプルシロップをまわしかけていただきます。この日のフルーツはバナナ、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ。
デーツやチョコレートフレークがしっかりコクのある甘みをしているので、エチオピアイルガチェフェ産の有機フェアトレードコーヒーともよく合う一皿です。パンは夕食と同じくライスブレッドで、お好みでジャムや蜂蜜をつけていただけます。
最初は「これだけで足りるかな?」と思っていたのですが、予想以上にボリュームがあり、満足なモーニングとなりました。コロナ禍のため、人目を気にせず安心して朝食を味わえるのもありがたかったです。
京都中心地の喧騒を離れた緑豊かなエリアに佇むホテルで、体をいたわるヴィーガンコースを朝食と夕食で楽しめる今回のプラン。ヴィーガンの人だけでなく、知られざる京野菜の魅力を発見したい、ヘルシーにおいしい料理を味わいたい、という人にもおすすめのプランだと感じました。
〈ザ・プリンス 京都宝ヶ池〉
■京都府京都市左京区岩倉幡枝町1092-2
■075-712-1111
■「Vegan SURU」公式サイト